阪急 8000系
阪急電鉄は1987年に創立80周年、1990年に営業開始80周年を迎えることから、7000系の後継としてVVVFインバータ制御方式を採用した8000系の導入を決定しました。6300系に代わる看板形式として2000年代前半まで広報誌などの表紙を飾った車両です。1988年から1997年にかけて98両が製造されました。 2019/10/18 川西能勢口 オリジナルスタイルの8007F
2019/10/18 大阪梅田 車番が窓下に移動した8003F
車体は第一編成からアルミ合金製となりました。車体外板幅は7000系アルミ車と同じ2,730mm、車体長は連結面間を変更せず100mm伸ばし、中間車が18,400mm、先頭車で18,480mmとしました。京都線7300系で確立した統一寸法の採用を検討しましたが、中津駅で神戸線上り線と宝塚線下り線の線路間隔が確保できず、拡張も困難なことから断念されました。正面デザインはワシントン地下鉄1000系やソウル地下鉄3000系の影響を受けた縁が一段飛び出した「額縁スタイル」となり、窓は上方に拡大し、行先表示器を取り込み、貫通扉と仕切り扉の窓は下方に拡大しました。外部塗装は6300系同様に屋根肩部分がアイボリーに塗装されるようになりました。
主要諸元
最高運転速度 宝塚線:100 km/h 神戸線:115 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
減速度(常用) 3.7 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s
車両定員
【ロングシート先頭車】132(座席48・立席84)【ロングシート中間車】142(座席54・立席88)
【セミクロスシート先頭車】126(座席44・立席82)【セミクロスシート中間車】137(座席48・立席89)
全長 19,000 mm
全幅 2,750 mm
全高 4,095 mm
車体 アルミニウム合金
台車 FS-369A・FS-069A SS-139A・SS-039A(8040形)
主電動機
かご形三相交流誘導電動機
形式:SEA317 形式:SEA350(8040形)
永久磁石同期電動機 形式:SEA538
(8001Fの8001号のみ)形式:SEA538A
(8001Fの8601・8501・8101号,8002F,8004F,8005F)
主電動機出力 170 kW × 4 200 kW × 3(8040形)190 kW × 4(機器更新車)
駆動方式 WNドライブ
歯車比 5.31 6.13(8040形)
制御方式 GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置
INV032-A0(1C4M)
SVF018-A0(1C1M×3・ベクトル制御、8040形)
SVF098-A0(1C4M, 8001Fの8001号のみ)
SVF098-D0(1C4M, 8001Fの8601・8501・8101号,8002F,8004F,8005F)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1)
直通予備空気ブレーキ
保安装置 AF軌道回路方式ATS パターン式ATS(神戸線所属車)デッドマン装置 2019/10/18 宝塚 デビュー30周年塗装で前面窓下飾り帯付きとなっている8004F
2019/10/18 夙川 8001F同様、当初6連で登場し、後に8連化された8020F 追加で製造された中間車2両(8620、8790)は伊丹駅で阪神淡路大震災で被災した3100系3109と2071系2087の代替製造という名目での製造
8000F, 8002F~8008Fは最初から8連(Mc1M2T1T2T2T1M1Mc2)で登場し、8001F, 8020Fは6連(Mc1T1T2T1M1Mc2)にて登場し、後にM2,T2が製造され8連となりました。8002F~8007Fは神戸・宝塚よりの2両がセミクロスシート車として製造され、扉間が2人掛け4脚2列となり、中央2列が転換式クロスシートとなりました。
1992年に増結用の2連(Mc1Tc)が6編成(8030F~8035F)登場しました。Tcは8150形となりました。8000系の額縁スタイルは気流の関係でか走行時の列車風が強いこと、先頭車が汚れやすいことが問題視され,8033F以降は前面がくの字に膨らみ、額縁が廃止されたスタイルとなりました。車番の位置も貫通扉下部から右窓下に変更となりました。8031F,8032F, 8035Fは神戸線に転属し7000系7017F,7014F,7023Fの6連と併結し、8連化されました。
2019/10/18 大阪梅田 前面がくの字スタイルになった8040形
1997年3月、宝塚線から能勢電鉄に直通する「日生エクスプレス」の10両運転増結用車両としてMcTc2両編成3本が製造され、8040番台の番号が付与されたことから8040形と言われています。1995年に増結用として2両編成(Mc1Tc)2本が投入された座席収納編成8200系(今回の旅行では撮影できませんでした)と同仕様の1C1M方式のVVVF制御方式が採用されました。Tcは8190形となりました。
初期の額縁先頭車も入場の際に縁を浅くする改造工事が施工され、編成中間に入る先頭車以外の神戸線所属車両は同様の工事が施工されました。
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