2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 10 津山まなびの鉄道館 展示車両 6 DD13 638号機
津山まなびの鉄道館の展示車両、今回はDD13 638号機です。
2019/8/3 津山まなびの鉄道館
DD13といえば、かつて国鉄の貨物取扱駅ではどこでも見かけた入換用ディーゼル機関車でした。先日のDD15の記事でも触れましたが、1958年に登場した初期タイプ(110号機まで)は大宮の鉄道博物館に保存されているような単灯スタイルでした。
エンジンは1937年に試作されたキハ43000形電気式気動車に搭載されたDMF31H(横型 = 水平シリンダー、直列6気筒、排気量31リットル、渦流室式。連続定格出力240ps/1,300rpm)をベースとして、国鉄・新潟鐵工所・振興造機・ダイハツ工業(現・ダイハツディーゼル)で共同開発されたDMF31S形(縦型 = 直立シリンダー、直列6気筒、排気量31リットル、予燃焼式、連続定格出力370ps/1,300rpm)を2基搭載し、振興造機が開発した変速2段、直結1段のリスホルム・スミス式シンコー DS1.2/1.35 を2基し、動力を伝達する方式で、両端ボンネットにエンジンと液体式変速機(トルクコンバータ)が収められており、そこから得られた回転力を運転室床下に設置された逆転器に集め、前後の台車に推進軸を介して伝達する方式を採っています。
111号機からは前照灯が2灯化され、ターボチャージャーが装備され、連続定格出力が500PS/1,300rpmに増強されたDMF31SB 形エンジン装備となりました。エンジン冷却ファンは従来はクランク軸によるベルト駆動でしたが、静油圧駆動方式に変更され、ボンネット上面に設置されました。
番号区分
1ー84 DD11形2次車を発展させたようなスタイルで台車はDT105を履きました。13両が新幹線用912形に改造されました。
85-110 台車がDT113に変更され、元空気ダメが運転席下から台車側方に移動となり、燃料タンク容量が1klから2klに変更されました。
111 1961年製造の試作的車両でエンジンの出力アップ、車体形状の変更 912形に改造
112ー264 2次量産形 1963年製造の171から新塗色に
300番台 1966年から83両製造 車軸の減速機の傘歯車と斜歯歯車の歯数比が交換によって変更されているため新番台に
500番台 112以降のグループをベースに重連総括仕様としたもので1965年から18両製造
600番台 300番台の重連総括仕様版
それまで8620形や9600形などの蒸気機関車で行われてきた入換作業を担うDLとして量産されましたが、大規模なヤードには不向きであり、軸重が14tとローカル線には大き過ぎたこと、SGを持たないことから、これらの問題を解決したDE10が1966年に登場、さらにヤード入れ換えに特化したDE11の登場で国鉄においては1967年に製造は中止されました。
国鉄末期、貨物列車の減少と貨物システムの大改革により、ヤードや貨物支線が廃止され、余剰車が多く発生、1979年以降急速に廃車が進み、JR各社には912形に改造されたもの以外は1両も継承されず、1987年3月31日までに全廃されました。
1992/3/13 後で登場するDF50 18号機、D51 2号機と同様にD13 638号機も大阪弁天町の鉄道科学博物館に展示されていました。
後年、DD51が開発された際に液体変速機などの技術に関してDD13で培われた技術は役だっており、液体式DLとしてマイルストーン的価値を認められている機関車です。
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B767−281樣お早うございます。DD13、とても懐かしい車両です。立川駅の中央線ホームから南武線ホームの間にヤードがあり、そこで働いている様子が思い出されます。ただあまりにも当たり前に存在したので写真は2、3枚しかありません。いつの間にかあっという間になくなったという感じです。さて政権の迷走は酷いですね。通院の基準も急に変わって、しかも前の基準は「誤解だった」などと。またこの機に乗じて、検察人事に勝手な定年延長をもちこもうとしているのも許せません。それでも支持率が40%前後なのが私にはどうしても信じられません。ここにも操作があるのでは?
投稿: 細井忠邦 | 2020年5月11日 (月) 07時27分
細井忠邦さま、おはようございます。
仰る通り、DD13は初期型も出力アップ型も中央線の貨物取扱駅などでよく見かけた機関車でした。あの頃はフィルムカメラですから、コマ数の制限からなどから撮っておこうなどとは思わない存在でした。それがあっという間に消えてしまったというのが正直な印象ですね。
それにしても安倍政権、今になってコロナウイルスの診断基準の4日以上37.5度以上の発熱は誤解だろうとか、自分たちの誤りを認めないこと、さらにマスクも給付金も一向に届かない遅さ、さらにこの機に検察官の定年延長法案を強行採決で通そうとすることなど、まさに自分たちのためだけの政権で国民には何も救いの手を差しのべない政権であることがよくわかりますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2020年5月12日 (火) 04時23分