横浜市電保存館を訪問 その1 横浜市電の概要
2015年4月1日、横浜市本牧児童公園を訪問した後、根岸駅北西の方向にある横浜市電保存館(神奈川県横浜市磯子区滝頭3-1-53
)を訪問しました。
ここはかつて滝頭車両工場で1972年に廃止された横浜市交通局路面電車(横浜市電)に関する資料を保存・展示する施設として、一般財団法人横浜市交通局協力会の運営の下に、1973年8月25日に開館しました。1982年に改築のため一旦、閉鎖され、1983年8月13日、跡地に建設された市営住宅の1階に再開館となりました。横浜市営バス滝頭営業所に隣接しています。
横浜市電は1904年7月15日、横浜電気鉄道により、神奈川~大江橋間が開業しました。1921年4月1日、横浜市が横浜電気鉄道を買収し、電気局を発足させ、運営に乗り出しました。1923年9月1日に発生した関東大震災では壊滅的な打撃を受け、多くの車両が火災で焼失しました。全線復旧は10月26日でした。地中に埋設された水道管は地震で破壊され、断水期間中は散水車が給水車として代用され、1372mmの軌間の共通性から、京王電気軌道から旧型2軸車を購入し、新宿~生麦間を東京市電・京浜電鉄経由で自走回送しました。1945年5月29日の横浜大空襲でも電車45両が焼失する被害を受けました。
1946年6月1日、電気局は横浜市交通局と改称、1956年4月1日、井土ヶ谷線の開通で最盛期を迎えます。この当時の路線は
生麦線 生麦~洲崎神社前
神奈川線 洲崎神社前~桜木町駅前
本牧線 桜木町駅前~間門間
根岸線 間門~八幡橋
本町線 桜木町駅前~日本大通県庁前
花園橋線 日本大通県庁前~睦橋
日ノ出町線 桜木町駅前~吉野町三丁目
羽衣町線 本町四丁目~吉野町三丁目
磯子線 吉野町三丁目~葦名橋
杉田線 葦名橋~杉田
弘明寺 吉野町三丁目~弘明寺
六角橋線 六角橋~青木通
浅間町線 青木橋~洪福寺前
尾張屋橋線 洪福寺前~浜松町
保土ケ谷線 高島町~保土ケ谷橋
井土ヶ谷線 保土ケ谷橋~通町一丁目
平沼線 平沼橋~浅間下間
久保山線 浜松町~浦舟町
長者町線 西平沼橋~山元町間
路線図はこちらのサイトにあります。
1959年7月16日には市営トロリーバスも開業しましたが、東京都電などと同様にモータリゼーションの急激な拡大、道路渋滞の激化、根岸線の開通、市交通局の財政悪化などで厄介者扱いされ、1966年8月1日の生麦線生麦~洲崎神社前間、中央市場線神奈川会館前~中央市場間の廃止を皮切りに1972年4月1日、トロリーバスと共に全廃されました。
私自身は、小学生の頃、父親の運転する車で横浜に出かけた際に、市内各所を市電が走る姿を見ておりました。特に元町~麦田町間に存在した全長276mの市電専用トンネルだった山手隧道は印象に残っています。
市電の車両形式は戦後に在籍した車両でも200、300、400、500、600、700、800、1000、1100、1200、1300、1400、1150、1500、1600と無蓋貨車10と16形式あり、そのうち500、1000、1100、1300、1500、1600、無蓋貨車10型が保存されています。次回以降の記事ではこれら保存展示について紹介します。
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