JR東海の211系 その1 静岡地区211系投入の経緯
113系や115系のフルモデルチェンジ車として、軽量ステンレス製車体、ボルスタレス台車、界磁添加励磁制御方式、電気指令式ブレーキなどを装備して国鉄時代の1985年に登場し、分割民営化の後もJR東日本、JR東海、JR西日本によって設計・製造されたのが211系電車でした。今回からは現在も名古屋地区、静岡地区などで活躍する211系のうち、国鉄時代に投入された4連2本については2017年8月13日の記事、中央本線や関西本線で活躍中の5000番台については2017年8月14日の記事にて触れているので、静岡地区で活躍中の編成について触れます。
211系JR東海車の静岡地区投入は1989年7月に3連17本が製造されたのが最初でした。これはJR東海版211系としては3次車にあたり、クハ210形にはトイレが設置され、新たに5300番台となり、クモハ211形は身延線などの狭小建築限界トンネル通過に対応して屋根の一部を切り下げ、C-PS24A形パンタグラフを装備した5600番台が登場しました。
3次車の変更点は側面方向幕が幕式のまま天地方向が拡大し、将来の120km/h運転を考慮して、増圧ブレーキ準備工事がされた点です。クハ210形5300番台はトイレ部分の明かり窓を廃止し、便所対面座席は211系2000番台同様に背もたれがロングシートと同様の高さのクロスシートとなったことでした。
新製された3連がそのまま静岡に配置されたのではなく、3連6本がまず神領区に投入となり、1・2次車の4連からサハを抜き取り、3連に組み込み4連化しました。残り11本に関しては神領区の2次車4連11本のクハ210形5000番台と新製車クハ210形5300番台を差し替え、抜かれたクハ210形5000番台をクモハ211形5600番台を含むユニットと3連化し、静岡に配置しました。
4次車として1990年3月にクモハ211形5600番台、クハ210形5300番台を含む3連3本が神領区に投入され、トイレ無しで残っていた1次車4連3本からサハを抜き取り、新製車に組み込み4連化しました。この増備で神領区の4連は全てトイレ付クハ210形5300台組み込み編成となりました。
一方、静岡区には1M仕様のクモハ211形6000番台が登場し、C-CS59A主観制御器、C-MT64形電動機を搭載し、213系5000番台と同仕様の2連での運転が可能となりました。トイレは省略され、クハ210形5000番台と連番で3本新製されました。1991年3月には6000番台2連が6本増備され、すでに6000番台は御殿場線運用には適していないことが判明していたので、今回からすべて東海道線中心に運用変更されました。
静岡車両区 配置総数 111両
3両編成 SS1-SS11 クモハ211形は狭小トンネル対応5600番台
3両編成 LL1-LL20 2006年10月1日、大垣区より転属
2両編成 GG1-GG9 クモハ211形6000番台
それぞれのグループのトップナンバー編成を
2009/4/4 舞阪 SS1編成
2009/3/25 熱海 LL1編成
2007/3/4 富士 GG1編成
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コメント
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B767−281様 こんばんは。台風の時は本当にお疲れ様でした。私は今年度から月曜は基本的に休みなのでラッキーでした。千葉方面は今日も電源が復旧せず大変な思いをしている由。内閣改造ではしゃいでいる場合ではなく国家レベルで早く手を打つべきと切に思っています。さて本題ですが、東海の211系は何回か熱海から浜松方面まで乗ったことがありますがトイレなしの場合最悪です。最近は313系と混結されていてトイレがある場合がありますが、運用次第のようです。静岡地区も前には「するがシャトル」があって速達性がありましたが、現在は各駅オンリー、これも何とかならないかな、と思います。もっともその昔は周遊券で急行「東海」を使ってまずは静岡まで、その先も乗り継いで10時間もすれば関西圏に到達できたのですが。
投稿: 細井忠邦 | 2019年9月12日 (木) 21時52分
細井忠邦さま、おはようございます。
しかし、今の政権というのは、高尾の国でどんな災害が起こってもはっきりいってどうでもよいような内閣改造、党役員人事を予定通り進める、そして、政権の最大の目標は長根園の夢である「憲法改正」だという、そういう国民、特に弱者に対する思いやりの全くない政権であることが今回も露呈したように思えますね。それを全く批判せず、ただ誰が入閣と速報まで売って報じるマスコミもいい加減にしてくれという感じがしますね。
話は本題に戻りますが、JR東海の211系の複雑な番号の変化がここにきてようやくわかったように思います。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2019年9月13日 (金) 04時13分