2018年3/11月の関西旅行 近畿日本鉄道 その10 西信貴鋼索線車両
昨日の生駒山ケーブルに続き、今回は信貴山口と高安山を結ぶ西信貴鋼索線(西信貴ケーブル)の話題です。
信貴山真言宗総本山、信貴山の毘沙門さんとして知られる信貴山朝護孫子寺は関東ではあまり馴染みがないかと思いますが、関西では初詣等で多くの参拝客で賑わうようです。かつてはここへのルートとして、近鉄生駒線信貴山下駅から信貴山駅まで東信貴鋼索線がありました。
生駒線の前身の信貴生駒電気鉄道が1922年5月16日に開業したケーブルカーでしたが、1930年12月15日に大阪電気鉄道の子会社の信貴山電鉄が大阪からのアクセスの良さを狙って、桜井線(現大阪線)から信貴線、さらに信貴山口~高安山間の鋼索線、さらに高安山~信貴山門間の鉄道線を開業しました。これにより東信貴鋼索線は客足が減り、周辺の宅地化による道路整備の支障となり、1983年9月1日に全廃されました。
1944年1月7日には信貴急行鋼索線、山上鉄道線(平坦線と改称)が戦時の不要不急路線に指定され運行を休止、資材が供出されました。戦後の1957年3月12日、平坦線は正式に廃止され、3月21日、鋼索線は運行が再開されました。
路線距離(営業キロ):1.3 km
路線距離(水平距離):1263m
方式:単線2両交走式
軌間:1067mm
駅数:2駅(起終点駅含む)
高低差:354m
最大勾配:480‰(約25°38′)
最緩勾配:169.5‰(約9°37′)
山側には1トン積みの貨車 コニ7形が連結されています。 中身は高安山駅のトイレで使用される水だそうです。
こちらの線にも踏切(2カ所、両方とも歩行者専用)があります。因みに踏切が存在するケーブルは宝山寺線とここだけだそうです。
この説明と車輪の組み合わせで中間点でのすれ違いのメカニズムがよく理解出来ます。
運転席
運転の際には乗務員が座り、前方監視、緊急時の制動制御を行います。
制動装置はテオドル・ベル式といい、名前から想像できるように欧州から輸入された方式で強力なバネの力で制動子が軌条を掴む方式です。他に車輪の回転力をネジに伝えて制動子が軌条を掴むギーセライベルン方式、圧縮空気の圧力で油圧をつくり、それを制動筒に導き、軌条を掴むセレッチタンファニー方式があるそうです。
かつて信貴山上線→平坦線が走っていた区間、現在はケーブルに接続してバスが運行されています。
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