小名木川に沿って歩く その3 旧中川と大島小松川公園
昨日の記事で紹介した中川船番所資料館は旧中川の西岸、小名木川の北岸に建っています。 旧中川、小名木川、荒川ロックゲートの位置関係 Yahooの地図を利用させていただき作成しました
旧中川は現在は江戸川区平井7丁目で荒川から分岐し、江戸川区と墨田区、そして江戸川区と江東区の境界を蛇行しつつ南下し、江戸川区小松川1丁目で荒川に合流しています。地図で見てもかなり惰行・屈曲の多い川であることが分かります。
江戸時代以前の中川は埼玉県羽生市を上流とし、大落古利根川、元荒川、大場川を集め、水元・新宿・奥戸・平井を通り、江戸川に注いでいました。8代将軍吉宗の時代、水害から流域を守るため、1725年から14年間かけ、散在していた池や沼を利用し、ひとつの流れにしました。当時、屈曲が激しいことで「九十九曲り」と呼ばれ、やがて隅田川と江戸川の間を流れることから中川と呼ばれるようになったそうです。流路延長84km、流域面積100㎢の一級河川でした。 2021/8/31 荒川放水路 西岸からの眺め 橋梁は都営地下鉄新宿線のもの 荒川放水路と中川放水路の間の堤防に首都高速中央環状線が建設されています。
1907年に発生した大水害では下谷、浅草、本所、深川の4区で約6万戸に浸水被害を出し、1911年に荒川放水路の改修工事と、中川の開削工事が開始されました。1930年に荒川放水路、1931年に中川放水路(現中川)が完成し、川は分断され、1966年、分断された下流部が旧中川に改称となりました。 番所橋からみた小名木川と旧中川の合流点 この先に小松川閘門があり、荒川との水位の調整を行っていました。
江戸川区の大島小松川公園の風の広場には旧小松川閘門の遺構が残されています。
荒川放水路、中川放水路の完成で荒川と旧中川の水位差は最大3.1mになること、当時は水運ネットワークが盛んで船の通過のために小松川閘門、小名木川閘門(両門は1925年設置)、そして東岸に接続する新川のための船堀閘門(1930年設置)がありました。やがてこれらの水上交通は陸上交通にとって代わられ、閘門も廃止されました(小松川、小名木川は1976年、船堀は1979年)。
上の写真の案内図にあるように都立の防災公園である大島小松川公園の風の広場には旧小松川閘門のゲートの片方が残されています(情報はこちら)。3つの閘門の位置関係もサイトの地図で分かります。
閘門の廃止後、船の通行は不可でしたが、1995年の荒川ロックゲートの完成で再び可能となりました。
明日の記事では荒川ロックゲートについて触れます。
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