阪急電鉄 路線について その9 千里線
阪急電車の路線シリーズ、今回は千里線です。
HK-87 柴島 は「くにじま」と読みます。柴はもともと「このき」(上下に分解して)と読み、此処の地名は平安時代からクニキ島とよばれ、クニキ=雑木、炭の原料で檞島や国木島、茎島などの表記もあり、柴の文字が当てられたそうです。関西の難読駅のひとつです。
2019/10/18 千里線の起点駅である天神橋筋六丁目 駅名標 大阪メトロと阪急の共同使用駅ではありますが、駅名標のスタイルは大阪メトロのスタイルで駅番号もK12のみとなっています。
同駅を発車し、天下茶屋に向かう阪急3300系
淡路方面からやってきた列車が地下に潜る直前
柴島から先は京都線とほぼ平行に進み、淡路直前で合流します。左が大阪梅田方向
現在、淡路駅付近は平面クロス解消の連続立体交差化工事が進行中で、2024年度高架化切り替え、2027年度事業完了予定だそうです。
大阪梅田駅で出発を待つ、千里線5300系
天神橋筋六丁目を起点とし、北千里までの13.6km、駅数11の路線です。阪急の支線の中で終日、本線と直通運転が行われ、大阪梅田駅まで乗り入れているのは千里線が唯一です。
昨日の記事で触れたように天神橋筋六丁目から千里山までの区間は戦前に開業した区間であり、さらに遡れば昨日の記事にもあるように1921年4月1日、北大阪電気鉄道が十三~豊津間を開業したのが、千里線の始まりです。この会社はもともと不動産開発を手掛けていた北大阪土地が千里丘陵で宅地と霊園の開発を行うために設立した会社で、尼崎を起点に千里を目指したこともありましたが、却下されており、3度目の申請で1916年に免許が交付されました。
淡路駅 駅名標
淡路を出発 正面が北千里方面、右が京都河原町方面
免許は下りたものの予算的に苦しく、特に淀川の架橋が出来ず、吹田~大阪間で線路の付け替えを行っていた東海道本線廃線跡地の払い下げを受け、阪神急行電鉄の十三駅への乗り入れが可能となりました。会社設立は1928年11月24日、着工は1920年2月13日で、1921年4月1日に十三~豊津間、同年10月26日に豊津~千里山間が開業しました。1920年9月には千里丘陵に「千里山花壇」(後の千里山遊園)を開設しました。
京阪電気鉄道は淀川西岸を通って京都に通じる新しい路線の大阪方アクセスターミナルとして北大阪電気鉄道が所有していた天神橋~淡路間の免許に目を付け、同社の株式を取得、新京阪鉄道を設立し、北大阪電気鉄道は鉄道事業を新京阪鉄道に譲渡し、不動産事業だけを残し、京阪土地と改称しました。新京阪鉄道は1925年10月15日に天神橋~淡路間を開業、さらに昨日の記事のように今日の阪急京都本線を西院まで1928年11月1日に開業しました。1928年1月16日には千里線全線の架線電圧を600Vから1500Vに昇圧しました。1930年9月15日に、京阪電気鉄道が新京阪鉄道を吸収合併しました。
北千里 到着直前の車内から
北千里 駅名標
北千里の行きどまり線路
この頃は、天神橋(現、天神橋筋六丁目)~淡路間が本線扱いで、十三~淡路間が十三線、淡路~千里山間は千里線でしたが、1943年に京阪と阪神急行が合併、さらに1949年に新京阪線が阪急に残され、1956年京都本線の特急がすべて梅田発着となると、十三線が本線格となり、1959年梅田~十三間に京都線専用の線路が増設されると、十三~淡路間が京都本線、天神橋~淡路間が千里山線と所属変更されました。
1961年12月、宝塚本線の混雑緩和を目的に千里山線と箕面線を連絡する千里山延長線(千里山~桜井間)の事業免許の取得、1963年8月には新千里山(現在の南千里)までの延長開業が行われましたが、大阪府からの要請で1967年3月1日、北千里への延長となり、路線名も千里線となりました。終着駅北千里には日本初の自動改札機が導入されました。桜井へ至る事業免許は1972年12月に破棄されました。
1969年には大阪市営地下鉄堺筋線との相互直通運転が開始され、天神橋駅は地下駅に移転し、天神橋筋六丁目と改称され、1970年3月からの日本万国博では会場までのアクセスルートとして万国博西口駅を設置し、北大阪急行を補佐しました。
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