2018年3月の関西旅行 近畿日本鉄道編 その3 特急車両 番外編 18200/18400系
昔のアルバムから掘り出した近鉄特急の写真、今回は細面の京橿特急として活躍し、後に団体専用列車用になった18200系、18400系です。
数日前の南大阪・吉野線特急の話題で、1964年10月の東海道新幹線開業後、名阪特急が大打撃を受ける中、京都~奈良間の京奈特急、さらに吉野連絡の京都~橿原神宮前間の京橿特急を走らせ起死回生を狙ったという歴史が出てきました。
当時の橿原線は旧奈良電からの600V電化で、車両限界も小さく20m級車両が入線できないという問題がありました。1964年に登場した京橿特急は奈良電が1954年に投入した車体幅の狭い中型高性能車デハボ1200型と1957年製の旧性能車デハボ1350型をTc化して特急車両(モ681+ク691、モ682+ク692)にした680系した。1969年には奈良・京都・橿原線が1500Vに昇圧され、出力アップされました。
さらに京橿特急は大人気で増発用予備編成としてさらに683系が旧奈良電車両から改造され戦列に加わりました。
1965年から1966年にかけて、18000系2連が2本新製されました。車両限界の問題から車体幅の狭い18m中型車で車体は新製ですが、機器類は旧600形からの流用されたため吊り掛け駆動車でした。同時期に製造された16000系を小型にしたスタイルで狭い車内に転換クロスシート、冷房も完備してしました。
撮影時期不明 京都駅付近 モ18205 18200系は従来の京橿特急の仕様を踏襲し、制御車が京都側、制御電動車が橿原神宮前側に連結されています。
18200系は1966年に登場した高性能の18m級特急車で、京伊特急として大阪線も走るため600V ・1500Vの複電圧車として製造されました。小さい車体ながら高速性能を保持した点などが評価され、1967年には鉄道友の会からブルーリボン賞が授与されました。
モ18201~205+ク18301~305
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車体長 18,640 mm
車体幅 2,590 mm
車体高 3,840 mm
台車 KD-63
主電動機 三菱電機 MB-3127-A
主電動機出力 180kW
駆動方式 WNドライブ 歯車比 3.81
編成出力 720kW
制御装置 抵抗制御
制動装置 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ HSC-D 抑速ブレーキ
保安装置 近鉄型ATS
1973年には橿原線の限界拡張が完成し、20m車が入線可能となり、後続車との格差から団体専用「あおぞらII」に改造されました。
上の写真と同日 京都駅付近 モ18408 18400系は京伊特急と阪伊乙特急の併結時にパンタグラフが接近するのを防ぐため、京都側に制御電動車、橿原神宮前側に制御車という構成になりました。
18400系は1969年に鳥羽線開業、志摩線改軌による京伊特急の増発用として登場しました。狹幅特急の決定版といえる20m級車両です。1972年までにMcTcの2連10本が製造されました。車体と車内設備は同時期に製造された12200系に準じています。8編成目まではスナックコーナーが設置され、「ミニスナックカー」と呼ばれました。しかし、1976年にはスナックコーナーが撤去され、1984年以降車体更新が行われました。惟一編成、更新を受けなかった18409Fは1997年に「あおぞらII」に改造されました。その他の編成は2000年までに全廃となりました。
モ18401~410+ク18501~510
主要諸元
最高運転速度 120 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 124名(18401F - 18403F・18409F・18410F)128名 (18404F - 18408F)
自重 Mc車:36.0t(製造時)
Tc車:34.0t(製造時)
編成重量 70.0t(製造時)
車体長 20,640 mm
車体幅 2,670 mm
全高 4,150 mm
車体高 4,015 mm
台車 KD-63D・E
主電動機 三菱電機 MB-3127-A
主電動機出力 180kW
駆動方式 WNドライブ 歯車比 3.81
編成出力 720kW
制御装置 抵抗制御
制動装置 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ HSC-D 抑速ブレーキ
保安装置 近鉄型ATS
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