豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」内に保存されているD51 89号機
豊橋総合動植物公園は動物園・植物園・遊園地・自然史博物館の4ゾーンからなる複合施設で1899年に安藤政次郎が開園した動物園を下に発展し、1992年から現在の形態となりました。のんほいとは三河方言の~ですねにあたる「のん」とやあ、おいの「ほい」を合わせたものだそうです。
2017/8/4
最寄り駅は東海道本線二川駅で、同駅から徒歩で6分の距離です。
D5189号機
同機は1~100号機までのナメクジスタイルのD51の中にあって101号機以降の標準形のスタイルの異色機です。また正面からみて右側のデフレクターが切り込まれている特有のスタイルです。ナンバーは形式入で緑色に着色されています。スノープラウは北陸仕様です。
沖田祐作氏の機関車表データによる履歴は
1938-3-26 国鉄浜松工場 製番22
名古屋局配属
1938-4-3配置 稲沢
1944-9-21 浜松
1948-5-15 静岡
1949-9-5 金沢
1962-6-29 富山
1965-8-2借入 糸魚川
1965-9-30返却 富山
1965-10-1 金沢運転所
1971-4-17 廃車 金沢 となっており、浜松工場で製造され、終生、東海、北陸で活躍し、最後は金沢で廃車されました。
いわゆるナメクジタイプのD51は第1動輪の軸重が13.17tと第2~4動輪の軸重よりも1t以上軽く、重量列車引き出し時に空転が多発するため、重量配分に問題がありました。1937年1938年に浜松工場でこの問題を解決するため、86-90号機において給水温め器を煙突前に枕木方向に載せ、担いバネの釣合梁の支点位置を変更し、動輪重量の配分を可能な限り変更する改良試作が行われました。
この改良によりナメクジタイプよりは空転問題は改善されたものの、D50形に較べると第1動輪の粘着性能に問題があり、北陸本線や信越線の勾配区間を担当する機関区からは嫌われたようです。
デフレクター後のオイルバルブの位置はランボード上に線路方向に並ぶタイプ、逆転器リンクプレートの穴は大穴タイプ、砂管は前二本が若干前に傾斜、3本目は途中から折れるタイプです。
機関助手席前の潅水清浄器はキャブから少し距離を開けて前に取り付けられています。
炭水車は8-20A、台車は軸バネがコイルバネ、側枠が一体鋳鋼製のTR24形類似タイプ
炭水車の前照灯、尾灯は装備されています。
キャブに立ち入ることはできませんが隙間から内部を覗くことは可能です。
説明板も用意されています。
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コメント
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B 767-281様お早うございます。「なめくじ」タイプにはそう言う問題があったのですね、初めて知りました。ありがとうございます。良い状態で保存させているようですね。ただ緑のナンバープレートとは違和感を感じます。炭水車のシールドビームは仕方ないかな。
投稿: 細井忠邦 | 2020年8月 5日 (水) 07時41分
細井忠邦さま、おはようございます。
D51のナメクジタイプが動輪軸重に問題があり、空転が発生しやすいという問題は私も以前から記事で読んではいたのですが、その改良タイプが既に100号までに出場していたというのは今回の記事で思い出した次第です。
そういえば日本の蒸機のシンボル的なD51の給水温め器を煙突と前照灯間に挟んだタイプは貨物用機はD51から、旅客用機はC58からだったと思った次第です。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2020年8月 6日 (木) 05時47分