意外と奥が深い東武 50000系一族 その1 50000型 51001、51002編成
2004年に登場、2005年3月16日から東上線系統で運転を開始した東武50000系電車、東上線用50000型の他、本線(伊勢崎・日光線)から東京メトロ半蔵門線を経由して東急田園都市線に乗り入れる50050型、東上線から東京メトロ有楽町線・副都心線、さらには東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線に乗り入れる50070型、そして座席定員制列車TJライナー用50090型と細分化されています。
さらに型式間で全長が異なったり、製造年次によって全幅が違ったりしています。また30000系の移籍に対応するかのように50000型の51008編成が本線・半蔵門線乗り入れ系統に移籍していたりもしています。そういった50000系一族について触れようと思います。
製造時のコンセプトは「人と環境にやさしい次世代車両」でバリアフリー・省エネルギー・メンテナンスフリーを目指し、日立製作所の鉄道車両製作システム「A-train」すなわち、Advanced・Amenity・Ability・AluminumのAによる次世代アルミニウム合金車両システムを採用し。ダブルスキン構造で、摩擦攪拌接合法による溶接を行い、精度の高い仕上がりを図り、連結面は側構体と妻構体の接合部を三角形の断面構造となるようにしました。東武の通勤車でアルミ車体は初めてでした。また日立製作所製の車両は78系7860形以来46年ぶりとなりました。前頭部は普通鋼製の前面パネルをボルト固定で構体と接合しており、この工法は日立製の西武20000系と同様となっています。
2017/1/21 朝霞台 51001
2017/1/9 朝霞台
51001F: 前面非貫通 ライトケースは車体の下のラインと接しています
主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
全長 20,000 mm
全幅 2,876 mm(50000型3次車以降・50050型・50070型3次車以降は2,846 mm)
車体幅 2,800 mm 2,770 mm(50000型3次車以降・50050型・50070型3次車以降)
全高 4,080 mm(パンタ畳み高さ)
車体高 4,050 mm(冷房装置含み)
車体 アルミニウム合金(A-train)
台車 モノリンク式ボルスタレス台車 SS-167形・SS-067形
主電動機 かご形三相誘導電動機 TM-03形
主電動機出力 165 kW
駆動方式 CFRP製TD継手式平行カルダン
歯車比 98:15=6.53
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ・全電気ブレーキ
保安装置 50000型(51001F~51007F)・50090型:東武形ATS・T-DATC
50000型(51008F)・50050型:東武形ATS・新CS-ATC・ATC-P
50070型:東武形ATS・T-DATC・新CS-ATC・ATO・ATC-P
車両定員 先頭車 中間車 車椅子スペース付き中間車
51001・51002 139 153 154
51003以降 137 151 152
2017/1/21 川越市
2015/12/12 坂戸
51002F: 非常用貫通扉が設けられ、ライトケースも車体下辺から100mm上に設置されました。
50000型は5101Fから51009Fまで10両編成9本が製造されていますが、51001Fは正面非貫通式で落成、前面窓は大型1枚窓、前灯・尾灯ケースは下部に下げられた形態であるのに対し、51002F以降は50050型同様、非常用貫通扉を助手席側に設置し、乗務員室内に非常脱出用梯子が設置されました。前灯・尾灯ケースも車両床面から100mm高い位置に設置され、顔付が変化しました。以降はこれらが標準となりました。
50001Fと50002Fは車体幅2800mm、それ以降は50050型同様、「営団(現・東京地下鉄)11号線、東急田園都市線、東武伊勢崎線直通車両規格仕様」を満たす、2770mmとなりました。そのため、51003F以降の定員は全てのタイプで51001F,51002Fに較べ、2名減となっています。
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