373系 JR東海の 「広」汎用性 電車
2017年3月の静岡方面の旅、熱海から三島までは(中長距離普通列車から特急列車まで使用可能な)「JR東海の185系」とも言える373系を利用しました。青春18切符で東海道本線を利用するとしばしば373系に乗車する機会があり、ちょっと得した気分になります。
2005/12/18 大船 今は亡き「東海」に使用されたF1編成
2007/3/4 富士 身延線の特急「ふじかわ」
373系はJR東海が発足した際、国鉄から継承した165系を使用して身延線の急行「富士川」などを運用していましたが、老朽化、内装の陳腐化で取替えの必要に迫られ、中長距離普通列車から特急まで、幅広い運用に対応可能な車両として1995年8月から1996年1月にかけ、日本車輛製造(F1~12)、日立製作所笠戸事業所(F13/14)により、3両編成14本が製造され、1995年10月のダイヤ改正から投入された車両です。
←東京 クモハ373+サハ373+クハ372
VVVF、PT BR CP T
SIV BR:発電ブレーキ用の抵抗器 T:真空式汚物処理装置
主要諸元
最高運転速度 120 km/h
起動加速度 2.1 km/h/s
減速度(常用) 4.1 km/h/s
編成定員 179人
編成重量 97 t(新製時)
全長 21,300 mm
全幅 2,946 mm
全高 3,630 mm
車体 ステンレス(前頭部のみ普通鋼)
主電動機 C-MT66
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 15:98=1:6.53
編成出力 185 kW × 4 = 740 kW
制御方式 VVVFインバータ制御(定速運転制御機能付)
制御装置 C-SC35形
制動装置 電気指令式ブレーキ 抑速ブレーキ 回生ブレーキ 発電ブレーキ
保安装置 ATS-ST・ATS-P(登場時)、ATS-PT
2005/7/5 名古屋周辺のホームライナー
JR東海におけるGTO素子によるVVVFインバータ制御は383系(特急しなのに使用)に次いで2例目であり、1台の制御装置が1基のモータを制御する1C1M方式です。パンタグラフはシングルアーム式で関節が車端部を向く方式でクモハ373形に搭載され、身延線の狭小トンネル向けに最低作用高さが極めて低い状態にセットされています。
台車は311系の牽引装置を1本リンク式に変更したC-DT63/TR248を履き、蛇行動抑制のためヨーダンパ、空転防止のため砂箱が装備されています。
車内は回転式リクライニングシート横2+2列で座席間隔は970mm、クモハ373、サハ373の連結部寄りに4人掛け・固定テーブル付きセミコンパートメント席が用意されています。
2017/3/10 熱海に入線してきた普通列車 ホームの足元にも373系列車の時刻が表示されていました。
2014/1/2 富士
配置は前14編成、静岡車両区です。
これまで特急用としては身延線の「ふじかわ」、東海道本線「東海」、飯田線「伊那路」、さらに夜行快速「ムーンライトながら」に、特急の間合い運用で「ホームライナー豊橋」「ホームライナー大垣」「ホームライナー沼津・静岡・浜松」などに使用されました。また御殿場線、飯田線、身延線、中央西線、そして東海道本線で運転された各種臨時列車にも運用されました。
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コメント
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1C1Mとは珍しいですね。
かつては東京発沼津行の普通列車にも供されていた記憶があります。乗ったことはありませんが。
投稿: ニャン吉 | 2019年8月30日 (金) 12時16分
ニャン吉さま、おはようございます。
クモハにモータは4基搭載されているので4基のインバータが搭載されていますが、電気会社の解説書を読むと、GTO素子の頃は電流の許容範囲の関係から1C1Mが基本だったそうです。それがIGBTになって電流値を上げることが可能となり、1C2M, 1C4Mとなっていったそうです。
185系同様、普通電車に使われる特急車両は遭遇したときにあれ!とおもいますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年8月31日 (土) 05時13分