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2019年5月 8日 (水)

横浜市電保存館を訪問 その6 保存車両 1500型 1510号

2015年4月1日に訪問した横浜市電保存館の展示車両、今回は1500型1510号です。

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前面の傾斜やおでこのオフセットされた行き先表示器などにPCCカースタイルが感じられます。

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2015/4/1 1500型1510号 横浜市電保存館

1500型は所謂、PCCカーの和製版ともいえる車両です。PCCカーはアメリカの「Electric Railway Presidents’ Conference Committee(ERPCC:電気鉄道社長会議委員会)」によって開発された路面電車で最初の登場は1930年代でした。委員会は1929年に全米各地の路面電車運営会社によって結成され、当時、台糖しつつあった自家用車やバスに対抗しうる新しいタイプの路面電車車両の開発が目的でした。当時の流線形ブームの流れを汲んで車体は流線形でスムーズな加速性を有し、それぞれの会社の事情に合わせたアレンジなされ、全米各地に普及しました。1936年に最初の100両が製造され、1950年代まで製造は続きました。最終的に北米で4978両が製造されました。旧西ドイツのDUEWAGカー(後にシーメンスに吸収合併)やチェコのタトラ国営カーなどはPCCカーを土台にさらに高性能な車両を製造しました。
本家アメリカでも現在は両数を減らしていますが、サンフランシスコ、サンディエゴなどではレトロ車両として動態保存的に走っている車両もいます。日本では1950年代、路面電車の高性能化の取り組みにおいてPCCカーが注目され、ライセンスを受けて1954年都電5500形が1両試作されました。

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これまでの形式に較べると1500型の車内はかなり明るく、あか抜けた感じがします。

Dsc01554_20220412162701

1500型の場合、駆動方式は直角カルダンではなく、吊掛け式で1951年に300型の代替として20両(1500~1519)が製造されました。当初は間接制御方式でしたが、1967年のワンマン化の際に直接制御方式に改造され旧型車に分類される1150型と同一の性能になりました。1972年の市電全廃まで使用されました。

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この特異な形態の台車は防振ゴム装備のKL-20台車です。

1500型に関してもJL473様から貴重なコメントを頂いていますので、追記いたします。

1500型は、ワンマン化以後は各路線に満遍なく投入されていて、地元の本牧線でも頻繁に目撃し、何度も乗車した車両でした。しかし、ワンマン化以前の本牧線では、同じ顔付きの1150型は割と見かけましたが、何故か1500型は殆ど目撃した記憶が有りません。ワンマン化以前の1500型には、吉野町3丁目電停近くの親戚の家に行く時に、13系統で良く乗車した記憶があるので、自分の中では、1500型と言うと13系統のイメージが有ります。恐らく、当時1500型は滝頭車庫に多数所属していて、本町線系統など、滝頭車庫担当の線区に多く投入されていたのではと思います。
前述のとおり、1500型と1150型は同じ顔付きをしていますが、1150型は両端の屋根上に大型の通風器が有ったので、1600型と並びカッコイイ電車と言う印象を持っていました。ただ、同じ1150型でも、通風器が1600型同様の箱型のものと、通風器後方が低く傾斜して屋根に接している、後部流線型のものが有り、個人的には後者の方がよりカッコイイと思っていました。一方1500型には、屋根上の大型通風器が無くフラットだったので、子供心に、何だか頭を丸めたお坊さんみたいに見えて、カッコ悪いと思っていました。
横浜市電でワンマン化された車両は、この1500型と1150型、1100型の3車種のみですが、共通項は、運転台直後の車端部にドアがある2ドア中型ボギー車と言うことでした。しかし、同じ2ドア中型ボギー車でも、車体の中央部にドアがある最新の1600型は、何故かワンマン化されず廃車になっているのが不思議です。これは1600型のドア配置が左右非対称で扱い辛く、乗務員から不評だったからだと言われていますが、ワンマンカーの場合、降車ドアが中央部なら、より運転士から監視し易い筈だと思います。但し、終点の電停が終点方向に向かって左側にある場合、折り返し時の運転台側にはドアが無く、前乗り後降りのワンマンカーでは料金徴収に支障があるからと言うのも一因なのではと推測してます。
1500型はワンマン化に際して、他車と同様の直接制御に改造されましたが、それ以前はPCCカーと呼ばれ、間接制御車でした。当然加減速も横浜市電最強だった筈ですが、しかし、ワンマン化以前に乗車した13系統では、特別速かったと言う印象はありません。これは前の電車に続行していたか、道路が混雑していたかで、性能を発揮できなかったからではと思いますが、恐らく、これが日本でPCCカーが普及しなかった一因なのでしょう。
間接制御時代の1500型の運転台の記憶はありませんが、基本的に横浜市電の運転台にはブレーキの圧力計のみで、速度計が無かったのを憶えています。直接制御車は、どのノッチで何Km/h位と判断できるのかどうか知りませんが、何故速度計が無かったのか未だに謎です。
1500型の室内灯は白熱灯でしたが、小型の蛍光灯管状のものが線路方向に並列に配置されていました。車内のデザインは近代的で、子供の頃は好きでしたが、今見ると無機質で冷たい感じがして、逆に古めかしい1000型の方が、水戸岡デザインのインテリアのようで、エレガントな温もりを感じます。(2022/4/12 追記)

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コメント

B767-281(クハ415-1901) 様、旅客電車の最後として1500型についても、書かせて頂きます。

1500型は、ワンマン化以後は各路線に満遍なく投入されていて、地元の本牧線でも頻繁に目撃し、何度も乗車した車両でした。しかし、ワンマン化以前の本牧線では、同じ顔付きの1150型は割と見かけましたが、何故か1500型は殆ど目撃した記憶が有りません。ワンマン化以前の1500型には、吉野町3丁目電停近くの親戚の家に行く時に、13系統で良く乗車した記憶があるので、自分の中では、1500型と言うと13系統のイメージが有ります。恐らく、当時1500型は滝頭車庫に多数所属していて、本町線系統など、滝頭車庫担当の線区に多く投入されていたのではと思います。
前述のとおり、1500型と1150型は同じ顔付きをしていますが、1150型は両端の屋根上に大型の通風器が有ったので、1600型と並びカッコイイ電車と言う印象を持っていました。ただ、同じ1150型でも、通風器が1600型同様の箱型のものと、通風器後方が低く傾斜して屋根に接している、後部流線型のものが有り、個人的には後者の方がよりカッコイイと思っていました。一方1500型には、屋根上の大型通風器が無くフラットだったので、子供心に、何だか頭を丸めたお坊さんみたいに見えて、カッコ悪いと思っていました。
横浜市電でワンマン化された車両は、この1500型と1150型、1100型の3車種のみですが、共通項は、運転台直後の車端部にドアがある2ドア中型ボギー車と言うことでした。しかし、同じ2ドア中型ボギー車でも、車体の中央部にドアがある最新の1600型は、何故かワンマン化されず廃車になっているのが不思議です。これは1600型のドア配置が左右非対称で扱い辛く、乗務員から不評だったからだと言われていますが、ワンマンカーの場合、降車ドアが中央部なら、より運転士から監視し易い筈だと思います。但し、終点の電停が終点方向に向かって左側にある場合、折り返し時の運転台側にはドアが無く、前乗り後降りのワンマンカーでは料金徴収に支障があるからと言うのも一因なのではと推測してます。
1500型はワンマン化に際して、他車と同様の直接制御に改造されましたが、それ以前はPCCカーと呼ばれ、間接制御車でした。当然加減速も横浜市電最強だった筈ですが、しかし、ワンマン化以前に乗車した13系統では、特別速かったと言う印象はありません。これは前の電車に続行していたか、道路が混雑していたかで、性能を発揮できなかったからではと思いますが、恐らく、これが日本でPCCカーが普及しなかった一因なのでしょう。
間接制御時代の1500型の運転台の記憶はありませんが、基本的に横浜市電の運転台にはブレーキの圧力計のみで、速度計が無かったのを憶えています。直接制御車は、どのノッチで何Km/h位と判断できるのかどうか知りませんが、何故速度計が無かったのか未だに謎です。
1500型の室内灯は白熱灯でしたが、小型の蛍光灯管状のものが線路方向に並列に配置されていました。車内のデザインは近代的で、子供の頃は好きでしたが、今見ると無機質で冷たい感じがして、逆に古めかしい1000型の方が、水戸岡デザインのインテリアのようで、エレガントな温もりを感じます。

また長文になってしまい、済みませんでした。m(__)m

JL473さま、おはようございます。

1500型に関しても貴重な思い出を書いていただきありがとうございます。後で本文に追記いたします。

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