京阪乗り歩きの旅 2 車両編 260型
京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は260型です。
1980/12/11 三条付近
大津線の近代化を図るため木造・半鋼製の200型の機器・台車を流用し、1957年から1968年にかけ26両がナニワ工機、日立製作所、近畿車輛にて製造されました。
主要諸元
車両定員 95人(着席44人)(261 - 273)95人(着席46人)(274 - 286)
車両重量 23.8 t(261 - 273)23.5 t(274 - 286)
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
動力伝達方式 吊り掛け駆動方式
主電動機 9-C(600 V、90 A、652 rpm)
主電動機出力 45 kw
歯車比 2.95
出力 180 kw
制御装置 EC-260(電動カム軸制御、直並列組合せ制御)
制動装置 発電ブレーキ併用非常直通ブレーキ(SME)、手ブレーキ(1971年 - 1973年以降)
製造は4次に渡り、
1次車 261-267 1957年製 両運転台車 片開き扉 ナニワ工機
2次車 268-273 1959年製 両運転台車 両開き扉 日立製作所 運転台窓の形状変更 上部開閉可能なスライド窓
3次車 274-279 1961年―1963年製 片運転台 両開き扉 日立製作所
4次車 280-286 1968年製 片運転台 両開き扉 近畿車輛 ウインドウシル無し 前照灯2灯
形態はこのように変化して行きました。
1965年に制御装置が200型譲りの電気制御した空気シリンダーで接触器を動作させるカム軸の回転を制御する電空カム軸制御方式から、他の車両同様のカム軸を電動機で回転させ接触器を動作させる電動カム軸制御方式に変更されました。さらに制動装置は発電ブレーキ併用空気ブレーキから発電ブレーキ併用非常直通ブレーキ(SME)に変更されました。4次車はこれらの仕様で製造されました。
1970年8月、大津線の集電装置がポールからパンタグラフに変更され、260型には東洋電機製PT-4303Aが1台設置され、これに合わせて運転台側の先頭窓が2段式となり、大津線の全列車が2両編成化され,261-269は片運転台化されました。同年、267の台車はブリルのMCB-2Xに交換されました。
1979年から1981年にかけて281 - 286は500型に改造され、その際に捻出したボールドウィン製台車(BW形)は261 - 266へ転用されました。
浜大津駅におけるスイッチバックの解消、同交差点の混雑緩和を目指し、同駅が1981年4月12日に移設された関係で、京津線と石山坂本線の車両の向きが逆向きになり、両線を直通する車両間の連結や編成の組み換えに支障をきたすことが予想されたため、同年6月18日まで、錦織車庫に設置された仮設のターンテーブルで260型の一部の車両が方向転換することになりました。方向転換後、両運転台で残っていた270-273も1982年に片運転台化されました。これで全車2両固定編成となり、連結面の連結器は棒連結器となり、前照灯の2灯化、正面運転台窓枠のHゴム化、貫通幌の撤去、貫通扉下部の通風口設置などが行われました。
製造時から上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッドの京阪特急色でしたが、500型に改造された281 - 286は上半分が若草色(ライトグリーン)、下半分が青緑色(ダークグリーン)の一般色になっており、これに合わせ260型も1985年以降、同様の変更が行われました。
両開き扉を有していた2次・3次車は600形に車体を供出するため1987年から1988年にかけて廃車され、最後まで残ったは片開き扉の1次車と4次車の280でした。これら8両で2両固定編成4本が組まれ、1997年10月12日の京津線部分廃止と大津線1500V昇圧時に全車廃車となりました。
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