2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 57 車両編 6600系 6000系の瀬戸線用バージョンとして登場
既に鬼籍に入っている車両ですが、瀬戸線専用車両として6000系とほぼ同じ仕様で導入された6600系について今回は触れようと思います。
名鉄瀬戸線は1月10日の記事にあるように1905年に瀬戸自動鉄道として開業、1939年に名鉄と合併、名鉄内ではローカル線扱いで架線電圧は長らく600Vで名鉄各線区で架線電圧を昇圧した際に捻出された小型車が集められ、大都市圏の通勤鉄道としては能力が不十分でした。
名古屋の地下鉄建設計画では瀬戸線は大曾根から地下鉄に乗り入れることになっていましたが、名古屋市は建設が具体化した後、瀬戸線との相互直通運転は実施しないと表明、1971年に名鉄が単独で栄町に乗り入れることが名古屋市との間で合意され、都心部は地下線となることも決定、これに合わせ1500V昇圧化も決定、1978年から栄町乗り入れが開始されました。
昇圧後の車両としては名古屋本線系統で急行や準急に使用されている3780系冷房車が転用されましたが、普通列車は急行や準急の間を待避することなく走行するための高加速性能が要求され、6000系をベースにした新車として6600系、2両編成6本、計12両が投入されました。
主要諸元
全長 18,950 mm
全幅 2,730 mm
全高 3,750 mm(集電装置なし)4,200 mm(集電装置あり)
車体 普通鋼
台車 FS398(電動台車)・FS098(付随台車)
主電動機 東洋電機製造 TDK-8050A
主電動機出力 150kW × 4基 / 両
直巻整流子電動機・端子電圧750V・定格回転数2,000rpm
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
制御方式 電動カム軸式弱め界磁付直並列抵抗制御
制御装置 CB-27C-55
保安装置 M式ATS
地下線区間を走行するため、当時運輸省が定めていた鉄道車両の出火対策基準である「A-A基準」に対応させた車両となっています。
導入当初は平均駅間が短いこと、短距離路線で平均乗車距離が短く、冷房搭載による新造・保守コストの上昇を考慮し、非冷房での導入でしたが、地下鉄も車両冷房の時代となり、廃車となったパノラマカー7000系の中間車から捻出された4,500 kcal/hの能力を有するTAC-15T2形が流用され、電源は補助電源装置を出力50 kVAのBS577C形 GTOインバータ装置に交換して対応しました。1985年に6602F、6603F、6604F、1988年に残りの編成も冷房化改造されました。 1988年には座席のロングシート化改造も行われました。
1986/12/6 尾張瀬戸
瀬戸線の列車が4連で運用されるようになってからは全車2編成併結で運用となり、瀬戸線近代化施策で2008年、4000系の登場で引退しました。
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