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2021年6月 7日 (月)

新型コロナウイルス 1回目のワクチン接種

私の在住する東京都小平市では65歳以上の市民に対し、6月3日木曜日から新型コロナウイルス集団接種の予約が開始されました。

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ワクチン接種に関しての情報を伝える小平市のWEBサイト

接種期間は6月5日から7月31日の月・火・土・日曜日(祝日・一部日程を除く)で、約23000回の接種分が用意され1回目は7月10日まで、7月11日から7月31日は2回目の接種に割り振られ、1日約600から800人分の接種枠が確保されているということでした。
接種会場は集団接種は喜平橋そばの文化学園大学小平キャンパス(上水南町3-2-1)、もしくはかかりつけの医院となっています。

6月3日午前9時からインターネット等で予約が開始されましたが、ストレス等を感じることなく、1回目は6月6日日曜日、14:30から15:00の枠、2回目は6月27日日曜日10:00から10:30の枠で予約が出来ました。

新型コロナウイルスとはどんなウイルスなのか、またワクチンはインフルエンザワクチンとはどのように違うのかなどについて触れてみようと思います。

新型コロナウイルスは一本鎖のRNAをゲノムとするウイルスでその塩基配列は2003年に見つかったSARSコロナウイルスと類似していたことから、国際ウイルス分類委員会(ICTV)はSARSコロナウイルス2型(SARS-CoV-2)と命名しました。

ニドウイルス目、コルニドウイルス亜目、コロナウイルス科、オルトコロナウイルス亜科βコロナウイルス属に分類され、
オルトコロナウイルス亜科はα、β、γ、δの4つの属を含んでいますがヒト病原ウイルスはαかβに属しています。2003年に見つかったSARS、2012年に見つかったMERSコロナウイルスはいずれもβに属しています。「コロナ」はウイルス粒子を電子顕微鏡で観察した際の形が日食の際に見られるコロナの形に似ていることから名付けられました。

S_20210606103001 新型コロナウイルスの構造模式図

大きさは直径100nmの球状で一本鎖RNAゲノムにNタンパク質が結合し、ヌクレオキャプシドが構成され、その外側に脂質二重膜のエンベロープがあります。エンベロープにはヒトACE2遺伝子産物(アンギオテンシンインベルターゼ2)を受容体として結合するS(スパイク)タンパク質、E,Mなどのタンパク質が存在しています。抗原検査ではNタンパク質の存在を、またPCR検査ではNタンパク質をコードするRNAの配列を検出しています。

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一本鎖RNAゲノムは約30,000塩基で5’端から約21,000がウイルス粒子に含まれない非構造タンパク質のRNAポリメラーゼ(RdRp)、それより3’端側の領域にS,E,M,Nなどの構造遺伝子がコードされています。またウイルスの増殖に必要と思われるアクセサリータンパク質がM、N遺伝子のそばにコードされています。

Photo_20210605210701 ヒト細胞に感染した後のウイルスの生活環(ライフサイクル)(この図は増田道明氏の論文、「新型コロナウイルスのウイルス学的特徴」から借用いたしました)。

1) スパイクタンパク質がACE2受容体と結合し、細胞内に侵入、エンベロープを脱ぎ、ゲノムRNAがmRNAの役割をしてRdRpを翻訳、ゲノムRNAを鋳型とした二重鎖RNAを生成

2)二重鎖RNAを鋳型にゲノムRNAの複製や構造遺伝子産物の転写・翻訳が行われ、ゲノムRNAと構造遺伝子産物がアセンブルしてウイルス粒子が形成、細胞から放出される。

ヒトの体においてウイルス受容体となるACE2タンパク質は上気道の粘膜上皮細胞や肺の肺胞上皮細胞で発現しているため、ウイルスの侵入は呼吸器系から始まること、さらに心臓、腎臓、腸管、血管内皮細胞でも発現しているため、ウイルスが血中に移行した場合にこれらの組織に症状が見られることになります。

RNAポリメラーゼを介したRNAの複製機構はDNAの複製のように修正機能が無いため、一回の複製でゲノム当たり1~2塩基の複製ミスが起こると言われています。コロナウイルスはRNA複製の校正(proof reading)機能を担うエキソヌクレアーゼを持っているため他のRNAウイルスに較べると変異頻度は低いとされています。そのため、30000塩基のゲノムが今日まで維持されてきたと思われています。

変異ウイルスとして注目されているのはいずれもスパイクタンパク質にアミノ酸変異を起こしたもので、ACE2との結合に重要な328から533アミノ酸残基による結合領域のうち、N501Y,E484K,K417T/Nなどの変異が知られています。

N501Y、E484Kを例に取ると、N501Yの場合は501番目(残基目)のアスパラギン酸(N)がチロシン(Y)へ、E484Kの場合は484番目(残基目)のグルタミン酸(E)(マイナス電荷)がリジン(K)(プラス電荷)に変化したもので、これまで見つかってきた英国株、南アフリカ株、ブラジル株のいずれにも見つかっており、E484Kは南アフリカ株、ブラジル株に見つかっているアミノ酸置換です。N501YではACE2タンパク質遺伝子と結合能力が上がるものと推測されています。一方、E484Kではヒトに感染した際に免疫機構の活性化を変化させる可能性(ワクチンの有効性を下げる可能性)が考えられています。最近、問題になっているインド株ではL452R、すなわち452番目のアミノ酸がロイシンからアルギニンに変化しています。このようにスパイクタンパク質はウイルスの宿主受容体タンパク質との結合能力、さらには宿主側の免疫機能の活性化に大きな関わりを持っていることが分かって来ました。

さてウイルスの増殖を抑え、ウイルス病蔓延に効果的なワクチンに関してですが、インフルエンザHAワクチンなどでは発育鶏卵内でウイルスを増殖させ、培養液を濃縮、エーテル処理し、ウイルス粒子を分解、脂質分を除去、防御抗原のHA画分浮遊液を採取、ホルマリンで不活化、緩衝液で濃度調整する方法で作製していました。いわば、ウイルスを丸ごと増殖させ、ウイルスの構造タンパク質を利用して来ました。一方、遺伝子工学的手法でスパイクタンパク質をコードするmRNA若しくは同等の配列を持ったDNAを作り、それらを保護的脂質シェル、若しくはヒトには無害なウイルスの殻で包んだものを溶液にしたのが新型コロナウイルスワクチンです。ファイザー製とモデルナ製が脂質膜、アストラゼネカ製がウイルスの殻に包まれています。製法の違いがワクチン製剤の保存条件の違い等になっています。接種後、ヒトの体内でスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する抗体産生や細胞性免疫応答が誘導されることで、新型コロナウイルスが万が一体内に侵入しても免疫機能が感染成立、ウイルスの増殖を抑制することが期待されます。

問題は既に見出されているE484Kのようなウイルス側の変異が既存のスパイク遺伝子情報に基づく防衛網を突破できるように変化した場合はワクチンが効かない事態が予測されます。ウイルスはヒトに感染し、増殖サイクルを回すことで、変異を起こし、ランダムに起きた変異の内、ウイルスの増殖にとって都合の良い変異(例えば一回のサイクルでより多くの子ウイルスを作ることが出来る、あるいはヒトの免疫防御系からの攻撃を受けずに増殖が出来る)が生き残って行きます。昨年、春のパンデミック以降、世界中でウイルスが増殖することで新たな変異株が発生し、今は当初見つかったタイプから変異型が主流となりつつありますが、如何に新規感染を抑え込むか、日本の場合は海外からの流入をいかに防ぐかの水際作戦が極めて重要ですが、昨年3月以降の政府の対応を見ているとそれがすべて後手後手に回っている感があります。ワクチン接種が如何に進んでも、ウイルスの新たな変異株が登場し、それが蔓延した場合は今あるワクチンが効かなくなるケースも十分に想定されます。

以下は6月6日、日曜日のワクチン接種1回目の様子です。

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小平市の集団接種会場となっている文化学園大学校舎、現在、大学は新都心キャンパス(渋谷区代々木)に移転しており、学校としての機能はしていません。学生寮のみが残されているそうです。

家から文化学園大学の会場までは徒歩で25分程なので、14:00に家を出ました。予定通り14:25分過ぎに到着すると、日本人は真面目な方が多いのか15:00からの枠なのに既に到着している方が結構います。会場は体育館と校舎に分かれており、私は校舎の方でした。入口で検温等を済ませ、最初の待合室に、受付の順番が来るまで15分ほど待ちました。受付では接種券、記入済みの問診票、さらにお薬手帳のチェックがあり、医師の問診待合室に案内されます。体調等に関する問診があり、いよいよ接種会場へ、注射は昔BCGの接種を受けたように腕のかなり上の方に受けました。接種後は通常15分もしくは30分の待機が求められますが、私の場合、血液サラサラの薬を服用している関係で30分の待機が求められました。

S_20210606170901 接種終了後、会場で手渡されるペーパー

体内に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードするmRNAが注入され、それがタンパク質に翻訳されると体の免疫系は未知のタンパク質の侵入を感知し、まずは自然免疫系のナチュラルキラー細部、マクロファージ、好中球、樹状細胞がウイルスに対して活動を開始し始めます。それが自分にとってはいろいろな違和感として感じられてきます。確かに接種直後は何ともなかったものの、2,3時間経過した現在、なんとなく熱っぽい、だるい感じがしています、果たしてこれが今後どうなって行くのか、様子を見て行きたく思います。
6月7日、起床時は注射をした左上腕部の筋肉痛を感じています。全身のだるさ等はありません。熱っぽくもありません。

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コメント

B767−281様 お早うございます。巷には出回っていないような詳しい解説ありがとうございます。また一回目の接種お疲れ様でした。私にはまだ回ってきませんが、正直どうしようか迷っています。それにしても本当にオリパラをやる気なのでしょうか。
言葉は悪いですがトチ狂っているとしか言いようがありません。まずは都議選ですね。

細井忠邦さま、おはようございます。

私もこれまでに新型コロナウイルスに関して分かってきたことについて自分の頭の中を整理する意味もあってまとめてみました。
専門用語等で不明の部分等あればご指摘ください。
最近は専門家部会の尾身会長が五輪開催に危険を指摘すると、政権側は越権行為だなどと言っており、さらに昨日の国会では首相は自分は主催者ではないなどとも発言したとか。まさに、太平洋戦争末期の誰もがきちんと責任を取らない時代とおなじじょうたいになっているように感じますね。

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