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2019年5月10日 (金)

横浜市電保存館を訪問 その8 保存車両 無蓋貨車10号

横浜市電保存館に保存されている実車、最後はかつて貨物輸送などに使用されていたという無蓋貨車10号です。

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2015/4/1 無蓋貨車10号 横浜市電保存館
テールランプ上部の1灯の位置が非常にユニークです。


現役当時と言っても関東大震災の前の時代ですが、この車両が輸送していたのは山手のキリンビール工場から出荷されるビールだったそうです。

Dsc01545

ビール瓶4本がそれぞれ藁でくるまれて4本ずつ木箱に納められ電動貨車に載せらえた様子が再現されていました。

市電全盛期、数両が在籍し、「みなと祭り」等の行事では花電車としての役割もあったそうです。また保線作業等での事業用車としての役割もありました。無蓋ではなく、有蓋の貨車も存在し、市場線からの荷物輸送にも使用されていたそうです。

花電車はまさにこの4月から5月にかけての新天皇の即位などで運転されてきましたが、横浜市電の場合は
1915年 大正天皇御大典(当時は今上天皇)(横浜電気鉄道時代)
1921年 東宮殿下御帰朝記念(後の昭和天皇)、陸軍特別大演習記念、路面電車市営化記念
1925年 大正天皇銀婚式記念
1928年 昭和大礼
1929年 エジソン電灯発明50年祭
1935年 復興記念横浜大博覧会
1936年 英国軍艦歓迎
1937年 南京陥落
1947年 市電復興まつり
1949年 日本貿易博覧会
1950年 開港記念ハマ祭
1954年 開国100年祭
1955年 根岸線開通記念
1956年 井土ヶ谷線開通記念
1958年 横浜開港100年祭
1972年 さよなら市電  といったイベントに合わせて運転されたようです。さすがに戦前は軍事色の濃さを感じます。

Dsc01613
直接制御方式のコントローラとブレーキハンドルという極めてシンプルな運転台

Dsc01618

台車は単車方式の2軸です。

機構的には保存車の中では唯一エアブレーキを装備せず、ハンドブレーキ式の車両です。

JL473様から、無蓋貨車10号に関しても貴重なコメントを頂いておりますので、本文に追記いたします。

無蓋貨車は、現役時代に2度ほど見たことが有ります。初めて見たのは麦田車庫?に停車している姿でした。しかし、麦田の車庫は歩いて10分位の近所にあって、その前は何度も通っていましたが、普段無蓋貨車が常駐しているのを見ていないので、本当に麦田車庫だったのかどうかは確証が有りません。当時の自分は横浜市電マニアで、休日に父親に連れられて、普段余り乗らないような路線に結構頻繁に乗り鉄していた事もあり、もしかしたら滝頭車庫だったのかも知れませんが、幼い頃なので記憶が曖昧です。はっきりと覚えているのは、余りにユニークな外見で、唐傘お化けのように見え、「変なの!」と言ったら、「あれは貨車だ」と父が言った事ですが、その時の塗装は今の展示車両とは異なり、当時の一般の車両同様にクリームイエローにブルーのラインが入っているものでした。
その後、市電全廃の頃に父から聞いた話では、当該貨車は、特別なイベントがある時には花電車になるそうで、昭和20年代から30年代前半頃にかけて、各路線を巡行する祝賀パレードが行われたそうです。特に夜は沢山の電飾が華やかで、夜が暗かった当時には、遠くのカーブの向こうから夜空に光彩が見え、複数の花電車が続行して目の前を通過する時は、光のパレードみたいでとても綺麗だったと言っていました。沿線の通過日時も告知されていたようで、近所の人達も電車通り(地元ではデンシャミチと呼んでいました)の歩道に大勢繰り出し、花電車を見物しながら歓声を上げていたそうです。恐らく娯楽も大して無かった当時では、現在のディズニーランドのイルミネーションパレードや、映画・未知との遭遇の、マザーシップを見るような感覚だったのだろうと思います。
初回から5~6年後、2度目と言うか最後に見たのは、横浜市電全廃の直前の日で、本町線の日本大通り交差点を、花電車に飾りつけられた無蓋貨車がゆっくりと通過して行った時でした。残念ながら、その時は昼間だったので、伝説となっていた夜の華やかな姿を見る事は適いませんでした。
その日以後、もう横浜市電が市内を走る姿を見かける事は二度と無くなりましたが、道路上に未だ線路が残っていたので、何故か余り喪失感を感じることはありませんでした。しかし、工事が始まって線路が撤去されたり、アスファルトで埋められたりしているのを見て、もうこれで本当に終わったんだなと思い、とても悲しい気持ちになったのを憶えています。

(2022/4/12)

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コメント

B767-281(クハ415-1901) 様、最後に無蓋貨車10号について、書かせて頂きます。

無蓋貨車は、現役時代に2度ほど見たことが有ります。初めて見たのは麦田車庫?に停車している姿でした。しかし、麦田の車庫は歩いて10分位の近所にあって、その前は何度も通っていましたが、普段無蓋貨車が常駐しているのを見ていないので、本当に麦田車庫だったのかどうかは確証が有りません。当時の自分は横浜市電マニアで、休日に父親に連れられて、普段余り乗らないような路線に結構頻繁に乗り鉄していた事もあり、もしかしたら滝頭車庫だったのかも知れませんが、幼い頃なので記憶が曖昧です。はっきりと覚えているのは、余りにユニークな外見で、唐傘お化けのように見え、「変なの!」と言ったら、「あれは貨車だ」と父が言った事ですが、その時の塗装は今の展示車両とは異なり、当時の一般の車両同様にクリームイエローにブルーのラインが入っているものでした。
その後、市電全廃の頃に父から聞いた話では、当該貨車は、特別なイベントがある時には花電車になるそうで、昭和20年代から30年代前半頃にかけて、各路線を巡行する祝賀パレードが行われたそうです。特に夜は沢山の電飾が華やかで、夜が暗かった当時には、遠くのカーブの向こうから夜空に光彩が見え、複数の花電車が続行して目の前を通過する時は、光のパレードみたいでとても綺麗だったと言っていました。沿線の通過日時も告知されていたようで、近所の人達も電車通り(地元ではデンシャミチと呼んでいました)の歩道に大勢繰り出し、花電車を見物しながら歓声を上げていたそうです。恐らく娯楽も大して無かった当時では、現在のディズニーランドのイルミネーションパレードや、映画・未知との遭遇の、マザーシップを見るような感覚だったのだろうと思います。
初回から5~6年後、2度目と言うか最後に見たのは、横浜市電全廃の直前の日で、本町線の日本大通り交差点を、花電車に飾りつけられた無蓋貨車がゆっくりと通過して行った時でした。残念ながら、その時は昼間だったので、伝説となっていた夜の華やかな姿を見る事は適いませんでした。
その日以後、もう横浜市電が市内を走る姿を見かける事は二度と無くなりましたが、道路上に未だ線路が残っていたので、何故か余り喪失感を感じることはありませんでした。しかし、工事が始まって線路が撤去されたり、アスファルトで埋められたりしているのを見て、もうこれで本当に終わったんだなと思い、とても悲しい気持ちになったのを憶えています。


長々と他愛の無い思い出を書き連ねてしまいましたが、今迄読んでくださり、有難うございました

JL473 さま、おはようございます。

今回は普段めったにお目にかかれない、無蓋貨車に関する思い出まで書いていただき、ありがとうございます。こちらも後ほど、本文の方に掲載いたします。

B767-281(クハ415-1901) 様、

以前にも書かせて頂きましたが、横浜市交通局100周年の、横浜市電1150型のNゲージ記念モデルをたまたま目にし、衝動買いした事がきっかけで、偶然こちらのサイトを知る事が出来ました。
普段自分は色々な方のサイトを訪れても、ロムっているだけで、書き込むことも殆ど無いのですが、B767-281(クハ415-1901) 様のサイトには、横浜市電ファンだった少年の頃の、懐かしい感情のままに、各車両の思い出を書かせて頂きました。
横浜市電最後の日には、何故か見物しただけで乗車しなかったので、何故乗らなかったのだろうと、
心残りでしたが、そんな事も長い間忘れていました。こちらのサイトに、各車両の思い出を書かせて頂いたことで、数十年の時を経た後の、彼女達に対するレクイエムになったような気がします。

今迄お付き合い頂いて、本当に有難うございました。

JL473さま、おはようございます。
数回に渡り、貴重な横浜市電の思い出を書き込んでいただき、ありがとうございます。
私としても書き込んでいただいた文章を本文に添えることで、また多くの方々が横浜市電について知り、さらに展示館の内容が充実されるのではと思っています。

JL473さま、こんにちは。

大変遅くなりましたが、3月20日に頂いた 1500型と3月27日に頂いた無蓋貨車10号に関するコメントを本文に追記いたしました。ご確認ください。

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