2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 6 岡山駅に発着したJR四国の車両 キハ181系特急「しおかぜ」
1988年4月10日、瀬戸大橋線(正式な路線名ではなく愛称で、宇野線<岡山~茶屋町>、本四備讃線<茶屋町~児島~宇多津>、予讃線<宇多津~高松>の総称)が全面開業し、岡山までJR四国の車両が乗り入れる様になりました。今回からは岡山駅に乗り入れたJR四国の車両について見て行こうと思います(既にマリンライナー5000系は登場済みですが)。
瀬戸大橋区間の走行に関しては保安上の理由から下窓上昇式窓の車両や、非常事態を考慮してトイレの設置されていない車両は営業運転できないというルールがあります(例外としてJR四国の一段上昇式窓のキハ58系の一部に乗り入れ対応車が存在しました)。このため、JR西日本の115系は下段固定窓の車両のみ、117系は100番台車のみ、165系、167系も下段固定窓改造車のみが乗り入れていました。JR四国でも121系は乗り入れできず、乗り入れ用に6000系を導入せざるを得なかった様です。
1987/10/13 高松 岡山で撮影した写真ではありませんが、宇高連絡線があった頃の高松駅での181系「しおかぜ」
まずは先日から数回登場しているキハ181系です。キハ181系のデビューは1968年10月1日の通称「ヨンサントウ」改正での中央西線特急「しなの」でした。四国への181系の配置は1972年3月15日の山陽新幹線岡山開業を中心としたダイヤ改正で四国初の特急「しおかぜ」3往復(高松~宇和島2往復、高松~松山1往復)、特急「南風」1往復が新設され、これに伴いキハ181系の1971年度最終新製車26両が高松運転所へ配置されました。
キロ180ー100番台は定員は0番台と同じ48名、四国特急では食堂車を連結しないため、0番台の洋式便所・洗面所スペースを車販準備室としたバージョン)
1975年3月には「しなの」の全面電車化で名古屋第一機関区から8両が転入、11月には「つばさ」の電車化で尾久客車区から8両が転入し、キロ基本番台はそれぞれ100番台に準拠して改造され、キロ180-150番台となりました。
キロ180-1・7 → キロ180-151・152
1975年に南風2往復が増発され、1977年にはしおかぜが1往復(高松~宇和島)増発されました。1986年には内山線(予讃本線の向井原駅 - 内子駅経由 - 伊予大洲駅間短絡ルート)が全通したのに伴い、所要時間が10分短縮されました。
この頃にはJR四国のコーポレイトカラーになった車両も登場して来ていました。
車両では車掌室付きキハ180形(特急「おき」3往復中、一往復がモノクラスで運用されていた際に改造:キハ180-10・14・17・18・23・24)の2両(23・24)が転入し、同年11月1日の国鉄最後のダイヤ改正ではこれら車掌室付きキハは増発・編成短縮化に伴うキロ不足に対応するためグリーン車化改造がなされ、キロ180-200番台となりました。キハ180-23・24 → キロ180-201・202
同改正ではキハ185系もデビューしていますが、キロ180形も乗車率の低いグリーン車を半室にすることにし、1987年以降、定員グリーン室24名、普通室18名のキロハ180形が誕生しました。キロ180-101 - 104・151・152・201・202→キロハ180-1 - 8
しおかぜは一挙に9往復増発され13往復(高松~宇和島間は5往復)になりました。
民営化直前の1987年3月23日、高松~松山間は電化・線形の改良等で最高速度が110km/hに引き上げられ高速化されました。
先頭はキハ181-1でした。
民営化後のJR四国では短編成化に対応して不足する先頭車(キハ181)をキハ180形から改造し、キハ181-100番台としました。国鉄時代に「おき」用に改造された3両に続き、キハ181-104・105が登場しました。キハ180-7・69・70・68・73 → キハ181-101 - 105
内装的には国鉄末期に回転クロスシートをキハ185系に準じた背面テーブル付きリクライニングシートに交換し、車内の床敷物、側面化粧板、仕切扉の交換、巻上げカーテンの交換などのアコモデーション改良がなされました。
1988年4月10日、本四備讃線の開業で「しおかぜ」は岡山発着となり、5往復(岡山~宇和島間は下り1/上り2)、高松発着は「いしづち」9往復(高松~宇和島間は下り3/上り2)となりました。1989年3月、瀬戸大橋線沿線住民の騒音訴訟から一部区間で原則運転が開始され、後継車両の2000系TSEが登場、1990年11月21日のダイヤ改正では181系による「しおかぜ」は2往復にまで減少、この後のダイヤ改正で181系のしおかぜは消滅したと思われます。
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