水島臨海鉄道の車両、まずはキハ37形です。キハ37 101-103の3両が在籍しています。私が訪問した日は101と102が2両併結で運用に入っていました。塗色は写真のような水島臨海色と言われる空色に青色の帯の入ったものでした。もう一両の103とキハ38形104は国鉄標準色を纏っています。

2019/8/2 三菱自工前 キハ37 101

2019/8/2 常盤 キハ37 102
キハ37形は国鉄が1983年に製造した気動車です。キハ40系列を導入後、問題とされたローカル線での動力性能以外の構造・設備の過剰さ、新造費の高さ、機関と変速機の陳腐化、車両重量の割に出力が小さいこと、燃費の悪さ、整備費など維持費の高さなどに対処するため、地方線区の実情に合わせた性能と製造・維持コストの低減に注力し、標準搭載される装備を最小限に抑え、地域にあった装備を地域の特徴に合わせて取り付けられるように設計された車両として試作的に5両製造されました。
主要諸元
最高速度 95 km/h
車両定員 0番台:138人
1000番台:146人
自重 0番台:31.6 t
1000番台:30.7 t
全長 20,000 mm
車体幅 2,800 mm
床面高さ 1,260 mm
台車 DT22E・TR51D
動力伝達方式 液体式
機関 DMF13S
機関出力 210 PS
制動装置 自動空気ブレーキ
国鉄気動車としては初の直噴式ディーゼルエンジン(国鉄制式名DMF13S、新潟鐵工所、現IHI原動機が開発した船舶用高速エンジンを鉄道車両用に設計変更したもので縦型6気筒OHV、排気量13リットル、過給器装備(210PS,600rpm)、新潟鐵工所名は6L13AS)を搭載しました。従来のエンジンに較べ、小型軽量で高出力、冷間時の始動性も向上しました。
国鉄形式でDMF13Sを採用したのは本形式が唯一で縦型エンジンのため、レール面から床面の高さがキハ35の1215mmに較べ、1260mmと高くなり、床面点検口も復活しました。
キハ37101の車内 長ーいロングシート
片運転台式ロングシート、片側片引き戸2扉で便所付き(定員138人、座席64人)が0番台、1(新潟鐵工所製),2(富士重工業製)、便所無し(定員146人(座席64人)が1000番台、1001(新潟鐵工所製)、1002、1003(富士重工業製)でしたが、製造後、地方交通線が相次いで廃止となり、キハ58系やキハ40系が大量に余剰となったため、設備投資の抑制方針もあり、量産形が登場することはありませんでした。
後付けされた冷房装置 この部分の荷棚は使用出来ません。
ベンチレータは押し込み形で天井に扇風機が設置され、後年、バス用の機関直結式冷房装置を流用した冷房化改造が施行されました。製造時からワンマン化改造可能な設計になっていましたが、国鉄・JR在籍中はワンマン化改造はなされませんでした。
1と1001が大阪鉄道管理局管内の姫路第一機関区に配置され、加古川線、高砂線、三木線、北条線、鍛冶屋線で使用されました。民営化後、JR西日本に継承され、1994年に冷房改造され、1999年に後藤総合車両所に転属、山陰本線や境線で活躍し、2009年1月29日付けで廃車となりました。後述のJR東日本に継承された車両のようにエンジンの換装もされませんでした。

2009/2/15 木更津 久留里線で活躍していた頃のキハ37 1002 現、キハ37 102

2009/2/15 木更津 キハ37 2 現、キハ37 103
2、1002、1003は千葉鉄道管理局管内の桜機関区木更津支区に配置され、久留里線および木原線で使用され、JR東日本に継承、1999年から2000年にかけ、機関をカミンズ製DMF14HZへ換装、機関直結式のAU26形冷房装置が搭載されました。2012年12月1日を以て、キハE130形100番台に置き換えられ、定期運用を終了しました。2013年7月9日から10日にかけ、水島臨海鉄道に3両とキハ30形2両、キハ38形1両と譲渡されることになり、倉敷駅まで甲種回送されました。
水島臨海鉄道では2014年5月12日から運行が開始されました。
水島臨海鉄道での運行開始にあたり、
キハ37 1003 → キハ37 101
キハ37 1002 → キハ37 102
キハ37 2 → キハ37 103 と改番されました。

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