通勤電車シリーズ 205系 3 東海道緩行線への投入、民営化後の山手線向け製造
国鉄時代末期、首都圏では埼京線の1985年9月30日の開業に続き、1986年3月3日には京葉線西船橋~千葉みなと間が暫定ながら開業しました。これに合わせて103系70両が山手電車区から京葉運輸区に転属になっており、その分、205系7編成が新製配置されました。
国鉄時代には首都圏の山手線以外に、7両編成4本が関西の東海道・山陽緩行線向けに明石電車区に投入されました。1986年11月1日のダイヤ改正から営業運転に入っていますが、こちらはATC機器非搭載タイプであったため、運転室背後の仕切りの厚さが80mmから50mmとなり、客室スペースが拡大しました。ラインカラーは京浜東北線と同じ「青22号」(スカイブルー)でしたが、帯色は「青24号」となりました。これら4編成の関西での活躍は2019年3月9日、10日、11日、12日の記事で触れいていますので、今回は触れません。
かくして国鉄時代には山手線用340両、東海道・山陽緩行線用28両が製造され、それぞれJR東日本、JR西日本に継承されました。
2002/4/27 田町 JRになって製造されたロットのうち、41,42編成は1990年代に川越区に転出したため、最も若い43編成
民営化後、JR東日本では山手線の103系を完全に205系に置き換えるため増備が続けられましたが、民営化したといっても経営見通しは決して明るいものではなかったため、車両の新製は極力抑えられ、新製する車両においてもコストを下げるための設計変更が行われました。その内容は
(1) 従来、編成中に3基搭載されていたMGを2基とし、非搭載となった中央のモハ204に、電源誘導装置を搭載する。
(2) 励磁装置を全波整流から半波整流方式にする。
(3) 主抵抗器の箱数を減らす。
(4) 客室荷棚を網棚からパイプ式にする。
既成車に関してもMG搭載数を減らし、余ったMGは新製車に回しました。
表 国鉄民営化後、山手線向け205系の製造、投入
20編成の新製で205系化は完了しました。車輛番号に関しては、1~34編成までは、クハは編成番号と同じ、モハユニットは(編成番号x3-2,-1,-0),サハは(編成番号x2-1,-0)という法則性がありましたが、関西に投入した4編成の分で法則性が崩れるのを嫌い、表のようにクハは41番から(39・40欠)、モハユニットは121番から(111~120欠、サハは81番から(73~80欠)となりました。
尚、41編成は新製配置後後、予備車見直しの関係で1990年に、42編成は1995年にそれぞれ山手電車区から川越電車区に転属となっています。
メーカ別にみるとこれら20編成は日立製作所、川崎重工、東急車両製造の3社だけで製造されています。
2002/4/27 五反田 60編成 山手線向け最終編成
山手線の205系化により、103系の1963年から四半世紀に及んだ山手線での活躍は1988年6月25日で終了し、品川電車区ではこれを記念するイベントが開催されました。さらに103系はこの時点でも非冷房車が残っていたため、205系化によって冷房化率が100%になったのもこのタイミングでした。車輛が統一されたため列車の運転速度向上も達成され、ラッシュ時の列車運転本数1本削減も実現されました。その結果、上記のように41編成が1990年7月に転属となりました。
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