2018年10月の関西旅行 近畿日本鉄道 その9 事業用車 モト97・98
今回は2018年10月の関西旅行において橿原神宮前駅で見かけた事業用車モト97・98の話題です。
狭軌の南大阪線の車両は橿原神宮前駅横の台車交換施設で標準軌の仮台車に履き替え、橿原線、大和八木連絡線を通り、大阪線の五位堂検車区にて検修を受けます。その際に橿原神宮前から五位堂検車区まで検査を受ける車両を牽引するのがモト97・98です。
2018/10/5 橿原神宮前
五位堂からか戻り、橿原神宮前で台車交換中の6203
線路は南大阪線からの狭軌車両と橿原線の標準車両が進入できるように4線式となっています。
これらの車両は元々、大阪線の保線作業用に定尺レールなどの輸送のため1960年11月2日にモト2721・2722として近畿車輛で製造されたものでした。片運転台の無蓋車で2両を背中合わせに連結し、運用することが前提で設計されました。
竣工時の機器類
主電動機 三菱電機MB-211=BF
駆動方式 吊かけ式 歯数比 27:56(2.07)
主制御器 抑速電制付 三菱電機ABF単位スイッチ式
ブレーキ AMA自動空気ブレーキ
台車 形鋼組み立てイコライザー台車 日本車輛D-22
パンタグラフ 東洋電機製造PT-42
1970年代に前照灯は二灯化され、シールドビーム化されました。運転室の後ろに添乗員スペースがあり、かつては側窓があったそうですが、1995年の改造で閉鎖されたそうです。
1970年3月2日に電動貨車の改番が行われ、モト97・98になりました。そして1982年に車両の整備・検査体制の全面的な見直しが実施され、それまで各線に配置されていた特急車両、一般型車両の検査・補修は高安・玉川・古市の3工場で実施されていたのが、五位堂検修車庫で一括実施に改められました。
この改定で古市検車区~五位堂検車区間の移動で橿原神宮前で標準軌台車に履き替えた車両の前後に連結して輸送する役割を担うことになりました。
ブレーキはそれまでのAMA自動空気ブレーキから南大阪線車両と互換性のあるHSC電磁直通ブレーキに交換し、台車は車体シリンダー式ブレーキ対応のD-22からKD-15Bシュリーレン式台車に交換、荷台には外した台車を積載できるように床面に4本のレールを敷設しました。
1995年には電装品類が老朽化したため、旧式の機器等を淘汰し、WNドライブ方式の高性能車に生まれ変わりました。
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コメント
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B 767-281様こんにちは。事業用車まで新性能化して使い続けるとは、素晴らしいです!昨日は京阪2600系に乗車、辿ってみると車体はもう60歳に近い!先程乗った阪急6300もリニューアルされ4連となったとは言えピカピカです。関西の私鉄恐るべしと思いました。
投稿: 細井忠邦 | 2018年12月28日 (金) 12時13分
細井忠邦さま、おはようございます。
京阪の2600系は1978年登場ですか。当時の昇圧を思い出させますね。一方、阪急の6300系、京都線の特急として颯爽とデビューしたのを憶えています。
やはりこういった車両が生き残っているのが関西の私鉄の魅力ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2018年12月29日 (土) 06時04分