2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 4 北陸新幹線 高崎~軽井沢
本来、この区間は前回2018年の旅の逆ルートを辿る予定でしたが、武蔵野線電車の遅れのため、急遽、新幹線の利用となりました。
2021/4/3 高崎駅新幹線ホーム
同駅は2本のホームの中間に通過本線がある構造で、E7系などが減速することなく駆け抜けてゆきました。
上り線にはこの秋で引退となるE4系Maxの姿も
定刻にあさま303号が到着 F6編成でした。
高崎駅8:22発の「あさま603号」に乗車すると、8:30に安中榛名に停車、8:42に軽井沢に到着します。高崎から僅か、20分で軽井沢に到着します。新幹線開業前の1985年の時刻表で比較すると、上野を7:00に出発した「あさま1号3001M」は大宮7:22、高崎8:12、磯部8:27、横川8:42、軽井沢8:59となっています。碓氷峠時代は高崎から47分かかっていました。そのうちの17分が碓氷峠通過でした。
北陸新幹線は北海道新幹線(青森市~札幌市)、九州新幹線(福岡市~鹿児島市)、東北新幹線(盛岡市~青森市)、九州新幹線(福岡市~長崎市)の計5路線で整備新幹線として決定されました。
高崎~長野間のルートは両者を直線的に結ぶ鳥居峠経由の「長野原ルート」と信越本線に沿って進む「信越本線沿いルート」がが考案されましたが、前者は草津白根山に長大トンネルを建設する必要があることから施工は不可能となり、信越本線沿いルートとなりました。しかし、高崎~軽井沢間の標高差は840mあり、信越本線は碓氷峠を通過し、66.7‰の勾配でしたが、新幹線規格の12‰勾配で建設するためには延長70kmの迂回ルートとなるため、工費や所要時間の拡大が見込まれました。建設を担当する日本鉄道建設公団は高崎を出て左に進み、松井田駅上空を橋梁で通過、物見山の下をトンネルで抜け、佐久方面に抜ける南周りのルート案を当初考えましたが、これは軽井沢を経由しないため、国鉄が難色を示しました。最終的に高崎を出て、登り始め30‰の勾配で軽井沢に向かい、中間に途中駅を設けられるように1km程度の水平部分を設けるルートに決定しました。
以前、小諸駅の記事で触れましたが、北陸新幹線の高崎~軽井沢間は標準(フル規格)、軽井沢~長野間は新幹線直通線(ミニ新幹線)で建設する計画が当時の運輸省案でした。しかし、1990年の「整備新幹線着工等についての政府・与党申合わせ」において長野までのフル規格での建設が決定しました。
高崎を出発して8分で安中榛名に停車
高崎を起点として18.5kmの地点に設置されたのが安中榛名駅です。整備新幹線建設において、群馬県内の各自治体は県内に駅が設置されない場合は地方負担分の拠出に対応しないと主張していましたが、当初、新安中という名前で駅が企画されることになり、誕生したのがこの駅です。
JR東日本によるとこの駅の開業以来の1日平均乗降客は270人前後で北陸新幹線では最小、JR東日本管内の新幹線駅でもいわて沼宮内に次いで2番目に少ない駅となっています。いわて沼宮内駅の場合、IGRいわて銀河鉄道の乗降客が1日1000人程度あるので、新幹線と合算すると同駅が最少となります。駅周辺にはかつてはコンビニエンスストアがあったそうですが2013年に閉店し、それ以降商業施設は全くない状態となっています。榛名と駅名に冠されていますが観光地である榛名山に向かうバス等もありません。
東京発7:24で軽井沢着8:42、昔に比べるとずいぶん速くなったと感じます。
新幹線改札口には自動改札機も設置されており、どこか首都圏の駅と錯覚しそうです。
東海道新幹線は、富士川を境に50Hzと60Hzの商用交流周波数の違いを越えていますが、車両に供給される交流の周波数は60Hzに統一されていました。これは1964年当時の技術では車両側における周波数の切替が難しかったことによるせいですが、北陸新幹線においては高崎~金沢間において、軽井沢~佐久平間の新軽井沢き電区分所で東京電力から中部電力に切り替わり、周波数も50Hzから60Hzに切り替わります。さらに上越妙高~糸魚川間の新髙田き電区分所で東北電力から供給を受けるために50Hzになり、糸魚川~黒部宇奈月温泉間の新糸魚川き電区分所で北陸電力に切り替わり、周波数も再度、60Hzになります。
事故等で新上越変電所が供給を停止した場合は隣接する新長野変電所または新黒部変電所からの延長き電により60Hz電力が供給されることになっています.そのため,同区間にある新桑取補助き電区分所、新能生補助き電区分所、新梶屋敷補助き電区分所の電気設備は50Hz/60Hz両用となっているそうです(情報源)。
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