世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その12 国際線用としては最後のJT9D-7AWエンジン装備となったJA8129
cn21678 ln361として1979年2月24日に初飛行したJA8129はJALの国際線用747(B747-246B)として最後のJT9D-7A系エンジン搭載機であり、またアッパーデッキのサイズが従来の8窓から10窓に拡張され、座席数が増えた機体でもありました。
同機は1988年11月28日に日本アジア航空に売却され、日本航空にリースされた状態で活躍していましたが、1990年9月6日からはリースバックされ日本アジア航空所属機として活躍していました。ネットに残る事故の記録は以下の2件です。
1987年12月1日、JL797便として大阪国際空港(11時5分離陸)から上海空港に向け飛行中、12時40分頃、福江の西約360kmの公海上、高度24,000ftにて男性旅客68歳が食事中に食物をのどに詰まらせ死亡する事故がありました。機内食で出された肉の塊が気道を塞ぎ、窒息したものでした。
こちらは重大インシデントとして処理されたもので、2003年2月13日、JE201便として新東京国際空港を10:39に離陸、台北国際空港に向かってフライトレベル260から280へ上昇中、那覇市の北西約180nmの海上上空の12:56頃、大きな衝撃音とともに強い振動が発生、機外を点検すると第2エンジンのカウルに穴が開いているのが見つかりました。目的地を那覇空港に急遽変更し、13:40に着陸しました。同機には乗客298名、乗務員18名が搭乗していましたが負傷者はいませんでした。
当初、フライトレベル260で飛行していましたが、揺れを避けるためフライトレベルを280にしようとエンジンの推力を上げた際にドンという衝撃音が発生し、No.2エンジンの排気ガス温度(EGT)が急激に上昇し、機長は第2エンジンを停止しました。
着陸後、エンジンの検査を行ったところNo.2 エンジンのNo.35ファン・ブレードが取り付け部から約19cmのところで破断しており、破断した破片は3個以上に分断されており、最も付根の部分(長さ20㎝)はファンブレード後方の整流版の間で発見され、先端から10cmの部分はノーズ・カウル内側に突き刺さっており、残り21cmに部分は回収されませんでした。No.35以外のファン・ブレードに関しても殆どが損傷していました。
ファン・ブレードの破断面を光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型成分分析装置を使用して調査した結果、疲労破壊特有の痕跡(ビーチマーク)が発見され、衝撃的なせん断力等による引きちぎられたような状態、もしくは摩耗が見つかりました。
2003/6/7 NRT
2003年12月15日、日本アジア航空からオリエント・タイ航空に売却され、HS-UTJとして再登録されました。2005年12月にはストア状態となり、2011年1月、Bangkokにて解体されました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« EF210-2号機を府中本町にて5082レで撮影 | トップページ | 「赤電」になったE531系、K423編成を田町にて撮影 »
「旅客機 Boeing 747」カテゴリの記事
- 国内線の航空需要を満たすため導入されたANAのB747SR-81 3 JA8136(2025.01.10)
- 国内線の航空需要を満たすため導入されたANAのB747SR-81 2 JA8135(2024.12.20)
- 国内線の航空需要を満たすため導入されたANAのB747SR-81 1 初号機、2号機 JA8133、JA8134(2024.12.13)
- 世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その94 34機目の-446 最後の747となったJA8922(2024.11.29)
- 世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その93 33機目の-446 JA8921(2024.11.22)
« EF210-2号機を府中本町にて5082レで撮影 | トップページ | 「赤電」になったE531系、K423編成を田町にて撮影 »
コメント