通勤電車シリーズ 205系 18 E231系500番台(ヤテ501~503)の山手線への投入による動き part2 仙石線向け3100番台への改造
山手線にE231系500番台が投入されることによる205系の転配、いわゆる「大転配」、11両編成52本+1両の大所帯がどのように改造されながら他線区に移っていったか、纏め的書籍では書かれていないリアルタイムの時系列的な記録はないかと探してみたら、鉄道ファン誌の2002年8月号(通巻496号)から開始された連載記事「こちら首都圏205系情報局」がまさに求めていた情報源であることが分かり、本棚から引っ張り出して読んでいるところです。2002年から2005年頃の雑誌を見返しながら、20年前にはこんな車両がデビューし、またこんな列車が走っていたんだったと思い返しています。
205系の動きを年度で区切ってみてみると、
2001年(平成13年)度:6月にサハ204-902が川越区に転出、ハエ8編成に組み込み、捻出されたサハ205-161が鎌倉でクハ205-1101に改造、三鷹区のミツ14編成が京葉区へ(ケヨ21)、ミツ15,16編成は5,6号車が南武支線用クモハ205/204-1001,1002(ワ1、ワ2)に改造、残る8両は豊田区へ転出(E39,E40)、モハ・ユニットはVVVF化改造、5000番台に、山手区にE231系500番台3編成投入
2002年度(平成14年)度:205系3編成(ヤテ11、ヤテ15、ヤテ17)が運用離脱、6扉車は川越区へ、ヤテ11、ヤテ15の残り10両ずつは京葉区へ(ケヨ22、ケヨ23)、ヤテ17のサハを除いた8両は川越区へ(将来のハエ31)、サハ205-33,34は郡山工場、土崎工場へ、クハ205-3102、クハ204-3101化改造といった流れでした。
以上が昨日までの記事の復習になりますが、今回は仙石線に投入された3100番台4連の話題です。
表 仙石線 205系 3100番台
M1~M19まで緑で示した車両以外は、元山手電車区所属、山手線用に投入された側扉窓の小さい車両からの改造
仙石線の3100番台4連は2004年3月までに秋田(土崎)工場と郡山工場で改造されたM1~M18までの18本と南武線用に改造された6連(元クハ205/204-1203先頭のナハ48編成)を2009年10月に郡山工場で再改造したM19編成が活躍していましたが、東日本大震災でM-7,M-9編成が被災し、17編成体制となっています。
拙Blogの2019年8月20日から8月26日までの記事で2016年に仙石線を訪問した際の様子を纏めており、今回はそれらの記事では触れられていない点をピックアップしようと思います。
形式別にみると、
クハ205-3100番台:石巻方の先頭車で元はサハ205の先頭車化改造車で、先日のクハ205-1100、クモハ205-1000番台同様に妻面に強化フレーム、FRPを取り付け、前面ガラスは曲面ガラスを取り付けました。乗務員設備は209系やE231系同様の左手操作のワンハンドルマスコン方式となり、降雪地帯走行のため耐雪ブレーキが装備されました。車内には車いすスペース、E231系近郊型などに準じたトイレが設置され、手すり、非常警報、壁付式暖房装置が新設されました。
モハ205-3100番台:もともと中間電動車であるため、改造点は少なく、3112,3114,3116,3118に霜取り用パンタグラフが設置された点が大きく、2005年にはシングルアーム式のPS33Cに交換されました。
モハ204-3100:種車には補助電源がありませんでしたが、改造の際に103系から流用したSIVが床下に設置されました。CPの除湿装置にはヒータが付設されました。
クハ204-3100:トイレはありません。2008年から2009年にかけ、ATACS(Advanced Train Administration and Communications System)が搭載されました。
ATACSはJR東日本が開発した列車保安装置で従来、列車位置の検知は軌道回路を用いてきましたが、コンピュータネットワークの発展で無線通信を利用した列車位置の検知システムで、運転士の信号機の視認による運転操作から車両が無線信号を受信し、自らの位置を確認、制御するシステムの構築を目指したものです。軌道回路の維持、信号機のメンテナンスといった維持費がかかる部分が減り、業務にかかるコストを減らすことができます。余談ですが、先日、「自動運転の導入」や「駅の時計がこれからだんだん無くなってゆく」というニュースを目にしましたが、鉄道会社もコロナ時代に以下にコストダウンを進めるか考えているようです。仙石線では2011年10月10日から、あおば通~東塩釜間、埼京線では2017年11月4日から池袋~大宮間で導入されています。2036年までに首都圏全域での導入が目標とされています。
2019/10/22 小鶴新田 M1編成
2016/10/22 小鶴新田 M5編成 2wayシート編成
2016/10/22 西塩釜 M2編成 マンガッタンライナー2
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