初めての小田急ファミリー鉄道展2019 参加 その7 GSE70000形
2019年5月25日の「小田急ファミリーフェスタ2019」で展示された車両、今回はGSE70000形 Graceful Super Expressです。
2019/5/25 海老名車両基地
2018年にデビューした小田急最新のロマンスカーで、2004年にデビューしたVSE50000形を使用した特急列車の特急券が取りにくい状況が続いていること、1980年にLSE7000形が就役して37年が経過し、老朽化が進み、他の特急車両と較べサービスの低下が顕著になってきていたことから、「箱根につづく時間を優雅に走るロマンスカー」をコンセプトに、観光を意識した非日常性と「モーニングウェイ」・「ホームウェイ」などの通勤向け特急としての使用に向けた日常性を併せ持った特急車両として2012年に社内プロジェクトが発足し、開発がスタートしました。代々木上原~登戸駅間の複々線化をメインにした2018年3月17日のダイヤ改正で就役しました。
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s(小田急線内)2.4km/h/s(箱根登山線内)
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.7 km/h/s
編成定員 400名
車両定員 56名(1号車・7号車)60名(2号車・6号車)64名(3号車・5号車)40名(4号車)
編成重量 268.7 t
編成長 142.600 m
全長 21,300 mm (1号車・7号車)20,000 mm (2号車-6号車)
全幅 2,878 mm
全高 4,057 mm(2号車-6号車)
車体 アルミニウム合金
台車 タンデム式ボルスタレス台車
主電動機 全密閉外扇式三相誘導電動機 三菱電機 MB-5157-A
主電動機出力 190 kW
駆動方式 平行カルダン,WN駆動方式
歯車比 96:23=4.17
制御方式 純電気ブレーキ対応、回生制動・抑速制動機能付SiC-MOSFET素子VVVFインバータ制御
制御装置 三菱電機 MAP-198-15V310
制動装置 応荷重・電空演算装置付・遅れ込め方式・滑走防止弁付・編成滑走制御付電気指令式
保安装置 OM-ATS、 D-ATS-P
外装・内装デザインは建築家の岡部憲明氏がVSE,MSE車に続いて担当しました。車体はアルミ合金、ダブルスキン構造で展望席には25tトレーラーに85.5km/hで衝突する踏切事故を想定し、クラッシャブルゾーンとサバイバルゾーンが設けられました。車両間にはアンチクライマと衝撃吸収材が装備され、編成全体で衝撃を吸収し、客室を守る構造としました。外板塗色は「ローズバーミリオン」、屋根は「ルージュボルドー」とし、側面窓下にはSE車から伝統の「バーミリオンオレンジ」の帯があしらわれました。床下台枠覆部は「ムーンライトシルバー」としました。
編成は7両でボギー台車方式です。現在までに日本車輌製造が2017年、2018年に2編成製造しています。
列車情報管理装置(TIOS:Train Information Odakyu management System、元々はJR東日本と三菱電機が共同で開発したTIMS:Train Information Management Systemの小田急バージョン)により、車内、車外間の情報が管理されており、基幹伝送路は二重化されています。VVVFインバータ制御装置は定格3300VのフルSiC-MOSFET素子を使用したPGセンサレスベクトル制御方式で回生ブレーキ領域が従来に較べて拡大され、省エネルギー化が図られています。1台の制御装置が4台の主電動機を制御し、それが2台並列接続された1C8M構成となっています。
2019/5/25 登戸
登場後、2018年10月には公益財団日本デザイン振興会主催のグッドデザイン・ベスト100、グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)、2019年5月には鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しています。
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