2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 74 車両編 地下鉄線乗り入れ用 100・200系 その1
2022年夏の名古屋遠征、名鉄線ほぼ全線乗りつくしの旅で撮影した車両も最終盤にかかり、あと残すは地上線用はAL(Automatic Load Control)車の一部と2019年登場の9500系・9100系シリーズのみとなりましたが、これらを後に回し、その前に地下鉄線相互乗り入れ用の車両を紹介しようと思います。
名鉄の現行の車両形式附番規則によると
3桁 地下鉄直通車
1000番台 特急用車両(パノラマSuper系)
2000番台 特急用車両(空港アクセス用)
3000番台 通勤型車両(VVVFインバータ制御車)
4000番台 同上
5000番台 3扉高性能車(車体更新車)
6000番台 3扉高性能車
9000番台 通勤型車両(VVVFインバータ制御車) となっており、地下鉄直通車は100,200,300の系列番号が与えられています。
1950年代以降の高度経済成長期、豊田市は自動車産業の隆盛で人口が急増しましたが、名古屋市から豊田市に至る地域に鉄道はなく道路交通が主体となっていました。運輸大臣の諮問機関である都市交通審議会名古屋圏部会は1972年に名古屋市と豊田市を結ぶ総延長139kmの路線網を答申しました。名鉄は合併で取得した三河鉄道が有していた挙母と大曾根を結ぶ鉄道敷設権利のうち、地下鉄3号線と競合する八事と赤池の権利を名古屋市に譲渡し、赤池と豊田市間を名鉄が建設し、車両や設備の規格を合わせ、相互直通運転を行うこととしました。
相互乗り入れに関する共通規格として全長20m・4扉ロングシートという条件があり、1976年に登場した6000系をベースに地下鉄乗り入れ用に設計・製造されたのが100・200系でした。
主要諸元
最高運転速度 100 km/h(名鉄線内)75 km/h(地下鉄線内)
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
全長 20,000 mm
全幅 2,730 mm
全高 4,140 mm (集電装置付き)3,880 mm (集電装置なし)
車体 普通鋼
台車 住友金属工業 FS398A 住友金属工業 FS398B 住友金属工業 SS126D 住友金属工業 SS026D
主電動機 東洋電機製造 TDK-8200A 東洋電機製造 TDK-8201A 東洋電機製造 TDK-6380A
主電動機出力 100kW ×4基 / 両(TDK-8200A・TDK-8201A)170kW × 4基 / 両(TDK-6380A)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式 中実軸平行カルダン駆動方式(TDタイプ)
歯車比 85:14=6.07
制御方式 抵抗制御(1・2次車)界磁添加励磁制御(3・4次車)VVVFインバータ制御(5次車以降)
制御装置
三菱電機 ABFM-138-15MDHA(電動カム軸式弱め界磁付直並列抵抗制御)
三菱電機 ABFM-138-15MRH(回生ブレーキ付界磁添加励磁制御)
三菱電機 MAP-174-15V38(GTO素子VVVFインバータ制御)
三菱電機 MAP-174-15V236(IGBT素子VVVFインバータ制御)
制動装置 発電ブレーキ(回生ブレーキ)併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)
保安装置 M式ATS・車内信号式ATC
主要機器は6000系で実績のある機器を使用することで安定した性能と保守の便を図りました。1台の制御装置で8基の主電動機を制御する1C8M方式の多段制御で力行は起動1段・直列16段・並列8段・弱め界磁4段 、制動は17段とし、地下鉄線内では最高速度75km/hのため弱め界磁は3段までとしています。
名鉄100系・200系の編成と製造年次
当初はモ110+モ120+モ130+モ140のオール電動車4連で登場しましたが、1993年4月から登場した5次車2両を加えて6連化されました。また4次車登場の際に番号不足となり、100番台から200番台となっています。3次車から回生ブレーキが添加された界磁添加励磁制御方式となり、1994年7月に製造された編成からはGTO素子によるVVVF制御となり、形式も200系となりました。
3桁の形式のためこうした一見複雑な形式・系列名称となっています。
製造時による変化については次回の記事で触れます。
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