西武9000系 9103Fの前照灯 LED化
既にTwitter等のSNSで話題になっていますが、3月24日に武蔵丘車両検修場を出場し、翌日から多摩湖線運用に就いた9103Fですが、就役からわずか1週間強の4月5日から前照灯をLED化されています。 2021/4/9 一橋学園 3枚とも
かつて運輸省令では鉄道車両の前照灯は「夜間の前部標識として前灯を上部に1個掲出する」と定められていました。「進行方向を照らす灯り」
というよりは「遠くから列車の存在を認識させるための灯り」としての役割に重点が置かれていました。
灯体の位置も当初の上部から最初に窓下に2灯を配置する方式にしたのは営団地下鉄丸の内線300形だったそうです。これは万が一電球が切れた場合に片方が切れたときに生きている片側で運転が継続できることと、最寄り駅まで運転して駅で電球交換が容易に行えることから採用されたそうです。
機材的にはフィラメントに電流を流し、ジュール熱による輻射を利用した白熱灯から、電極間のアーク放電による発光を利用したHID(high-Intensity discharge) ランプ、電界発光(Electroluminescence)効果による発光ダイオードを利用したLED(light emitting diode )ライトへと進化してきました。
HIDライトは1年程度で交換していますが、場合によっては3ヶ月で交換ということもありました。それに較べ、LEDではライトの寿命が10倍程度延びたそうです。消費電力も同程度の視認性で比較して70~80%の消費削減が見込めるとのことです。
そもそも乗り物へのLEDライトの使用は自動車のテールランプ・ブレーキランプへの使用が最初だそうです。これはLEDがブレーキ作動から点灯までの時間差が少ないこと、長寿命であるため高頻度の使用に耐えうることからだそうです。
西武鉄道では国分寺線や新宿線で運用されている2047Fが昨年8月頃からLED前照灯を装備していましたが、最近元のLEDタイプに戻されたそうです。ちなみに多摩湖線を走る他の9000系編成や2000N系編成に同様の動きはありません。
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B767−281様こんばんは。LEDは確かに自動車では最近当たり前になってきました。私は運転はしませんが、どうも眩しすぎるきらいがあります。あとウインカーにも使われている様ですが、あのチラチラした動き、どうも視認しにくい様に感じます。さて前照灯で思い出しましたが、151系(最初は20系)こだま型の開発に当たって、屋根の上にも一灯設けて計3灯となるので当時の運輸省に特別な許可をもらった、という話をどこかで読みました。多い分には別に構わないと思うのですが、決まりは決まり。今とは違う役所の堅さが良いなと思ったりします。
投稿: 細井忠邦 | 2021年4月12日 (月) 21時22分
細井忠邦さま、おはようございます。
151系のケース、中央線の狭小トンネル対応で、東海道で活躍した車両が転用された際,敢無く屋根上の前照灯は撤去されてしまいましたね。あの辺も運輸省の規定との関係はどうだったのか気になりますね。
今は役所、官僚が率先して規定違反,文書改ざんする時代になってしまいました。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2021年4月13日 (火) 05時55分