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2020年1月15日 (水)

久しぶりのオーケストラ・コンサート マーラー作曲 交響曲第2番ハ短調「Auferstehung: 復活」その3 演奏について

3回目にして漸く、当日の演奏について触れます。

N響の演奏会は1つのプログラムについて2公演行い、1月11日土曜日にも同じ公演が夜7時開演で行われており、そちらはNHK-FMで生中継されたようです。またテレビ用の収録も行われたのではないかと思います。放映は今のスケジュールから予測すると3月か4月頃のEテレ日曜夜9時からの「クラッシック音楽館」になると思います。というわけで12日、日曜日のコンサートはテレビカメラは無しでした.

久しぶりのコンサートでもあったので、開演から終演まで、演奏者の出入り、動き、楽章ごとの演奏時間等をメモしました。

Dsc06151
2020/1/12 開演30分前のステージの様子 向かって右側の白い段の席は最後まで誰も着席しませんでした。

午後3時、まずは合唱団が入場し、ステージ後方にセットされた席に着きます。男声から入場し、40名が入場したのに続き、女声40名が入場し、着席しました。ソプラノ、メゾソプラノのソリストは席は合唱団の前、オーケストラの後ろに用意されていますがまだ入場しません。Beethovenの第九などでも、ソリストの場所(合唱団の前、若しくは指揮者の横等)、合唱団の入場は何時なのか(楽章の切れ目)等に関してはコンサート毎に異なり、指揮者などの裁量に任されているようです。

5分位で全員が着席したところでN響の楽員が入場しました。Mahlerの交響曲第2番の場合、後に示すように管楽器、打楽器などの数が多いのでステージはかなり混んでいる感じがしました。こちらも全員が入場着席するのに5分程度かかり、楽器のチューニングが行われます。この日のコンサートマスターは伊藤亮太郎氏でした。

楽器編成
【管楽器】
フルート 4(ピッコロ持ち替え 4)
オーボエ 4(イングリッシュホルン持ち替え 2)
小クラリネット 2、
クラリネットEs(バスクラリネット持ち替え1)
ファゴット 4(コントラファゴット持ち替え 2)
ホルン 10(そのうち舞台外に4)
トランペット 8
トロンボーン 4
チューバ 1
【打楽器】
ティンパニ 2組 舞台外にシングルドラム
シンバル 2 + 舞台外に1
ゴング 2 (HighとLow)
大太鼓 +舞台外に1
小太鼓 1以上の複数
グロッケンシュピール
鐘(音程の定まらないもの3種)
ルーテ(むち)
【弦楽器】
ハープ 2台、
弦五部 1stVn, 2nd Vn, Va, Vc, Cb
   
【鍵盤楽器】
オルガン
【声楽】
ソプラノ独唱
アルト独唱
混声合唱

チューニングが終り、静かになったところで、指揮者のエッシェンバッハ氏が入場、拍手が起こり、最初のタクトを振り降ろしたのが3時11分でした。

第1楽章 アレグロ・マエストーソ まじめで荘厳な表現で一貫して ハ短調 4分の4拍子 ソナタ形式 15:07-15:30

演奏時間が示すように第1楽章だけでBeethovenの第1交響曲がすっぽり入る長さがあります。
エッシェンバッハの指揮は前回のN響との共演でも非常にメリハリのある指揮だったという定評がありますが、第一楽章からそれは十分に発揮されていたようでした。Mahlerは楽譜の第1楽章終了時にHier folgt eine Pause von mindestens 5 minuten.(少なくともここで5分間の休憩を取ること)と書き込んでいますが、今回の演奏でもその指示には従わず、終了後1分程度休んですぐ第2楽章に入りました。

第2楽章 アンダンテ・モデラート きわめてくつろいで、急がずに 変イ長調 3/8拍子 ABABA形式 15;31-15:41

主部が3回に渡って演奏され、2回目はチェロの対旋律、3回目は弦楽器がピチカート演奏しますが、弦全体がよくまとまっていました。

第3楽章 スケルツオ 静かに流れるような動きで ハ短調 3/8拍子 三部形式 15:41-15:50

「子どもの不思議な角笛」の歌曲「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」と同じ素材によるメロディが繰り返されますが、聴いているとそれまでの「葬礼」から何となくコミカルな気分になって来ます。そもそも、パトヴァのアントニウスは実在の人物(イタリア語:Sant'Antonio di Padova、ポルトガル語:Santo António de Lisboa、1195年 - 1231年6月13日)で説法に優れ、民衆にも大変人気のあった人物でしたが、ある日、教会で説教をしようとしたところ、誰も集まらず、仕方が無いので川辺に立ち、説教をしていたら魚たちがいっぱい集まって来た。熱心に聞いて改心するかと思ったら、結局は元の木阿弥だった。日本の諺の「馬の耳に念仏」のような話のようです。
当日の演奏ではこの楽章の途中でソプラノとメゾソプラノのソリストがそっと入場してきて着席しました。
中間部の主題はMahlerのウィーン音楽院時代の親友Hans Rottの交響曲第1番ホ長調の第1主題を引用したと言われています。Rottは交響曲1番を1880年22歳の時に完成し、当時既に交響曲第2番を完成し、ウィーンで名声を博していたBrahmsに見せますが、Brahmsはこの作品を酷評し、「君は才能が無いから作曲活動なんかやめてしまいなさい」と言ったそうです。Rottはこの言葉を聞き、精神を病み、自殺未遂を繰り返し、25歳で結核で亡くなってしまいます。当時のウィーンではBrahms派とWagner派が対立しており、Wagner派のBrucknerの子弟が芽を出すことで自分の立場が危うくなるという考えから、このような発言に至ったと言われています。Mahlerは親友の亡き後もRottの交響曲1番の楽譜を携行し、いつでも演奏できるようにしていたそうです。
面白いことにBeethovenはハ短調の曲(交響曲第5番、ピアノ協奏曲第3番、ピアノソナタ第8番「悲愴」、ピアノ三重奏曲第7番等)で劇的な表現を得意としたとよく言われますが、Beethovenの交響曲第5番の楽章ごとの調性を見てみると、第1楽章、ハ短調、第2楽章、変イ長調、第3楽章ハ短調でMahlerの交響曲第2番も同じ調性が3楽章まで続いていることが分かります。同じような関係はBrucknerの第2番の1~3楽章、Schubertの第4番「悲劇的」の1,2,4楽章、Brahmsの第1番の1,3,4楽章でも見ることができます。
第3楽章から最終楽章までは休みなく演奏せよという指示が楽譜に書きかまれています(folgt ohne jede Unterbrechung der 4. Satz.)

第4楽章 「原光(Urlicht)」 きわめて荘重に、しかし素朴に 変ニ長調 4/4拍子 三部形式 15:50-15:58

メゾソプラノが起立し、「子どもの不思議な角笛」の第7曲から取られた「原光」を歌い出します。ステージ外の金管が間奏を添えます。

Dsc06152 NHKホールのパイプオルガン 

第5楽章 スケルツォのテンポで、荒野を進むように ヘ短調-変ホ長調 4/4拍子 拡大されたソナタ形式 15:58-16:33

この楽章は打楽器奏者が大忙しで、グロッケンシュピールを担当していた奏者が、持ち場を離れて、ステージ中央奥のティムパニーのところに行って、3人で連打するシーンがあったり、ステージ上で誰も演奏していないと思ったら場外から音が聞こえてきたり、オルガンの音が聞こえてきたりとかなりビジュアル的に楽しい楽章です。演奏時間もこの楽章だけで35分ほどかかり、Beethovenの交響曲7番がすっぽり入ってしまう長さがあります。最初からじっと出番を待っていた混声合唱団やソプラノのソリストが音楽に参加するのもこの楽章からになります。
最終楽章35分の演奏時間はBeethovenの交響曲第7番などがすっぽり入る長さで、楽章の最後に「復活の賛歌」が高々と歌い上げられ、クライマックスとなり、曲が終わります。

終演後、割れんばかりの拍手がしばらく続きました。またロビーなどでも「今回の演奏は名演だった」という声が聞こえました。
私自身、マーラーの交響曲をライブで聴いたのは初めての体験でしたが、当然のことながらCDで聴くよりも、またテレビで視るよりも遥かに素晴らしい体験であったと感じました。次の機会には是非、第3番を聴きたく思いました。

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