湊線の風景 茨城交通からひたちなか海浜鉄道 その4 駅 那珂湊 其3 反射炉
ひたちなか海浜鉄道、駅シリーズ、那珂湊の3回目は駅から300m程歩いた場所にある反射炉です。
2016/3/5 反射炉は左下の小さい地図の湊公園内にあります。
反射炉とは18世紀から19世紀ごろにかけて鉄の精錬に使われた融解炉の一種で、燃焼室で発生させた熱を別室の炉床に壁、天井などで反射させながら集中させ、1200℃から1600℃の高温により、炉床での金属の精錬を行う方式の炉です。製鉄はその後、転炉方式に変わったため、現在は銅の精錬や再生アルミニウムの融解炉として使われていますが、江戸時代末期、各藩において外国船の出没に対処するために洋式砲を製作する必要性に迫られ、日本各地に反射炉が設置されました。
現存するのが、伊豆韮山、佐賀鍋島藩の築地反射炉、長州藩も萩に反射炉を造りました。
ここ那珂湊の反射炉は水戸藩徳川斉昭が水戸藩大砲鋳造所として1855年11月に1号炉、1857年12月に2号炉の2基完成させました。この地(吾妻台)が選ばれたのは地盤が強固であり、水戸城下から3里の距離にあり、経済的に廻船業で賑わう藩内随一の繁栄地であり、原料の鉄、燃料の石炭の調達運搬に都合が良く、錐入れ水車場(大砲の砲身に砲口を穿孔する工場で水車の動力を利用したことからこう呼ばれたそうです)の建造にも便宜を有することなどの条件を満たす場所として選ばれたようです。
炉が完成しても大砲を鋳造するのには結構時間がかかり、4年の月日を費やして漸く安定して鋳造することが可能になったようですが、その直後の1864年、水戸藩の世継ぎ騒動に端を発した天狗党の乱、もしくは元治甲子の乱で尊王攘夷派の天狗党と保守派の諸生党が那珂湊で交戦状態となり、反射炉も錐入れ水車場も戦火で崩壊しました。
炉は吾妻台と呼ばれる台地の上に建設されました。
1933年頃から破壊された反射炉を復元しようという動きが起こり、1937年12月、吾妻台にほぼ原形通りに復元され今日に至っています。
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コメント
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B767−281様 おはようございます。これでも梅雨明けしていないの?というくらい朝から日差しが厳しですね。さて反射炉といえば伊豆韮山を思い出しますが、那珂湊にもあるのですね。恥ずかしながら初めて知りました。こうして鉄道とともにご紹介いただくと、行ってみたくなります。さて安倍政権ですが山本太郎のれいわ(名前はあまり好きではありませんが)が野党結集の接着剤になりはしないか、と期待しています。私としては自民・公明の政府でなければ何でもいいくらいの気持ちです。
投稿: 細井忠邦 | 2019年7月26日 (金) 06時39分
細井忠邦さま、おはようございます。
Niftyのシステムが新しくなってから、コメントが実際にこちらの画面に表示されるのが遅くなりましたね。このコメントも昨日、記事を出した直後にメールで内容は把握していたのですが、昨晩の時点ではまだBlog画面には何も出ずでした。
反射炉の件、是非那珂湊にお時間の許すときにでもおでかけになって下さい。
さて、参議院選挙で2議席を獲得した山本太郎氏、ご本人は3議席目に設定されたため落選となりましたが、6年間の議員生活で政治家として大きく成長されたと思います。先日もテレビのモーニングショウに出演されたようですが、
質問されたことに的確に、真っ正面から答える
他人が書いた原稿を読むのではない
当然、漢字の読み間違いなどしない
という点からしてもどこかの首相とは違った基本的能力の高さを感じ、今後、衆議院選挙があれば大きく躍進し、国民の現政権に対する不満の受け皿になると感じました。まさに仰るように野党結集の接着剤になるのではないでしょうか。
今後の活躍が期待されます。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年7月27日 (土) 05時58分