2016年10月仙台への旅 仙石線 その3 路線編 仙台東北ライン 接続線
昨日の記事では2015年5月30日に開業を迎えた仙台東北ライン用に準備されたHB-E210系気動車について紹介しましたが、今回は仙石線と東北本線が接近する区間に設けられた接続線の様子です。
2016/10/22 高城町駅 駅名標 このときは仙石線高城町側から乗車しました。
高城町駅 時刻表 開業時 仙石線 あおば通方面が毎時2本、仙台方面が毎時1本 停車パターンが異なる特別快速、赤快速、緑快速の3種類が運行されていました。
両線の駅としては東北本線塩釜駅と松島駅の間、仙石線は松島海岸駅と高城町(たかぎまち)駅間に接続線が建設されました。それぞれの分岐・合流部分は松島駅構内、高城町構内扱いとなっています。また、接続線は東北本線支線となっています。
東北本線に合流
路線自身は国鉄分割民営化直後の1991年から1992年頃から計画はされていました。しかし、最大のネックは両線の電化方式の違いで交直流車両の投入や建設費の工面が民営化直後のJR東日本にとっては重荷であり、東日本大震災発生後、ハイブリッド気動車の新技術の熟成、震災で被害を受けた遠征自治体の復興目的で、沿線自治体からの要望が実現に至ったそうです。
東北本線 塩釜駅 駅名標
仙石線は宮城電気鉄道が建設した元私鉄路線で駅間距離が短く、停車駅が多く、待避設備が無いため、緩急接続が出来ず、快速列車の増発が難しい線区でした、一方東北本線は待避設備はないものの、駅間距離が長く、停車駅が少ないため、速達性の高い線区で、両線を接続することで、仙台~石巻間の移動が1時間以内におさまるというメリットが期待されました。
さらにミヤコーバスが高速道路を使って仙台~石巻間の運行を1998年から開始し、当初は一日4往復でしたが、震災で仙石線が長期不通になった間、高速道路の早期復旧で臨時便を運行し、同区間の公共交通機関としての地位を確立して行きました。JR東日本も仙台~石巻間に石巻線経由で「直通快速」(ノンストップ)を朝夕1往復運行しましたが、石巻線のダイヤ上の制約から増発は難しく、利用客は100人程度に留まり、バスには太刀打ちできない状況でした。
そういった状況から鉄道の復活をアピールするために整備されたのが仙台東北ラインで、仙石線の全線復旧、同ラインの運行開始で高速バスの方は減便に至りました。
総事業費は18億円、うち4億4千万円は宮城県、仙台市、石巻市等が国勢調査データに基づく、仙台市への通勤通学者の割合に応じて負担しました。
接続線開業当初は線内での無線の切り替え操作の関係で運転停車が義務づけられていましたが、2017年から2018年にかけて改良工事を行い、無停車で通過が可能となりました。
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コメント
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B767−281様 こんにちは。東北方面はあまり土地勘がないので雑誌で読んだくらいでしたが、ようやく線路の配置が理解できました。鉄道会社としては採算性が上がり利便性も向上する施策ですが、それで高速バスが減便とは。やはり日本は総合的な交通政策がないなと思ってしまいます。国鉄時代も政治路線や〇〇代議士の地元だから急行が停車するだとか、国鉄自体が政治に翻弄されたように思えます。前日の車両のご紹介では、ジーゼル車(ハイブリット)も進歩したなと感心しました。いつも新しい知識を学ばせていただきありがとうございます。
投稿: 細井忠邦 | 2019年8月28日 (水) 15時33分
細井忠邦さま、おはようございます。
先日、Yahooニュースの記事を見ていて、名古屋から富山方面の交通も北陸新幹線の開通で特急「しらさぎ」が金沢止まりとなり、富山まで行かなくなったため、高山本線ではなく高速道路を走る名古屋~富山間のバスに客が流れているという記事を見ました。
日本全体では鉄道とバスが競合する時代から補完しあう時代になっているとのことでしたが、私なんかも時間の関係から朝、現地に一番に到着する交通手段を選ぶ方ですから、昔だったら夜行列車ですが、今は必然的に高速バスになるのかなと感じました。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年8月29日 (木) 04時45分