京阪乗り歩きの旅 2 車両編 500型
京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は500型IIです。
1980/12/11 蹴上
この記事で紹介する2代目の500型は1月24日の記事で紹介した260型の4次車281-286(1968年製造)を錦織工場で改造し、1979年に2両、1981年に4両が導入されました。種車の側窓、扉の配置はそのままに、運転室の面積を拡大し、先頭部は非貫通式の2枚窓となり、左側には電照式行先表示器も設置されました。これらのデザインは600形や700形にも継承されました。
京津線のそれまでの優等列車用車両は上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッドの京阪特急色で塗られていましたが、500型は上半分がライトグリーン、下半分がダークグリーンの 一般色で登場しました。これ以降、他の車両も同様の塗色となりました。車内はロングシートで冷房は非搭載でした。
台車は京阪線1000系で使用実績のあるFS-309を基に小型化したFS-503を採用し、枕バネにダイヤフラム式空気バネを用い、軸箱は側梁緩衝ゴムによって支持されていました。台車を小型化したために、床面の高さが80mm低くなり、プラットホームとの段差が減少し、荷重による車両の撓みも減少しました。駆動方式もTD平行カルダン方式となり、大津線初の高性能車となりました。制動装置は従来車とおなじ直通空気ブレーキ(SME)でしたが、従来は非常時のみに使用していた発電ブレーキを通常時(速度抑制、停止)にも使用することで、最大66.7‰の急勾配でも安定した制動力が確保出来るようになりました。集電装置はパンタグラフを用い、奇数番号の車両は運転台側、偶数番号の車両は連結面側の屋根上に1台設置されました。
主要諸元
車両定員 95人(着席46人)
車両重量 23.5 t
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm(集電装置含)
台車 FS-503
動力伝達方式 TD平行カルダン駆動方式
発電機 TDK-356 1/B(4.5 kVA)
主電動機 TDK 8560A(300 V、230 A、1,300 rpm)
主電動機出力 60 kw
歯車比 6.00
出力 240 kw
制御装置 ACDF-M460-776A(電動カム軸制御)
制動装置 発電ブレーキ併用非常直通式空気ブレーキ(SME)
備考 廃車後の車体は700形に流用
改造登場当初は京津線の急行や準急で活躍し、1981年の浜大津駅の移設で方向転換され、1984年に大津線初の冷房車600形が登場すると石山坂本線の普通列車運用に回りました。冷房車のニーズの高まり、さらに京都市営地下鉄東西線との直通運転で1500V昇圧に機器が対応していないことが明らかとなり、昇圧用複電圧車700形の種車として500型の車体が流用されることが決まり、1992年から1993年に形式消滅しました。260型からは改造という扱いで500型になりましたが、700形には代替新造という扱いになりました。
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