公園保存蒸機 D51 516 号機 本牧市民公園
今回からは2015年4月に横浜の本牧市民公園と磯子の横浜市電保存館を訪問した際の記録です。
本牧市民公園は1968年まで続いた本牧埠頭関連造成用地の海面埋め立てにより、海を失った人々や港で働いていた人々のために、テニスコート、運動広場、池などの施設を整備し、1969年に横浜市によって開園された総合公園です。池はかつて海だった場所で、1989年には横浜市、上海市の友好都市締結15周年を記念して「上海横浜友好園」もつくられました。
沖田祐作氏の機関車表によれば、
D51516 国鉄大宮工場=29 1941-11-00 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1941-11-00 製造→ 納入;国鉄;D51516→
配属;東京局→1941-11-12 竣工→1941-11-19
配置;新鶴見→1944-11-28 大宮→1963-03-16 借入;尾久→1963-03-20 返却→1963-04-26 借入;尾久→1963-05-10 返却→1969-04-25(4/23?)新鶴見→1970-11-28
廃車;新鶴見→ 保存;神奈川県横浜市「本牧市民公園」;D51516
大宮工場製造の機関車で新製配置は東京局で、その後も記録を見るかきりでは新鶴見、大宮、尾久、新鶴見と首都圏を中心に活躍した機関車のようです。最後は新鶴見で廃車を迎え、現地に保存となったようです。
516号機は国鉄大宮工場で製造された製番29のD51ですが、大宮工場製のD51を機関車表で調べてみると1115両の内
D51187 国鉄大宮工場=1 1938-09-09 S77.60t1D1T(1067)
D51188 国鉄大宮工場=2 1938-10-16(10/15?) S77.60t1D1T(1067)
D51189 国鉄大宮工場=3 1938-11-28 S77.60t1D1T(1067)
D51190 国鉄大宮工場=4 1938-12-20 S77.60t1D1T(1067)
D51191 国鉄大宮工場=5 1939-01-27 S77.60t1D1T(1067)
D51192 国鉄大宮工場=6 1939-02-16 S77.60t1D1T(1067)
D51193 国鉄大宮工場=7 1939-03-09 S77.60t1D1T(1067)
D51194 国鉄大宮工場=8 1939-03-25 S77.60t1D1T(1067)
D51195 国鉄大宮工場=9 1939-07-28 S77.60t1D1T(1067)
D51196 国鉄大宮工場=10 1939-08-22 S77.60t1D1T(1067)
D51197 国鉄大宮工場=11 1939-09-27 S77.60t1D1T(1067)
D51198 国鉄大宮工場=12 1939-11-14 S77.60t1D1T(1067)
D51243 国鉄大宮工場=13 1939-11-26 S77.60t1D1T(1067)
D51244 国鉄大宮工場=14 1939-12-16 S77.60t1D1T(1067)
D51469 国鉄大宮工場=15 1940-01-22 S77.60t1D1T(1067)
D51470 国鉄大宮工場=16 1940-02-12 S77.60t1D1T(1067)
D51471 国鉄大宮工場=17 1940-03-10 S77.60t1D1T(1067)
D51472 国鉄大宮工場=18 1940-03-27 S77.60t1D1T(1067)
D51506 国鉄大宮工場=19 1940-06-22 S77.60t1D1T(1067)
D51507 国鉄大宮工場=20 1940-07-10 S77.60t1D1T(1067)
D51508 国鉄大宮工場=21 1940-08-14 S77.60t1D1T(1067)
D51509 国鉄大宮工場=22 1940-09-04 S77.60t1D1T(1067)
D51510 国鉄大宮工場=23 1940-09-26 S77.60t1D1T(1067)
D51511 国鉄大宮工場=24 1940-10-22 S77.60t1D1T(1067)
D51512 国鉄大宮工場=25 1940-11-14 S77.60t1D1T(1067)
D51513 国鉄大宮工場=26 1940-12-11 S77.60t1D1T(1067)
D51514 国鉄大宮工場=27 1941-01-17 S77.60t1D1T(1067)
D51515 国鉄大宮工場=28 1941-03-31 S77.60t1D1T(1067)
D51516 国鉄大宮工場=29 1941-11-00 S77.60t1D1T(1067)
D51517 国鉄大宮工場=30 1942-03-00 S77.60t1D1T(1067)
以上の30両が製造されており、竣工年月日を見ると1ヶ月に1両のペースで量産されています。
保存機は以下のように11両(内、1両は解体)となっています。
製番 1 D51187 大宮車両センター
6 D51192 三重県長島町長島温泉「長島スパーランド」→ 解体
8 D51194 山口県津和野町「国民宿舎青野山荘」→津和野駅前
9 D51195 鳥取県米子市「湊山公園」
14 D51244 北九州市桃園公園 2017年10月に訪問
15 D51469 大阪府堺市「浜寺公園交通遊園」
16 D51470 岐阜県岐阜市「梅林公園」
25 D51512 新潟県新発田市諏訪町「東公園」
26 D51513 東京都板橋区「城北交通公園」2015年10月に訪問
28 D51515 茨城県水戸市「千波都市公園」
29 D51516 神奈川県横浜市「本牧市民公園」
この機関車の炭水車は隣接するテニスコートの散水用の水タンクとして利用されており、上部に金網が張られているそうです。
逆転器リンクプレートは小穴2個のタイプです。
3本の砂管は垂直に落ちて1本が途中から斜めに落ちるタイプです。このパターンは187号機、469号機、470号機、512号機、513号機、515号機などに共通に見られます。大宮工場の様式だったのかも知れません。見た中で194号機だけは3本とも垂直に落ちるタイプです。
助手席側のキャブ前のランボードには潅水清浄装置が装備されていますが、これまで見てきたタイプに較べると上下の長さが短いタイプです。
キャブ内も見学可能ですが、昨日の渋川の724号機などと較べるとかなり荒らされた感じがします。
今回、大宮工場製造機という形で保存D51を見ましたが、こういった括りでこれまでのD51を見直すと製造所別の様式の違いが分かるかもしれません。
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