東北本線の盲腸線 通称「利府線」について
東北本線には岩切~利府間に盲腸線があります。通称、利府線と呼ばれていますが、日本鉄道が1890年4月16日、岩切~一関間を開業した際、岩切から先は利府経由のルートでしたが、16.7‰の勾配があり、長大列車は補機を連結する必要があり、列車の遅れ、運休がしばしば発生する問題路線でした。1894年1月4日、利府駅が開業しました。
2016/10/22 岩切駅の駅名標 上は利府方面、下は現在の本線
太平洋戦争の激化で貨物輸送を船舶から鉄道に転移させるために、鉄道の輸送力を増強するため、各地で勾配を緩和する新線が建設されました。東海道本線、大垣~関ヶ原、函館本線、大沼~森などがそういった新線で岩切~品井沼間においても勾配緩和が計画され、1943年4月、塩竃を経由する新線がの建設が決定し、1944年11月15日、陸前山王~品井沼間に新線が開業しました。当初は貨物列車のみが塩竃線を通過していました。
利府経由が「山線」、新線は「海線」と呼ばれ、しばらく併存していましたが、1947年には海線の複線化と駅の設置が決定し、1962年4月20日、松島(旧駅)~品井沼間が廃止され、同年7月1日には利府~松島(旧駅)間が廃止されました。
2016/10/22 新利府駅 ホームと駅名標
本線となった海線は1968年10月のヨンサントウダイヤ改正で複線電化されましたが、利府線が電化されたのは1978年、交流電化後も気動車が運用され、電車が走るようになったのは1995年3月24日のことでした。1982年の東北新幹線開業では仙台工場・仙台第一新幹線運転所(後の新幹線総合車両センター)が利府線沿いに設置され、通勤の便を図るため、同年4月1日、新利府駅も設置されました。
2016/10/22 利府駅 駅名標、ホーム、駅舎
2002年のFIFAワールドカップでは宮城県総合運動公園が開設され、イベント開催に対応して列車が増発されるため、利府駅のホームが増設されました。
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