公園保存蒸機 中間市垣生(はぶ)公園に保存されているC11 260号機
2017年10月の九州北部旅行で訪問した公園保存蒸機、今回は筑豊本線筑前垣生駅から徒歩5分ほどの垣生公園に保存されているC11形260号機です。
関東の人間には中間市といってもあまり馴染みが無いかもしれませんが、北九州市八幡西区の西、遠賀郡遠賀町、水巻町に隣接しており、かつては筑豊炭田の一角をなした場所で、炭鉱の閉山等により人口が大きく落ち込んだこともありましたが、最近は北九州都市圏のベッドタウンとして再生しているようです。市のほぼ中心を遠賀川が流れています。また丘陵はかつてのボタ山です。1889年に中間村と岩瀬村が合併し、長津村となり、1922年に町制施行で長津町、1924年に町名変更で中間町に、1932年に中間町と底井野村が合併、1958年に市制施行で中間市となりました。
赤い欄干の太鼓橋と垣生神社参道
この辺りは遠賀川の形成する肥沃な遠賀平野に位置し、古代より稲作が盛んだったことから、遠賀川式土器や弥生時代の農耕文化を伝える遺物が多数出土しています。垣生公園内にも古墳群(垣生羅漢百穴)があり、また約2000本の桜が咲き誇ることから市内外から多くの人々が集まる花見スポットとなっています。 訪問したときは整備の直後だったのか、大変美しい姿でした。デフレクターは切取式K-7です。
砂箱が角形、蒸気ドームが丸形という変形機です。半田駅横の265号機も同様の形態でした。
沖田祐作氏の機関車表による履歴では
1944-3-29 日本車輛名古屋工場 製番1521
当初配属先不明
1955-2頃 小倉工場で切取式除煙板K-7装備
1955-8-1現在 佐々
1962-3現在 佐々
1964-4-1現在 佐賀?
1970-9-1全検
1971-3-31現在 早岐
1972-3-31現在 熊本
1974-5-3行橋
1974-7-17休車
1974-8-20廃車 行橋 とあり、デフレクターは九州に転属してからのようです。
C11の中では247号機以降の4次形に属します。資材と工数の省略から砂箱、蒸気ドームとも角形がこのグループの特徴(戦時設計形)ですが、後年の装備改造で丸形に改造された機もあるようですが、260号機の場合は砂箱までは手が回らなかったのでしょうか?
- C11 22・23(製造番号268・269)
- C11 57・58(製造番号334 - 335)
- C11 69 - 71(製造番号336 - 338)
- C11 102 - 104(製造番号467 - 469)
- C11 110 - 112(製造番号486 - 488)
- C11 126 - 132(製造番号561 - 567)
- C11 215 - 246(製造番号973 - 984・1108 - 1119・1167 - 1174)
- C11 252 - 265(製造番号1221 - 1228・1251 - 1256)
- C11 268 - 381(製造番号1343 - 1372・1380 - 1408・1418 - 1472)
日本車輛製造でつくられたC11形は全部で180両で汽車製造の60両、川崎車輛の88両、日立製作所の53両に比べダントツに多い両数です。
九州のC11に見られる炭庫の前照灯脇の通風孔が特徴です。
他では広島イオンモール府中に保存されている189号機があり、同機の記事にありますがC12形でも通風孔を持つものがあります。
直方市の汽車倶楽部とは九州各地に保存されているSLの定期保守を行っておられるNPO法人でWEBサイトにその活動の様子があります。
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