国鉄からJR西日本・JR東海に継承された117系の活躍 part2 名古屋地区にも投入
117系は1979年9月12日に川崎重工業兵庫工場にて量産先行試作編成6両が竣工し、性能試験、習熟運転を経て、10月13,14日には大阪、京都、神戸、姫路駅で車両展示会が開催され、一般に存在が周知され、1980年1月22日から第1編成が営業運転に投入されました。運用は新快速のみならず、快速にも投入されました。
表1 1986年11月1日ダイヤ改正時点での117系宮原電車区編成表
1980年3月末までに8編成48両が宮原電車区に配置され、それまで新快速で活躍していた153系(一部クハ165を含む)は捻出され、25両が廃車、残りは名古屋へ19両、長野へ1両、広島に3両が転属となりました。
1980年7月15日には第21編成が近畿車輛で落成し、新快速の運用は117系に完全に置き換えられました。残っていた153系13編成のうち、39両は廃車、27両が名古屋へ、12両が東京南へ転属となりました。このときに登場した編成は塗屋根になりました。
1982年には名古屋地区快速運用に向けの扉の半自動機能使用停止措置、自動解結装置省略、パンタグラフの暖地仕様(京阪神用は湖西線での運用を考慮し、ばね部分にカバーがある耐寒耐雪仕様のPS16)、クハ117のトイレ設置、などの仕様変更車両が大垣電車区に9本投入されました。愛称は「東海ライナー」となりました。
1986/12/3 名古屋
4連化され、大垣から神領に転属となった117系編成 クハ117が100番台の編成
国鉄分割民営化直前の1986年11月1日のダイヤ改正に向けて、京阪神地区の新快速増発用に6連3本、名古屋地区は6連をTcMM'とMM'T'cに分割し、4連2本にするためにT'cとTcが各9両増備されました。このときの増備車は100番台、クハ116-200番台(トイレ無)と番台区分されました。
0番台からの変更点は既に登場していた211系の仕様も考量し、
・車端部のデッドスペースを減らし、立ち席スペースを拡大
・側窓の構造をユニット窓から2列1組バランサー付き1段下降タイプに変更
・台枠付近の防錆構造を強化
・台車を電動車はDT32EからDT50Cへ、制御車はTR69HからTR235Bに変更、これに伴って床面高さが45mm下がる
・セミバケットタイプの座席に変更
・暖房機は211系同様につり下げ式とし、足を伸ばせる構造としました。
・冷房装置はAU75Bからステンレス製キセのAU75Eに変更
大垣の117系は編成分割、短縮と同時に神領区に転属しました。
窓の形態から1986年に投入された100番台編成であることが分かります。
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コメント
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B 767-281様今晩は。国鉄末期の編成短縮と列車の高頻度化は良かったと思います。117系の場合は編成美は崩れましたが、地域密着になりましたね。最近はさすがに新幹線でサッと行きますが、東海道線で関西方面に向かっていた頃は静岡近辺にも快速運転があり、いいなと思っていました。いずれにしろ分割民営化され、それぞれの会社が当たり前ですが、自社の利益を優先しているので新幹線を使わない場合には横の繋がりはイマイチだと思います。117系から連想ゲーム的に飛んでしまいました。
投稿: 細井忠邦 | 2019年1月24日 (木) 20時47分
細井忠邦さま、おはようございます。
国鉄分割民営化から早くも30年以上過ぎましたが、民営化直後はJR各社間で他の会社の路線に乗り入れも結構ありましたね。東海の車両が東京駅で見られた時期もありました。
もう一度国鉄に戻るのは無理ですが、一般社会同様に会社間の格差も広がっているように感じます。なんとか苦しい会社を裕福な会社が救える体制はないものですかね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年1月25日 (金) 05時40分