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2020年1月20日 (月)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 3000系 I 登場から8000系に編入されるまで

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は初代3000系(3000系I)です。

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1981/12/11 四条 3+3連だった頃の1次車 3003+3004

京阪5代目の特急車両として1971年から1973年にかけて製造され、2008年6月24日8000系への置き換えが進み、最後の1編成が8000系30番台に改番され、2013年3月31日で営業運行を終了しました。と同時に1954年1800系以来続いた京阪の「テレビカー」の歴史にピリオドが打たれました。

1900系新造車グループに準じた2扉18m級全鋼製車体で冷房装備で登場しました。

3000i

1971年8月15日のダイヤ改正で特急の運行頻度を20分間隔から15分間隔に増発し、1900系を7両編成化するため、不足する車両の補充分として製造されたのが第1次車で3500ー3100-3000(Tc-M-Mc)の3両編成が4本製造されました。1900系との併結が考慮され、空気ブレーキは共通のAR-LD中継弁付自動空気ブレーキでした。

冷房の有無で1900系と3000系の人気の違いは明らかであったため、3000系は1900系の補充という立場から、1900系に取って代わって特急運用を担う立場となり、1900系は一般車に格下げとなりました。1972年6月以降、第2次車として3600形を含む4両編成2本、3両編成2本の計14両が増備されました。1900系との併結運用は前提としなくなったため、ブレーキはHRD-1D電気指令式ブレーキに変更されました。

1973年6月、さらに3次車として4両編成2本、3両編成8本が増備されました。これにより特急運用に必要な9編成が出揃い、1900系の置き換えが完了し、特急の完全冷房化も達成されました。3次車では、早朝夜間の編成解結の作業簡略化を目的として連結器を電気連結器付密着連結器へ変更し、混雑時および地下線内での使用停止を目的として車掌室から遠隔ロック可能な収納式補助いすが装備されました。第1次車および第2次車へもこれらの変更が順次適用され、保安強化を目的として主回路に高速度遮断機が付加されました。

3両もしくは4両の編成を組み合わせることで早朝、深夜の閑散時間帯は運行サイクルを変えずに輸送需要に適合させるため、3両もしくは4両で運行される列車が存在しました。1987年6月のダイヤ改正でこういった基本編成単独の運用は取りやめられ、1989年10月の鴨東線開業に伴う7連化では3600形は新造されず、昨日の記事のように、8000系の付随車8500形8550番台車が5両新造され、3両x2編成に組み込まれました。

主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
全長 18,700 mm
全幅 2,720 mm
全高 4,155 mm
台車 ダイレクトマウント空気ばね台車
電動車・中間付随車 住友金属工業FS381・FS381B 緩衝ゴム式
制御車 汽車製造(現・川崎重工業)KS-132・KS-132A 湿式円筒案内式
主電動機 東洋電機製造TDK-8160-A
直流複巻整流子電動機
主電動機出力 1時間定格出力140kW (端子電圧300V時)
1時間定格出力175kW (端子電圧375V時)
駆動方式 中空軸たわみ板継手平行カルダン方式
歯車比 84:16 (5.25)
編成出力
1,120kW(3両・4両編成:直流600V時)
1,400kW(3両・4両編成:直流1,500V時)
2,240kW(6両・7両編成:直流600V時)
2,800kW(6両 - 8両編成:直流1,500V時)
制御方式 界磁位相制御
制動装置 AR-LD中継弁付き発電ブレーキ連動自動空気ブレーキ(1次車新造時)
HRD-1D電気指令式電磁直通ブレーキ(2次車新造以降更新まで)
HRDA-1回生ブレーキ優先全電気指令式電磁直通ブレーキ(更新後)
保安装置 京阪形ATS

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8000系8550番台が一部挿入された3000系Iが全車揃っていた時代の編成構成

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1981/12/11 四条 最後まで残った車両を含む3005+3006編成

8000系の第2編成以降が増備され、かつて3000系が1900系から特急運用の座を奪ったと同様なことが繰り返され、1995年には廃車が進み、3005F+3006Fと3008Fから抽出された予備車2両という状態になりました。しかし、その後検査体制の見直しで特急運用に余裕を持たせるため予備車率の引き上げが行われ、3000系の残された編成はそのまま残し、特急車の予備編成として使用することになりました。1995年12月には車体と主要機器の更新修繕工事が施工され、3608を寝屋川工場で2階建て車に改造し、3855と改番、3108とともに、3005と3506を置き換え、中間運転台の無い、7両固定編成に組成しました。尚、3855の座席は1F2Fともに両端駅での座席方向転換を簡略すべく集団離反式固定シートでした。

17
廃車が進み、3000系として最後に残った編成と予備車2両

1998年3月、8000系への2階建て車増結による8連化が始まり、これに対応するため予備車となっていた3005と3506を種車として改造した平床構造の中間車3655を3155と3855の間に挿入し、8連化されました。Double Dekkerとなった3855は簡易運転台を取り付け3805に改番され、8000系とテレビカー、Double Dekker車の連結位置を揃えるため連結位置が入れ換えられました。

188000
最後の1編成の8連化と8000系への編入

2008年10月19日、中之島線の開業でデビューする新型車両が3000系二代目となるため、形式番号の重複を避けるため、初代3000系は8000系に編入されることになり、
改番前 3505 - 3105 - 3205 (3106) - 3805 (3608) - 3755 (3606) - 3655 (3506) - 3155 (3108) - 3055 (3006)
改番後 8531 - 8131 - 8231 - 8831 - 8781 - 8681 - 8181 - 8081
8000系30番台となりました。

2012年7月5日、2013年春をもって8000系30番台の引退が発表され、各種さよならイベントを経て、2013年3月31日、営業最終運転が行われました。8531はくずはモールに保存されました。

明日の記事では保存され3505の車両番号に戻された保存車のレポートです。

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コメント

B767−281様 こんばんは。3000系は京阪の中でも好きな車両です。晩年に乗車する機会があった時にはテレビカーと言いつつもうテレビは休止状態でした。8000系に編入された時点でも一回記録することができました。くずはモールには是非行きたいと思います。ホロが復元されているのがいいですね。

細井忠邦さま、おはようございます。

初代3000系、良いですね。私も京阪の車両では最も思い出深い車両です。現在も大井川鉄道や、富山地方鉄道でも活躍しているところが良いですね。

京阪電鉄初代3000系の3500形3501〜3518までの18両は京都側に運転台そして3000系3001〜3018までの18両は大阪側に運転台はあったが京阪電鉄初代3000系の電車はどこにいったのでしょうか教えてくださいお待ちしてます、

巽孝一郎 さま、おはようございます。

京阪の3000系に関しては上の表の「処遇」にあるように、一部は大井川鐡道に、そして一部は富山地方鉄道に譲渡されています。富山の方はまだ現役のようですが、大井川の方は2018年に廃車となったようです。さらに2020年1月21日の記事にあるように「くずはモール」で展示されている編成もあるようです。

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