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2020年1月 7日 (火)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編  5000系

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は5000系です。

5000-5555-191020-2 2019/10/20 寝屋川車庫 第5編成

阪急京都線の6300系同様、京阪の車両の中でも全国区的知名度を誇るのがこの5000系オール5扉車ではないかと思います。1970年から1980年にかけて7両編成7本と置石による脱線事故で廃車になった5554の代替として5554II(二代目)が製造されたため、計50両が川崎重工業で製造されました。

なぜこういった車両が登場したのか、その理由は京阪沿線の宅地開発が進み、沿線人口が急増しましたが、インフラ整備がそれに追いついていけないことが理由でした。

当時、複々線区間は守口市までで、守口市以東の複線区間では普通電車の乗降時間が増大し、特急・急行を含む全列車のダイヤの乱れが常態化していました。また当時は昇圧前で架線電圧600Vでは変電所数やき電線の電流量上限などの制約もあり、電圧降下、漏洩電流増大、それに事故電流識別などの観点から1列車の編成両数が最大7両に抑えられている状況でした。昇圧の方針が決定しても、現状の車両を1500Vに対応させるには膨大な費用が掛かることが予想され、複々線区間を延伸するにもかなりに時間がかかることが予想されました。

5000-191020 5000-191020-2
2019/10/20 第6編成の昇降式座席

そこで即効的に普通電車の乗降時間短縮に効果的な車両として7両編成のすべての車両の片側扉を5扉化した車両が開発されることになりました。5扉化すると同時に昼間時には3扉で使用するため、昇降式座席を装備し、重量増を抑制するため、当時は高価だったアルミ合金製車体を採用したため、2400系などに比べても製造コストが大きく、製造量数は必要最小限の7編成とされ、複々線区間完成までのショートリリーフ待遇で製造されました。

主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 110 km/h
編成定員 1,010人(第1・2編成竣工時)957人(更新後)
車両定員 140人(運転台付車両:竣工時)150人(中間車両:竣工時)131人(運転台付車両:更新後)139人(中間車両)
全長 18,700 mm
全幅 2,720 mm
全高 4,190 mm
車体 アルミニウム合金
主電動機出力 130 kW (昇圧前)155 kW (昇圧後)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動
歯車比 5.25 1次車は当初、5.60
制御方式 抵抗制御(竣工時)
界磁添加励磁制御(更新後)
制動装置 電気指令式電磁直通ブレーキ HRD-1D(竣工時)
回生ブレーキ優先電気指令式電磁直通ブレーキ HRDA-1(更新後)
保安装置 K-ATS(出町柳 - 枚方市間)
京阪型速度照査ATS

5000-5556-191020
2019/10/20 寝屋川市 第6編成

編成形態 製造当初

50001  
                5554II                                                                                   Dec-80 

製造年次的には
第1次車 第1編成
第2次車 第2~4編成
第3次車 第5編成
第4次車 第6・7編成  と分けられ、上の編成表からもわかるように第1・2編成は3両と4両に分割できるようになっていました。これは全電気指令式電磁直通ブレーキ (HRD-1) を京阪の車両で初めて採用するにあたって、編成中間の運転台を故障時の予備として確保する意味合いがあったとされています。1次車から2次車への変化は尾灯と標識灯のデザインが3000系と同じデザインになったことと、主電動機の歯車比の変更でした。3次車から前面貫通扉に種別・行き先表示器が設置されました。側面の行き先表示器が設置されました。なお、側面の種別表示器は第1編成から設置されていました。

更新工事は1998年から2001年にかけて実施され、制御装置は2両の電動車を高圧車と低圧車とし、それぞれに搭載された制御装置を直列につないで同期動作させる親子方式の抵抗制御方式を改め、5100形に集約搭載されたACRF-H8155-790D界磁添加励磁制御器で2両分8基の主電動機を一括制御する方式(1C8M方式)に変更されました。これにより電力回生ブレーキの使用が可能となりました。空気ブレーキについても、発電ブレーキ併用電気指令式電磁直通ブレーキ (HRD-1D) から回生ブレーキ優先電気指令式電磁直通ブレーキ (HRDA-1) へと改修され、遅れ込め制御により空制系の使用率を引き下げています。

3両+4両の組成であった第1・2編成は、運転台の撤去を伴う編成の組み替えが実施されました。制御電動車の5000形5001・5002は中間電動車に改造され、5101・5102に改番のうえ5100形に編入されました。制御車であった5600形5651・5652は中間付随車に改造されました。また、7両固定編成の中間付随車の5800形5853 - 5857は、更新工事の際に5650形5653 - 5657に改番されました。こうして全編成が5500形5550番台(制御車:Tc) - 5100形5150番台(中間電動車:M1) - 5200形5250番台(中間電動車:M2) - 5650形(付随車) + 5100形(中間電動車:M1) - 5200形(中間電動車:M2) - 5600形(制御車)に統一の上で7両固定編成化されました。これにより5000形が形式消滅しました。 電動発電機は編成両端の5500形5550番台(制御車:Tc)と5600形(制御車:Tc)に移されました。

50002

2020年の目標に京橋駅にホームドアの整備を発表しており、5000系はそれ以前に全廃が予定されており、既に
5557F - 2016年6月30日 5552F - 2018年9月 5554F - 2018年9月 が廃車となっています。

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