日本工業大学工業技術博物館の2100形2109号機 その1
2017年11月の埼玉県宮代町の旅、今回は昨日の町役場から歩いて数分ところにある日本工業大学のキャンパス内にある工業技術博物館(11号館)内に保存されている2100形2109号機です。
2017/11/20
普段、2109号機が収納されている蒸気機関車館 展示運転用の線路が出ています。
1907年に創立した東京工科学校を運営する学校法人東工学園が工業高校出身者の受け皿となる大学の設立を目指し、1967年に開学した大学です。キャンパスは宮代町と東京神田にあり、基幹工学部、先進工学部、建築学部などの学部があります。
工業技術博物館は歴史的に価値ある産業の発展に貢献した工作機械等、250台以上の機械を機種別、製造年代順に展示しており、、工作機械の7割は動態保存で、一般に公開されています。
2100形蒸機はイギリスのダブス社が製造し、1890年に官設鉄道が輸入し、AC形154-164(偶数)と附番した6両、1891年に日本鉄道が輸入し、166-176(偶数)と附番した6両、さらに1894年に関西鉄道が輸入した3両、1903年にダブス社の後身のノース・ブリティッシュ・ロコモティブ社から輸入した2両があります。1909年の鉄道院の車両形式称号規程で官設鉄道の6両が2100-2105、日本鉄道の6両が2106-2111、関西鉄道の5両が2112-2116となりました。
2100形は性能が良好であったため、1898年から1905年にかけて、同形で動輪径の異なる2120形、ドイツ製の2400形、アメリカ製の2500形を輸入し、これら4形式をまとめてB6形としました。
主要諸元
全長 : 10,203mm
全高 : 3,658mm
軌間 : 1,067mm
車軸配置 : 0-6-2(C1)
動輪直径 : 1,219mm(1914年度版では1,245mm(2106 - 2111)、1924年版では1,250mm、1914年版以降1,270mm(2112 - 2116))
弁装置 : スチーブンソン式基本形(2115, 2116はアメリカ形)
シリンダー(直径×行程) : 406mm×610mm
ボイラー圧力 : 9.8kg/cm2(1924年版では11.3kg/cm2)
火格子面積 : 1.33m2(1924年版では1.31m2)
全伝熱面積 : 93.6m2(1924年版では92.9m2)
煙管蒸発伝熱面積 : 84.2m2
火室蒸発伝熱面積 : 9.4m2(1924年版では8.7m2)
ボイラー水容量 : 3.0m3
小煙管(直径×長サ×数) : 45mm×3140mm×192本
機関車運転整備重量 : 45.47t(1924年版では46.36t)
機関車空車重量 : 35.85t
機関車動輪上重量(運転整備時): 37.85t(1924年版では38.24t)
機関車動輪軸重(最大・第3動輪上): 12.70t(1924年版では12.93t(第2動輪上))
水タンク容量 : 7.73m3(1924年版では7.8m3)
燃料積載量: 1.65t(1924年版では1.9t)
機関車性能
シリンダ引張力 : 6,870kg
ブレーキ装置 : 手ブレーキ、真空ブレーキ
日本鉄道が輸入した2109号は国鉄で廃車された後、西濃鐡道に譲渡され1970年まで活躍、その後は大井川鐡道で動態保存蒸機の先駆けとして活躍、1993年に日本工業大学に寄贈され現在も月に一回の頻度で展示運転がなされています(コロナ禍の状況では休止かもしれませんが)。
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