2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 13 棚原ふれあい鉱山公園訪問 その1 公園までの道程
今回の岡山・広島・鳥取・兵庫を回る旅行は毎月第一日曜日に岡山県久米郡美咲町にある棚原ふれあい鉱山公園にてかつて同和鉱業片上鉄道に在籍した車両の展示、運転会が行われているため、8月4日の日曜日に当地を訪問することを前提にスケジュールが組まれたものでした。
美咲町PRのために町役場が作成したパンフレット
美咲町のパンフレットから
まずは岡山県久米郡美咲町はどこら辺にあるのかというと、岡山から津山線で岡山方面に向かい、小原駅付近で東西に広がるのが美咲町です。2005年3月22日に中央町、棚原町、旭町が合併して現在の美咲町になりましたが、棚原ふれあい鉱山公園は旧棚原町にあり、美咲町内では南東の端に位置します。津山の町中を西から東へ流れる吉井川が南東に流れを変えて、やがて岡山市の東で瀬戸内海に注ぎますが、その途中に棚原があり、かつての片上鉄道の吉ヶ原駅が公園の中心になっています。
アクセスは津山駅前のバス停3番乗り場から高下行きのバスに乗車し、吉ヶ原(きちがはら)で下車します。
高下行きの朝一番は11:50発です。ですから午前中は時間が有り余っていたので、朝一番の津山線で岡山に向かい、岡山駅で列車撮影を行い、津山に戻りました。因みにバスの運賃は740円でした。
後で知ったのですが、5月から11月の第一日曜日(棚原ふれあい鉱山公園で公開がなされる日)は津山まなびの鉄道館と棚原ふれあい鉱山公園を結ぶバスが運行されており、無料で乗車できるようです。帰りはこのバスを利用しました。
津山からの往路、バスは吉井川の流れにそって棚原に向かいます。
吉ヶ原駅の駅舎
棚原鉱山は岩手県の松尾鉱山とともに我が国を代表する硫化鉄鉱の鉱山で古生代ペルム紀中期に形成された火山性硫化物鉱床と考えられており、総埋蔵量は3700万トンと見積もられていました。慶長年間に津山城を築城する際に石材を集めている過程で褐鉄鉱の露頭が見つかったのがきっかけで、明治になって本格的な採掘が開始されました。当初は掘り出された鉱石を吉井川の川舟(高瀬舟)で片上港まで輸送していましたが、次第に船では間に合わなくなり1923年1月に片上~和気間、8月に和気~備前矢田~井ノ口(貨物)間、さらに1931年2月、井ノ口~棚原間に鉄道が開業しました。これが片上鉄道です。
鉱石の質が良く、埋蔵量も豊富、鉱床が掘りやすく、夾雑物も少ないため他の鉱山に比べ競争力が高く、大正時代には日本を代表する硫化鉄鉱鉱山となりました。さらにセルロイド、硫安、化学繊維のレーヨンの需要が拡大し、硫黄の供給源として隆盛を誇りました。ところが1960年代以降石油精製の過程で硫黄が回収されることから硫黄の市場価格が暴落、さらに減反政策で化学肥料の需要が減り、オイルショックが追い打ちをかけ、1991年3月に鉱山は閉山となりました。片上鉄道も鉱山の閉山の3か月後の1991年6月30日をもって廃止となりました。
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