京阪乗り歩きの旅 2 車両編 1000系 III
京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は1000系です。
2019/10/20 野江 1502F
京阪において1000という数字が付く形式は3代目で初代は1924年に導入された1000型で、名古屋電車製作所製の1001-1005、梅鉢鉄工所製の1006-1010の計10両が製造され、1929年に300型に改番され、1967年まで使用されました。
二代目1000型は優等列車への充当を目的として1938年に転換式クロスシート装備の制御電動車として、川崎車輛で6両、田中車両で4両製造され、前年に登場した1100型制御電動車(日本車輛製造製4両、汽車会社が製造した4両)、翌年川崎車輛で3両、1940年同じく川崎車輛で5両、1946年に10両製造された1500型制御車、1943年川崎車輛で4両製造された1200型制御車とともに特急運用に就き、1956年に1810系が登場すると急行運用から支線運用に回り、1970年まで活躍し、廃車後は700系IIに走行機器が再利用されました。
2019/10/20 中之島 1505F
三代目となった1000系はいみじくも二代目が走行機器を譲った700系IIが1500V昇圧時に吊り掛け駆動車は昇圧対応改造から外れるということから、1977年から1978年にかけ、まだまだ状態が良好であった700系IIの車体等を再利用し、700系IIは廃車扱いとし、1000系IIIとして7両編成6本、計42両を新製した系列です。製造は種車の製造を担当した川崎重工業となっていますが、実際の改造は寝屋川工場で施工されました。
1200mmの両開き客用扉、片側3か所の18.7m車体は700系IIそのままなのに対し、主電動機は5000系と同じ架線電圧600V時(端子電圧300V時)の定格出力は130kW、1,500V昇圧後(端子電圧375V時)の定格出力は155kWとなる仕様で、2200系・2400系と比較して中高速域の性能に余裕を持たせた設定となりました。制動装置は5000系において採用実績を有する発電制動併用全電気指令式空気ブレーキHRD-1Dが採用され、応答性の向上が図られました。
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,030人
車両定員 先頭車140人 中間車150人
自重 34.5 t
編成重量 218 t
全長 18,700 mm
全幅 2,720 mm
全高 4,185 mm
台車 電動車 KS-77A 付随車 FS399
主電動機 直巻整流子電動機 TDK-8120A1
主電動機出力 155 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン
歯車比 84:16 (5.25)
編成出力 2,480 kW
制御方式 抵抗制御(竣工時)ACDF-H4155-589A
界磁添加励磁制御(更新後)ACRF-H8155-790C
制動装置 回生制動優先全電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1)
保安装置 K-ATS(出町柳 - 淀間)京阪型速度照査ATS
編成形態
製造時
2019/10/20 野江 1506F
車体新製から25年弱が経過した1990年代、1991年より更新修繕工事が開始され、制御方式が1C8M化、界磁添加励磁制御化・回生制動化が行われ、編成の組み換えも行われました。
更新時期を迎えていた冷房装置は6000系の冷房装置出力増強で取り外された三菱電機製CU-197(冷却能力10,500kcal/h)に換装しました。さらに運転台付きの車両は運転台の拡大がなされ、車長が100mm伸びました。改修前の車体の顔は知りませんが、貫通扉の非常扉化、前照灯、尾灯の交換が行われ、前面の印象が大きく変わりました。
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