2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 50 車両編 6000系 その1 30年ぶりの3扉通勤車として登場、今では最後の抵抗制御車
再び、名鉄の車両の話題です。今回からは通勤型車両です。
名鉄では全金属製車体・カルダン駆動・発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ装備の車両郡をSR車と呼んでいます。SRはスーパーロマンスカーの略で、1955年登場の5000系(初代)(~1986)、貫通スタイルとなった5200系(1957~1987)、側面窓を2段式とし一般車として初めて冷房装置を搭載した5500系(1959~2005)、おなじみパノラマカーの7000系(1961~2009)、その改良型7500系(1963~2005)、展望部分を無くし平屋根車体とした7700系(1973~2010)、7000系の編成組換えで誕生した7100系(1984~2009)、本線急行サービスの向上を目指し、前面展望に配慮した5700・5300系(1986~2019)の2扉転換クロスシート車を狭義のSR車、それに加え、6000系、地下鉄線乗り入れ用100系、パノラマSuper1000系、その機器を流用した5000系(2代)を含め、広義のSR車としています。
世界一の自動車メーカーがあり、マイカー普及率が高い愛知・岐阜県下を走る名鉄としてはマイカー対策として冷房付きクロスシート車の導入が必要と考え、1961年に7000系を導入してから1972年までは7500系、7700系を含むパノラマカーのみを増備してきました。1973年のオイルショック以降、鉄道を利用する通勤客が急増し、朝のラッシュ時に7000系をはじめとする2扉SR車を運用するのは限界であると悟り、1975年、東急電鉄から3扉ロングシート車の3700系を購入し、3880系として運用、通勤輸送における3扉ロングシート車の収容力の高さが実証されました。1975年に本格的通勤車両の製造が決定、シートは相変わらずクロスシートとなりましたが、本格的3扉通勤車として1976年に登場したのが6000系でした。新造3扉車の登場は3550系以来、30年ぶりのことでした。
主要諸元
最高速度 100 km/h
110 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
全長 18,950 mm(ク6000・モ6200)18,830 mm (サ6100・モ6300・モ6450・モ6550)18,900 mm (ク6400)
全幅 2,730 mm
全高 3,880 mm(集電装置なし)4,200 mm(集電装置あり)
車体 普通鋼
台車 住友金属工業 FS398(6000系電動台車)
住友金属工業 FS098(6000系付随台車)
主電動機 東洋電機製造 TDK-8050A
主電動機出力 150 kW 4基 / 両
(TDK-8050A…直巻整流子電動機・端子電圧750 V・定格回転数2,000 rpm)
(TDK-8225A…複巻整流子電動機・端子電圧340 V・定格回転数1,700 rpm)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 85:14=6.07[5](6000系)
制御方式 抵抗制御
制御装置 電動カム軸式弱め界磁付直並列抵抗制御 CB-27C-55
制動装置 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)
保安装置 M式ATS
製造は日本車輛製造が担当、1976年から1985年までに4連と2連が登場、6000系として156両が製造されました。1977年には鉄道友の会より第20回ブルーリボン賞が授与されました。
4連で製造された6000系 1976年12月落成の1次車6編成から、3次を除き、1983年2月落成の8次車4編成まで26本が製造されました。青で示したように中間車が瀬戸線に転属した編成や既に廃車となった編成があります。
2連で製造された6000系編成 こちらは1978年11月落成の3次車から1985年10月落成の10次車まで、3,5,6,7,8,9,10次と26本が製造され、1995年の瀬戸線強化で6023F~6033Fが地下線乗り入れ対策を強化の上、転属しました。2011年3月26日のダイヤ改正で運用数が減少し、瀬戸線の6032編成が6000系、初の廃車となり、その後の4000系置き換えで2014年、瀬戸線の6000系は全廃となりました。2017年以降、更新修繕が行われなかった編成が廃車となっています。
6000系では4連と2連を系列名を分けずに通し番号とした結果、形式によっては欠番が生じ、編成替えでは改番するなど、ややこしい事態となりました。それに懲りてか、6500系以降では4連と2連は別系列名となりました。
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