仙台市電保存館を訪問 その3 路面電車から地下鉄へ
8月12日(月)の記事で市電後史の展示に触れましたが、1976年3月31日で市電全路線が廃止されたのち、市電の軌道はアスファルトに埋め込まれましたが、時間の経過とともにアスファルトがすり減り、軌道が露出、スリップ事故が起こるようになりました。一方で、市内の公共交通はバスが一手に担っていました。
仙台市における地下鉄の検討は1960年代からで1963年に設置された仙台市交通対策委員会は1967年に提出した報告書で路面交通の代替として地下鉄を検討すべきと報告しました。同委員会は将来を見据えた交通体系として、「大量高速輸送機関」の整備を諮問し、1972年には全7路線、総延長45.5kmに及ぶ地下鉄網を1985年を目標に整備すべきとの報告を出しています。その7路線とは
1 北仙台線 仙台駅前~七北田 7.34km
2 長町線 仙台駅前~鍋田 4.98km
3 川内線 仙台駅前~泉ヶ丘 8.09km
4 七北田だ線 七北田~桂島 4.76km
5 鶴ヶ谷線 瓦山~鶴ヶ谷 3.76km
6 茂庭線 鍋田~茂庭 8.82km
7 名取線 鍋田~小泉 7.90km でした。このうち、北仙台線と長町線の一部が現在の南北線に相当します。
昭和から平成にかけての南北線の歩み
2016/10/21 南北線の車両 1000系 2M2Tの4連 軌間1067mm DC1500V 1985年から1996年にかけて川崎重工業で21編成が竣工
IGBT素子VVVFインバータ制御方式 1988年にローレル賞受賞、2004年度より更新工事が行われ現在は1000N系となっています。
1975年に泉市(現、仙台市泉区)と仙台市内結ぶ輸送手段として、地下鉄が計画・認可され、1981年に着工、1987年7月15日に地下鉄南北線富沢駅~八乙女駅間が開業しました。1992年7月15日には八乙女駅~泉中央駅間が延伸開業しました。
東西線のあゆみ
第二の路線として2003年9月、東西線事業が認可、2007年11月東西線本体工事着工、2016年12月6日、東西線八木山動物園~荒井間が開業しました。
東西線は鉄輪式リニアモータ方式の地下鉄となっており、以前の記事で触れたように駆動方式、トンネル断面の狭小化などの特徴を持っています。
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コメント
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B 767-281様お早うございます。何となく大江戸線に似ているな、と思ったら制御方式も近似したものなのですね。私は閉所が嫌いなので大江戸線はなるべく乗らない様にしています(笑い)さてこうした地下鉄への転換で料金は上がり、今日で言うところのバリアフリーも後退。時代の制約だけでなく路面電車を生かそうとする発想は無かったのかな?と思います。目の前あっ!奈良線まだ103系頑張っています。しぶとい^_^
投稿: 細井忠邦 | 2019年8月19日 (月) 07時37分
細井忠邦さま、おはようございます。
東西線を鉄輪式リニアモーターにしたのは南北線での経験から建設費などの高騰を抑える流れがあったのかと思います。
これからの地方都市における地下鉄の流れがそういう傾向になって行くのでしょうか。
一方で富山の様に路面電車を残し、さらに普通の鉄道から転換したLRTが路面電車と繋がるというのも新たな方向ですね。宇都宮のLRTも楽しみです。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年8月20日 (火) 04時41分