国鉄近郊型スタイルの祖となった401,403,421,423,415系 その10 415系1500番台の登場
1986年3月のダイヤ改正での常磐線中電の輸送力増強として415系が増備されることになりました。1985年1月には軽量ステンレス車体・ボルスタレス台車・界磁添加励磁式改正ブレーキ・電気指令式空気ブレーキの205系・211系が誕生しており、415系増備車でもこれらの新系列で採用された新技術が取り入れられました。
制御方式は相変わらずの抵抗制御方式でしたが
(1) 継承ステンレス車体を採用し、軽量化・保守費の低減と寿命延伸を図る。
(2) アコモデーションを改善し、客室のスペースを可能な限り拡大する。
(3) ボルスタアンカー(揺れ枕)を省略した空気ばね台車(DT50C,TR235C)を履き、乗り心地の向上とばね下重量の軽量化を図る。
(4) 補助電源装置のブラシレスMG化、CPの三相駆動化で信頼性の向上、省力化を図る。 を基本的な考え方とし、従来車との併結可能を優先したため、空気ブレーキ方式は従来車のままとされました。ロングシート車を1500番台、セミクロスシート車を1700番台としました。
構体は軽量ステンレス、前頭部はFRP製化粧キセとし、車体幅は2950mm、床面高さは211系と同じ1180mmとし、飾り帯は青23号としました。CPは従来車では1000lタイプをTc・T車に搭載していましたが1500番台では2000lタイプとT'c・T'に搭載しました。車体の軽量ステンレス化で7t車重が軽量化したため、限流値を下げて対応しています。
415系1500番台 国鉄時代の製造予算と車体番号
国鉄時代には415系1500番台は1986年3月改正に向け常磐線中電増強用に8編成(1500番台のみで組成されたK525~K532編成)とK802編成7連化用にサハ411-1701が、九州地区には勝田電車区から南福岡区に転属となった500番台5編成(K513~K517)と1509~1527の13編成が投入されました。思えばこれ以降、九州地区には交直流電車の新製投入はありません。
2004/12/23 北小金 K525編成 411-1601+M'M-1501+411-1501
2001/6/3 牛久~佐貫(現、龍ケ崎市)K820編成 411-1603+M'M-1503+T-1701+M'M-723+411-1503
1500番台だけで構成された7連というのは終生、見なかったように思います。
2012/12/22 西小倉 1509編成
民営化を控えた1986年、九州総局では415系等の塗色を一新する機運が高まり、外部色は1986年3月に勝田区から転入した500番台と同じクリーム10号とし、帯色の検討が行われました。小倉工場で現車に塗装し、鋼製車は青23号に、ステンレス車は青26号に決まったとのことです。
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