京阪乗り歩きの旅 2 車両編 3000系II
京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は二代目3000系(3000系II)です。
2019/10/20 寝屋川車庫
元々は2008年10月19日の中之島線開業に合わせ、同線に直通する快速急行用の車両として、川崎重工業にて8連6本が製造されました。車両のデザインはGKデザイン総研広島が担当しました。GKデザイングループは株式会社GKデザイン機構を中核とし、京都、広島、ロサンゼルス、アトランタ、アムステルダム、上海に拠点をもち、鉄道車両をはじめとして多くのデザインを手掛けています。車両全体のデザインコンセプトとして文化・風情の香りに現代感覚を融合された「風流の今様」を打ち出しており、前面の円弧状スタイルは花鳥風月をイメージしたものとなっています。コンフォート・サルーンという愛称が与えられています。
3000系IIの車体は6000系以降のアルミニウム合金製中空大型押出し形材によるダブルスキン構造で川崎重工業が開発したブランドであるefACE(Environmentally Friendly Advanced Commuter & Express trainの略)を初めて採用し、京阪の両開き扉車として1650型以来、戸袋窓が設けられました。efACEは規格や仕様が異なった車両でも各構体をモジュール化し、取り付け要領を統一化することで製作コストや作業時間を低減し鉄道事業者のきめの細かいニーズに対応可能とした工法です。efACEが採用されたアルミ構体車両として東京メトロ16000系、山陽電気鉄道6000系、東武鉄道500系Revaty(リバティ)、西武鉄道40000系、 神戸市交通局6000形、横浜市交通局10000形2次車などがあります。
10000系と同一のIGBT素子2レベルVVVFインバータ制御方式の電動車3両、付随車5両で1編成となっています。先頭車には空転防止のため増粘着剤噴射装置(関西では多くの事業者がアルミ粉末方式なのに対して京阪はセラミック粉末)セラジェットを採用しています。また運転状況記録装置、ホーム検知装置も設置されています。
2019/10/20 守口市
2017年には正面貫通扉部分のガラスが下方に拡大、液晶ディスプレイと装飾灯が設置され、顔が変わりました。貫通扉部分にあった車両番号とKEIHANロゴが左右に移設されました。
座席は客用ドア間は2+1の転換クロスシート、車端部はロングシート、運転席後部は2+2の転換クロスシートとなっています。
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.3 km/h/s
編成定員 982人
車両定員 先頭車113人・中間車126人
自重 27.0 - 36.5 t
編成重量 249.5 t
全長 先頭車 18,900 mm 中間車 18,700 mm
全幅 2,782 mm
全高 4,138 mm
車体 アルミニウム合金
台車 電動車:川崎重工業KW-77E 軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車
付随車:住友金属工業FS577 モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車
主電動機 かご形三相誘導電動機 TDK6151-C
主電動機出力 200 kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 6.07
編成出力 2,400 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 ATR-H4200-RG6004A
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1)
保安装置 K-ATS(出町柳 - 淀間)京阪型速度照査ATS
2019年6月14日の2019年度設備投資計画では8000系同様にプレミアムカーの新造がアナウンスされました。
2009年に鉄道友の会から第45回ローレル賞を受賞しています。このときの次点は西武鉄道30000系でした。まだ同年に日本産業デザイン振興会からグッドデザイン賞も受賞しました。
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