初めての小田急ファミリー鉄道展2019 参加 その5 EXE30000形
2019年5月25日、海老名車両基地で開催された「小田急ファミリー鉄道展2019」の展示車両、今回はEXE30000形特急ロマンスカー(Excellent Express)です。
2019/5/25 海老名車両基地 MSE60000形と並んで展示されたEXE30000形(4連)
小田急のロマンスカーは本来、箱根や江ノ島への観光客を輸送する列車でしたが、沿線の宅地開発が進み、途中駅から新宿駅までの遠距離通勤客を輸送する有料通勤電車(ビジネス利用)としての性格も帯びるようになりました。
EXE30000形 の登場は1996年3月23日で、車齢30年を超えていた3100形NSE車の置き換えと、ビジネス利用に対応した車両形態が検討され、連接車でなく、ボギー車、6+4連の分割・併合が可能な編成形態、編成連結部には貫通路が設けられ通り抜け可能な構造、迅速な乗務員交代を可能とする前面展望席の無い構造となりました。
従来の特急ロマンスカーとは一線を画す特急車両となったため、通産省からグッドデザイン商品に選定されましたが、鉄道ファン的な印象はあまりよくなく、小田急のロマンスカー車両としては鉄道友の会ブルーリボン賞の候補とはなるものの授与はされず、運用開始後の特急年間利用者数も大幅に減少するという結果になりました。
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) (初速100km/h) 3.5 km/h/s(常用最大)(初速60km/h)4.0 km/h/s
減速度(非常) (初速100km/h) 4.0 km/h/s(非常)(初速60km/h) 4.5 km/h/s
編成定員 588名(4両固定編成+6両固定編成)
編成重量 376.7 t(4両固定編成+6両固定編成)
編成長 199.500 m(4両固定編成+6両固定編成)
全長 19,750 mm(非貫通型先頭車)20,000 mm(貫通型先頭車、中間車)
全幅 2,900 mm
全高 4,065 mm(集電装置付車)4,050 mm(集電装置無し車)
台車 住友金属工業 SS146(電動台車)住友金属工業 SS046(付随台車)
主電動機 東洋電機製造 TDK6335-A 三菱電機 MB-5065-A かご形三相誘導電動機
主電動機出力 195kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式 (中実軸撓み板継手方式)
歯車比 98:15=6.53
制御方式 IGBT-VVVFインバータ制御
制御装置 東芝 SVF-024A(4両固定編成)東芝 SVF-024B(6両固定編成)
制動装置 回生制動併用電気指令電気演算式電磁直通制動 (MBSA-R)
保安装置 OM-ATS, D-ATS-P
1996年から1999年にヵけて日本車輛製造、川崎重工業にて6+4セットで7編成の計70両が製造されました。
技術的には特急ロマンスカー車両として初のVVVFインバータ制御方式が導入された車両でした。車体は屋根板と床板にステンレス鋼板が使用され、それ以外は普通鋼製となりました。先頭形状は10両編成時の両端1号車と10号車は非貫通構造、中間に入る6号車、7号車は貫通型となり、貫通扉は両開きプラグドアとなりました。運転室の床面の高さは通常の床の高さと同一となりました。側面客用扉は1か所で片開き引き戸となり、車椅子対応設備がある、2,5,8号車は1000mm幅、それ以外は800mm幅となりました。
30000形EXEの編成構成
VVVFの制御方式は4両編成は1台の制御装置で6台の主電動機を制御する1C6M方式、6両編成は4台の主電動機を制御する1C4M方式が2組搭載されました。4両編成は1.5M2.5T、6両編成は2M4Tとなっています。9号車は箱根より台車が電動台車、新宿寄りが付随台車です。
片瀬江ノ島出発時
新宿到着時
EXE30000形は小田急ロマンスカーの中で今のところ、唯一乗車経験のある車両で、片瀬江ノ島から新宿まで乗車しました。因みに藤沢でスイッチバックするため、片瀬江ノ島~藤沢間は全員後ろ向きで進行します。
2017年、登場から20年が経過したことから愛称をEXEαとし、外観、内装のリニューアルが開始されました。リニューアルに際してはインバータ素子がIGBTからフルSiC素子に交換され、3号車のサハ30450形は電動車化されデハ30400形になり、9号車のデハ30000形が0.5Mから1Mになりました。これらはSiC素子による電力削減効果でしょうか。
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