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2023年5月31日 (水)

西武鉄道 20000系 「スタジオツアー東京エクスプレス」ラッピング編成、2編成を撮影

昨日の記事にあるように、豊島園の跡地に開園するハリー・ポッターの屋内型テーマ施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ ハリー・ポッター」にちなんで20000系8両編成(20050系)がラッピングトレイン化されています。5月15日20152F5月22日20153F、そして5月29日20158Fがいずれも南入曽車両基地での作業を終え、所属する小手指基地に回送され、営業運転に就くといった形になっています。

20000-20052-201212 2020/12/12 西所沢 20152F

20000-20152-stte-230526 2023/5/26 東長崎

20000-20152-stte-230526_20230530042601 20000-20152-stte-230526-2 2023/5/26 豊島園

20000-20152-stte-230526_20230530042602 2023/5/26 豊島園 車内の様子 広告類はすべてハリーポッター関連でした。

そして20153Fは保谷駅で約45分の折り返しのタイミングを狙って撮影しました。

20000-20153-200327 2020/3/27 井荻

20000-20053-stte-230529-2 2023/5/29 保谷 
5717レで保谷に13:44到着後、電留線に入線、14:32の同駅発5734レまでしばしの休憩

20000-20053-stte-230529-6 14:31 2番線に入線

20000-20053-stte-230529-9 001系 特急列車をやり過ごしてから

20000-20153-stte-230529 5734レとして池袋へ

この撮影を終えて、所沢に向かった際に、南入曽基地から小手指基地に回送される「3本目」をチラッと目撃しました。

明日からは九州に旅行となるため、今週はこれで終わりとなります。

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2023年5月30日 (火)

西武鉄道創立110周年記念トレイン、両先頭車側面に5560と社紋が

2020年8月31日を以って豊島園は93年の歴史の幕を閉じましたが、その跡地に2023年6月16日、ハリー・ポッターの屋内型テーマ施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ ハリー・ポッター」が開業予定だそうです。私個人としてはこういったテーマパークには全く興味がなく、未だにディズニーランド(東京、フロリダ、上海etc)もUSJも近くまでは行っているものの、中に入ったことはありません(笑)。唯一、入ったことがあるのは長崎・佐世保のハウステンボスくらいです。
 余談はさておき、その関係で豊島園駅が改装されたというのと、20000系20152Fと20153Fがラッピング電車になったということで久しぶりに西武池袋線に乗車し、撮影に向かいました。

2023-230526 2023/5/26 西武・電車フェスタ2023のポスター

車内には6月3日土曜日、武蔵丘検修場で開催される「西武・電車フェスタ2023」の広告が掲示されており、それを何気なく見ていて、今年1月にデビューした「西武鉄道110周年記念トレインの車体側面に見慣れぬ数字が描かれているのに気づきました。

2000n-8-2070-230127-21 2023/1/27 練馬

登場直後に撮影した写真では何も描かれてはいませんでしたが、後日、検査等で入場した際にデハ5560形を意味する5560という数字と当時の武蔵野鉄道の社紋が両端先頭車両(2069,2070)に描かれたのかと思います。

2000n-8-2069-230526-5 2000n-8-2069-230526-4 2000n-8-2069-230526-3 2023/5/23 東長崎 同駅で急行を待避する2069F、車体側面の車体番号と社紋

同日、2000N系2069編成が運用に入っており、東長崎で撮影することが出来、さらに乗車して豊島園までゆきました。

ネットの記事を調べると、3月中旬に車号と社紋が付け加えられ、3月26日には武蔵丘車両基地で「2069F武蔵野鉄道時代の社紋・車号イミテーションマークお披露目会」が開催されていたことが分かりました。

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2023年5月29日 (月)

381系以来となったアルミ車体の振り子式電車特急 885系 その2 2次車としてソニック用編成の登場

2000年に「白いかもめ」としてデビューした885系、翌年には「ソニック」増発用の第2次車が登場しました。わたしはこの頃、プロジェクト研究の関係で頻繁に九州を訪れる機会があり、ソニック用に883系ではなく885系が増備されたと聞き、多少違和感を感じた覚えがありました。


885-sm11-020315


2002/3/15 博多駅で並んだ「白いかもめ」(SM6編成)と「白いソニック」(SM11)編成 デビュー直後の白いソニックはまだ5両編成


88512
885系 第1次車と第2次車


885-sm8-071216 2007/12/16 スペースワールド SM8編成


885-rsm9-110127 2011/1/27 名島 SM9編成

885-sm10-100830 2010/8/30 竹下 485系RED EXPRESSと並んだSM10編成

885-sm11-110127 2011/1/27 名島橋梁 SM11編成

「ソニック」用第2次車は「かもめ」用第1次車の白い車体に黄色の帯から、ブルーの帯となり、編成両数も5両での登場となり、SM8~SM11の4編成20両の登場となりました。モハ885形が第1次車では0番台(クモハとペアを組む5号車)、100番台(2号車)であったのに対して第2次車では200番台が100番台に代わって製造されました。


 


885-2022
2022年時点での885系 編成表



2003年には「ソニック」の6両編成化でサハ885形300番台301~304が製造され、SM8~SM11編成に組み込まれました。


885-sm3-051210-2 2005/12/10 香椎 事故後、3両が代替新製されたSM3編成 ワイパーが2連になっているのが特徴

先日の記事にもあるように2003年7月18日、SM3編成が脱線転覆事故に遭遇し、博多よりの3両クモハ885-3・モハ885-3・サハ885-3)が事故廃車となったため、2004年に代替車として400番台車:クモハ885-403・モハ885-403・サハ885-403が新製されました。


885-sm1-121222-2 2012/12/22 西小倉 青帯となり「ソニック」運用に入ったSM1編成

885系編成は「かもめ」用黄色、「ソニック」用青色と帯やエンブレムで区別していましたが、両者とも6連となり、車両運用上からも区別して運用するよりすべて一緒にしてしまった方が効率が良いので2010年12月にSM5編成は帯色を黄色から青色に変更したのを嚆矢に、2012年6月までに第1次車全編成が青帯に変更されました。

885系も登場から20年以上が経過し、リニューアルの時期を迎えています。使用列車も「かもめ」「きらめき」(2000年3月 - 2005年3月・2008年7月 - 2009年3月) 「ソニック」から、2002年には「みどり」と増えましたが、2022年9月23日のダイヤ改正における西九州新幹線の部分開業で「かもめ」は廃止され、現行ダイヤでは「リレーかもめ」「みどり」「かささぎ」「ソニック」を担当しています。今週、後半の九州旅行ではその辺の現状もしっかり見てこようと思います。

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2023年5月26日 (金)

世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その17 JT9D-7Qエンジンの威力で長距離路線で活躍した JA8141

1979年12月4日JA8141として登録されたcn22065 ln411のB747-246Bは当初、南米線から北回りヨーロッパ線(アンカレジ経由)、東南アジア線に投入され、1987年11月にはJA8140同様に衛星通信電話を装備しました。1995年にはスーパーリゾートエクスプレス塗装(紫)となり、その後、通常塗装、最後はJJアーク塗装にもなっています。

Ja8141-jal-b747246b-cn22065-ln411-941223 1994/12/23 NRT

Ja8141-jal-b747246b-cn22065-ln411-980214 1998/2/14 NRT リゾートエクスプレス(紫)塗装

Ja8141-jal-b747246b-cn22065-ln411-000807 2000/8/7 NRT

2007年5月1日、カリッタ・エアーに売却され、N744CKと登録されますが、2008年7月にストア状態となり、解体されています。

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2023年5月25日 (木)

381系以来となったアルミ車体の振り子式電車特急 885系 その1 「白いかもめ」の登場

2000年3月11日のダイヤ改正で長崎本線特急「かもめ」に投入されたのが885系でした。

1975年3月10日の新幹線博多開業のダイヤ改正で山陽・鹿児島本線の特急列車は大きな変化を遂げましたが、長崎本線、佐世保線に関してはキハ80系特急「かもめ」は廃止されましたが、電化工事が進展中であったこともあり、1976年7月1日、電化の完成で電車特急「かもめ」「みどり」がデビューするまでは昼行特急ゼロの状態が続きました。同改正で急行「出島」を格上げし、南福岡電車区配置の485系8連TcM'MTsTM'MTc7本が「かもめ」7往復に、同4連TcM'MTsc7本が「みどり」6往復、「かもめ」併結1往復に投入され、長崎特急「かもめ」の時代が始まりました

1989年3月11日のダイヤ改正では2往復にハイパーサルーン783系が投入され、翌1990年3月10日の改正では783系充当の「かもめ」5往復を「ハイパーかもめ」に、また改正数日前からは赤く塗装した485系を使用した「KAMOME EXPRESS」が走り始めました。1994年3月1日からは787系も「かもめ」に投入されました。

そして2000年3月11日、「かもめ」は長崎駅発着24往復
肥前山口駅発着(101・102号)1往復、佐賀駅発着(103・104号)1往復の計26往復となり、885系は長崎駅発着の単独運転の列車16往復(48号を除く)および103・104号に充当され、「白いかもめ」と案内されるようになり、「みどり」併結列車および48・101・102号は783系とし、485系は「かもめ」から撤退しました。

885-020404

2002/4/4 諫早 885系 「白いかもめ」のエンブレム

885-sm1-081208
2008/12/8 西小倉 SM1編成 1次車の特徴はフロントガラスの3連ワイパーです。

主要諸元

最高運転速度 130 km/h(曲線通過 +30 km/h)
設計最高速度 150 km/h(曲線通過 +40 km/h)
起動加速度 2.2 km/h/s
減速度(常用) 4.3 km/h/s
減速度(非常) 5.2 km/h/s
編成定員 314名(6両編成)
編成重量 228.4 t
全長 20,500 mm 21,650 mm (先頭車)
全幅 2,910 mm
全高 3,825 mm
車体 アルミニウム合金 (A-train)
主電動機 かご形三相誘導電動機
駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
編成出力 190kW×12=2,280kW (3M3T)
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-SK、ATS-DK

885系は883系増結車(第5次車)で触れましたが車体は日立製作所のモジュール構体システム「A-train」を採用し、摩擦撹拌方式(Friction Stir Welding)でアルミを溶接、製造したダブルスキン構造のアルミ合金製となっており、ダブルスキンの内部には制振材が挿入されており、床面上部にも張り付けられていることで騒音が抑制されています。
側面窓は883系に較べ小型化され、UVカットガラスが入れられました。乗降扉も900mmと狭くなりましたが床面高さを低くしたため出入り台のステップはなくなりました。

411-090421-lichterfeldeost3
2009/4/21 Lichterfelde-Ost ICE T 411形

前照灯のデザインはAudi・TTのものを基にし、前頭部の形態はドイツのICEのデザイナーAlexander Neumeister氏の了承を得てデザインされたものであるとのことです。ちなみにAlexander Neumeister氏は日本の鉄道車両では新幹線500系、E954形(FASTECH 360 S)、福岡市交通局3000系、東京メトロ10000系等のデザインを手掛けています。

885-sm2-051210 2005/12/10 香椎 SM2編成

885-sm3-030522 2003/5/22 諫早 SM3編成 
この写真の2か月弱後の7月18日、同編成は「かもめ46号」として運転中、肥前長田駅~小江駅間で大雨により線路横ののり面から線路上に崩れた岩石に衝突し、脱線転覆、運転士と乗客36名が重軽傷を負い、損傷の激しかったクモハ885-3・モハ885-3・サハ885-3の3両は事故現場が水田で重機が搬入できないことから、やむなく車両を現場で解体することになり、約半年後に-403として3両が代替新製されました。

885-sm4-051206 2005/12/6 海老津 SM4編成

885-sm5-020404 2002/4/4 諫早 SM5編成

車内の特徴は全席リクライニングシート、本革張りとしたことです。しかし、汚れの付着問題があり、後年、モケット張りに変更されました。側面化粧板は白色、床はフローリングとした点もユニークです。客室中央部のセンターブースは廃止され、その代わりにデッキの面積が広くなり、車端部にコモンスペースが設けられ縦長の窓が設置されました。

主回路は815系をベースにしたVVVFインバータ制御方式で、IGBT素子によるPWMコンバータ+VVVFインバータ方式となっています。

885-sm6-020315 2002/3/15 博多 SM6編成

885-sm7-010323 2001/3/23 博多 SM7編成

2000年2月から3月にかけ、クモハ885-1~7、モハ885-1~7、-101~107、クロハ885-1~7、サハ885-1~7、-101~107の42両(第1次車)が日立製作所で製造され、ThscMTTMMcの6両編成7本、SM1~SM7に組成され、冒頭にも記しましたが「かもめ」17往復(臨時+0.5)、「ソニック」2往復に投入されました。第1次車は白いボディに黄色の帯でした。

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2023年5月24日 (水)

JR九州初の振り子式電車883系 その2 リニューアル、全編成が7両に

883系は博多~大分間という比較的短距離で、かつ新幹線の開業とは縁のない区間を担当しているため、1995年のデビュー以来、783系787系が経験したような移動を経験せずに順調に列車本数を増やし時間が経過している感があります。

第1次車から第4次車までの編成に施工された改造を以下に列挙すると、

登場当初は下枠交差型のPS401Kパンタグラフを搭載していましたが、2000年3月6日、AO2編成の6号車のパンタグラフがシングルアームタイプのPS401KAに換装されたのを嚆矢に同月中に全編成のパンタグラフが同タイプに交換されました。

2000年12月から2002年8月にかけ、踏切衝突事故対策として前面排障器株にバンパーが装着されました。

883系の振子装置は制御付き自然振子方式で、クロハ882形に設置されたコマンド・コントローラー(CC装置)と繋がる地点検知車上子がATS地上子を検知し、予めセットされている路線情報に基づき自車位置と曲線の入口・出口を距離演算して割り出し、CC装置から各車両に取り付けられているチルト・コントローラー(TC装置)に傾斜タイミングの指令を転送し、TC装置が車体の傾斜を制御する仕組みで、振子機構はコロ式となっています。第1次車からだ3次車までの台車吊り受け装置に関しては、2002年から2003年にかけて改良が加えられました。

2003年6月から2004年3月にかけ、クロハ882に文字放送受信装置が設置されました。これにより「見えるラジオ」の配信が開始されましたが、2014年3月31日に同サービスは終了しました。

ATSのデジタル化に伴い、2010年6月から2011年7月にかけ、ATS-SKからATS-DKへの換装が行われました。

乗客の要望により2014年6月から2015年7月にかけ、客室内にラゲージラックの取り付けが進められ、7号車の車端部AB席、他の号車は車端部CD席が欠番となりました。

883

登場から10年以上が経過した2005年3月、車両検査に合わせ、リニューアルが施工され、外観はステンレス無塗装からインディコブルーメタリックに塗装され、車内はカラフルな内装からシックな内装になりました。

883-ao1-071216 2007/12/16 スペースワールド AO1編成

883-ao3-100830-2 2010/8/30 香椎 AO3編成

883-ao5-121222 2012/12/2 西小倉 AO5編成

2008年7月、それまで5連だった第4次車、3編成(AO5~7)に2両の増結編成が増備され、7連化されました。形式はモハ883形1000番台・サハ883形1000番台で日立製作所がアルミ合金車体製造(A-train)に特化したため、ステンレス車体ではなく885系と同じアルミ合金製となり、番台も1000番台となりました。また中間電動車のモハにパンタグラフが設置されている点も従来の方式とは異なります。この増結でAO6~8編成はAO16~18編成になりました。

883-ao16-110127 2011/1/27 多々良川橋梁 AO16編成

883-ao17-110127-2 2011/1/27 多々良踏切 AO17編成

883-ao18-121222-3 2012/12/22 西小倉 AO18編成

2両の増結車は写真でも容易に判別が出来ます。
全編成7両化でThscTMTMTMcが5本、ThscTMMTTMcが3本という構成になり、2008年7月18日より、営業運転に投入されましたが、このときからは区別なく、「ソニック」20往復に投入されました。

2012年3月17日のダイヤ改正では「ソニック」21往復(臨時2)と定期列車が増えましたが、2021年3月13日のダイヤ改正では14往復(臨時4)となり、2022年9月23日の西九州新幹線開業のダイヤ改正では18往復(臨時1)となっています。

冒頭にも記したように日豊本線の特急列車で新幹線の開業で職を追われることはありませんが、登場から再来年で30年が経過することを考えるとそろそろ後継に道を譲る時期が近いかもしれません。

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2023年5月23日 (火)

JR九州初の振り子式電車883系 その1 2005年のリニューアル前まで

JR九州の電車特急シリーズ、783系、787系に続き、博多~大分間の特急「ソニックにちりん」用に1995年4月20日のダイヤ改正から投入されたのが883系でした。

883-ao1-051206

2005/12/6 スペースワールド AO1編成 

883-ao2-030712-2 2003/7/12 香椎 AO2編成 これらは1次車で前照灯は5か所点灯します。

883-ao3-041018 2004/10/18 下曽根 AO3編成 2次車、これ以降は前照灯の点灯は4か所にパネルはルーバー状に

特急「つばめ」の名称復活に合わせ、グレーツートンの荘重なイメージで登場した787系とは打って変わり、無塗装のステンレスボディにSONICと大きな文字をあしらい、車内の腰掛には大きな耳型ヘッドレストを装備するなど話題性に富んだ車両となりました。
 車両デザインは水戸岡鋭治が手掛け、製造は日立製作所が担当しました。1994年から2008年にかけ7両編成8本、計56両が製造されました。1995年10月1日にグッドデザイン商品に選定、1996年5月31日にブルーリボン賞、6月21日にブルネル賞長距離部門大賞を受賞しました。

主要諸元
最高運転速度 130 km/h(曲線通過 +30 km/h)
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.2 km/h/s
編成定員 334/342人(普)+15人(グ)=349/357人
編成重量 264.3 t 188.6t
全長 21,700 mm (20,500 mm)
全幅 2,850 mm
全高 3,580 mm
車体 ステンレス (前頭部のみ普通鋼)
主電動機 かご形三相誘導電動機
駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
編成出力 190 kW×12= 2,280 kW
190 kW×8= 1,520 kW
制御方式 GTO素子VVVFインバータ制御 IGBT素子VVVFインバータ制御(1000番台)
制御装置 東芝製PC401K
制動装置 発電ブレーキ、電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-SK、ATS-DK

1995年当時、鉄道のライバルである高速道路網は大分自動車が全線開通を目前に控えていましたが、日豊本線は曲線が多く、また同線に運用されていた485系はかなり老朽化も進み、メンテナンスも行き届いていない状態となっていました。こういった状況を打破し、高速バスとの競争に打ち勝つためにまず振り子式を採用し、スピードアップすること、そして奇抜なデザインにより話題性を獲得することを重要視し、787系「つばめ」プロジェクトで成功していた水戸岡氏にデザインを依頼、787系では抑えられていた色彩から一転し、赤・青・黄・緑などの原色を用いたポップカルチャーが取り込まれた車両として883系が登場しました。

車体は軽量ステンレス製、前頭部は非貫通構造の鋼鉄製で水戸岡はイタリアのデザイナー・マルチェロ・ガンディーニがデザインしたトラックを参考に883系の顔をデザインし、ブルーメタリックに塗装しました。また前頭部には別パーツのパネルが装着されており、当初は編成ごとにパネルの形状や色が異なりました。

783系は1M方式、787系はMM'(奇数・偶数の関係は通常とは逆)方式だったのに対して883系はM-TA方式、制御電動車のクモハまたは中間電動車のモハと交流用機器とパンタグラフを積む付随車のサハの2両で1つのユニットを組む方式としました。

列車内は「つながった街並としての車両を作っていきたい」という水戸岡の発想から、2・4号車の車端部に設置されているコモンスペースは「公園」、デッキは「人の集まる広場」と位置付けられ、車内の仕切りにはガラスが用いられ、2時間の短距離輸送なのでビュッフェは設置されませんでしたが、コモンスペースが設置され、車販の拠点となるクルーズルームも設けられました。

機器回路の構成は813系に準じており、制御方式はサイリスタ位相制御と東芝製GTO素子によるVVVFインバータ制御で1C4M方式となりました。

883-8824-020315-2 2002/3/15 博多 AO4編成 第3次車はフェンダーミラーが黄色に、連結器カバー、ワイパーカバーが赤色に塗装されました。

883-ao5-051208 2005/12/8 香椎 AO5編成 リニューアル後の写真

1994年8月にクモハ883-1~2、モハ883-101,102,201,202、サハ883-1,2,101,102,201,202、クロハ882-1,2の4形式14両(第1次車)、1995年2月に クモハ883-3、モハ883-103,203、サハ883-3,103,203、クロハ882-3の7両(第2次車)が大分運転所に新製配置、ThscTMTMTMc7両編成3本に組成され、1995年4月20日のダイヤ改正から「ソニックにちりん」4往復に投入されました。
 クモハ883には主電動機と制御装置が搭載され定員は48名。
 モハ883,100番台は5号車で定員56名。
 モハ883,200番台はクルーズルームがあり、定員44名。
 サハ883、パンタグラフ、交流関係機器、補助電源装置、CPを搭載し、0番台は6号車で乗務員室があり、定員56名、100番台は4号車でコモンスペース設置、定員56名。200番台は2号車でコモンスペース(AO1~5編成では携帯電話スペース)を設置、定員56名。
 クロハ882、補助電源装置を搭載した半室グリーン車で車体中央にデッキと乗降扉があり、定員15+18名。

1996年2月にはクモハ883-4,5、モハ883-104,105,204,205、サハ883-4,5,104,105,204,205、クロハ882-4,5(第3次車)が増備され、7両編成5本となり、「ソニックにちりん」9往復に投入されました。

883-ao6-051209-2

2005/12/9 西小倉 AO6編成 リニューアル後

883-ao7-051208 2005/12/8 香椎 AO7編成

883-ao8-051206 2005/12/6 海老津 AO8編成 リニューアル後

1997年2月にもクモハ883-6~8、モハ883-206~208、サハ883-6~8,206~208、クロハ882-6~8(第4次車)が増備され、5両編成ThscTMTMcが同年3月22日のダイヤ改正では名称変更された「ソニック」6往復に投入されました。

20020401883
2002年4月1日時点の大分運輸センター配置883系編成表 大分運輸センターは1999年12月1日に大分電車区から名称変更
当時、同センターには883系の他、485系が14両、815系が18両、717系が2両、457系が27両、415系が24両配置されていました。

以後、ダイヤ改正毎に「ソニック」が増発されてゆき、1999年3月13日の改正では7連による9往復、5連による7往復、2000年3月11日のダイヤ改正では7連による11往復、5連による7往復、2001年3月3日の改正では7連による11往復、5連による8往復、2005年3月1日改正では7連による12往復、5連による8往復、2008年3月15日のダイヤ改正では5連による「きらめき」0.5往復も設定されました。

2005年、登場から10年を経過したのを契機に車両検査のタイミングでリニューアルが行われました。リニューアルと4次車(1000番台)増備による、5連の7連化については明日の記事で触れます。

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2023年5月22日 (月)

5月12日 羽田空港にて その2 ANAの鬼滅の刃 スペマー「鬼滅の刃 じぇっと -壱・弐・参-」

ANAは2021年12月から人気アニメ(といっても私は一度も見たことありませんが)「鬼滅の刃」とタイアップし、2022年1月、3月Boeing767-381ERにスペシャルマーキングを施し「鬼滅の刃じぇっと - 壱 -」(JA616A)、「鬼滅の刃じぇっと - 弐 -」(JA608A)としてデビューさせました。

Ja616a-boeing-767381er-35876-953-170514-2017/5/14 HND T3 JA616A B767-381ER cn35876 ln953

Ja616a-230512-hnd 2023/5/12 HND T3

Ja616a-220405-hnd6 2022/4/5 HND T2

JA616A1月30日、成田空港発着のチャーター便でデビュー、

Ja608a-boeing-767381er-32977-886-170512-

2017/5/12 NRT T1 JA608A Boeing767-381ER cn32977 ln886

Ja608a-220405-hnd2

Ja608a-220405-hnd_202305211044012022/4/5 HND T2

JA608A3月26日の羽田~広島NH671便から営業運航を開始しました。

Ja745a-boeing-777281er-40904-1112-1704152017/4/15 HND T2 JA745A Boeing 777-281ER cn40904 ln1112

Ja745a-230512-hnd2023/5/12 HND T3

そして3号機はBoeing777-281ERJA745Aが白塗りとなり、10月3日、羽田~福岡NH241便がら営業運航を開始しました。

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2023年5月19日 (金)

世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その16 初めて首相専用機に使用されたJA8140

cn22064 ln407として製造され、1979年11月9日JA8140として登録されたB747-246Bは、JA8101以来、JALが独占してきた番号が初めてスキップしたケースでした。JA8133からJA8139まではANAのB747SR-81が登録されました。こちらはGE CF6-45A2エンジンが搭載されました。-SRは-100をベースにしていますが、エンジンに関してはP&WとGEの2つの選択肢があったのですね。

Ja8140-b747246b-cn22064-ln-407-951123-nr1995/11/23 NRT

Ja8140-b747246b-cn22064-ln-407-990507-nr 1999/5/7 NRT

Ja8140-b747246b-cn22064-ln-407-980826-nr 1998/8/25 NRT

 この機体は1988年当時、サテライト・コミュニケーション・システム(衛星通信を利用した機内電話)を装備していたため、竹下首相の訪米の際、初めて首相特別機としての役割を担った機体でもありました。当時は今みたいに政府専用機が無く、首相等が外遊する際は主にDC-10が特別機に使用されていました。ただ、DC-10-40型では訪米の際にアンカレジでのワンストップ・給油が必須であったため、ニューヨークに直行できるB747-246Bを使用を政府から要請されたため、JA8140が使われたそうです。
2005年9月27日、カリッタ・エアーに売却され、N740CKとなり、2008年4月にはそれも抹消、既に解体されています。

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2023年5月18日 (木)

1992年登場のJR九州の787系 その3 「リレーつばめ」の廃止、そして2018年まで

九州新幹線部分開業(新八代~鹿児島中央)の2004年3月13日のダイヤ改正は787系にとって登場後、最も大きな変化をもたらした改正となり、博多~西鹿児島間の「つばめ」から新幹線接続の「リレーつばめ」への転職を強いられた改正となりました。

787-bm14-100321-42010/3/21 新八代駅における「リレーつばめ」と「つばめ」の同一ホーム乗り換え

787-100320-32010/3/20 新八代 787系側面に掲示された「リレーつばめ」ロゴ

787-100320-5そして、列車表示

4両編成11本も併結で「リレーつばめ」3往復、そして「有明」(門司港・小倉~熊本・水前寺)9往復に投入されました。

一方、鹿児島に配置されていたクモハ、クモロを両先頭とし、サハ3両の中間にサハシ改造のサハ200番台を挟んだ7両編成(MscM'T1T2TMM'c)12本は門司港、小倉~新八代間の「リレーつばめ」「有明」「きらめき」に投入され、サハ2両の6両編成2本(MscM'T2TMM'c)は「有明」「かいおう」に投入されました。2004年3月13日、これらの鹿児島配置車両は南福岡に転属となり、787系は南福岡に140両が集結しました。1992年7月のデビュー以来続いてきた鹿児島への787系の配置はこの時点で終了となりました。

787-bm6-051210-22005/12/10 香椎 7+4併結編成による「きらめき」

787-bm12-0512082005/12/8 香椎787-bm-ariake-1008302010/8/30 竹下 サハシから改造の-212の側面にARIAKEロゴをペイント、「有明」運用に就いていたBM12編成

2005年3月1日の改正では臨時ではありますが、「みどり」に7両編成が投入されました。
2009年3月14日の改正では臨時ですが、「かもめ」2往復の運用が復活しました。

2011年3月12日の改正後も南福岡に残った7連17本はサハ787が1両抜かれ、鹿児島時代から6連だった2本を加えて、6連14本となり、「かもめ」10往復(臨時+3)、「みどり」2往復、「有明」1.5往復、「にちりん」2.5往復、「にちりんシーガイア」0.5往復、「ひゅうが」1往復、「きらめき」14.5往復、「かいおう」1往復と多種多様な路線を担当することになりました。「きらめき」の本数が増えているのは「リレーつばめ」として門司港、小倉~博多~新八代間を走っていた分の博多以東分を組み込んだためです。

787-120605_20230516130401 2012/6/5 787系 九州新幹線全通後は側面のマークはリレーつばめやARIAKEからAROUND THE KYUSYUに代わりました。

787-bm1-121222 2015/12/22 西小倉 787系の正面窓下の表示もかつてのTSUBAME,ARIAKEからAROUND THE KYUSYUへ

 

20180401-787

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/4/1時点での南福岡電車区787系編成表

2014年3月16日のダイヤ改正から一部の6両編成にサハ787が組み込まれ、7両編成が復活し、7連と6連で運用が分けられました。

そして2020年9月末にはBM15編成が小倉車両センターに入場、D&S:デザイン&ストーリー 列車 「36ぷらす3」へ改造されました。こちらに関しては今度の九州旅行で記録できればと思います。

さらに2022年9月23日、西九州新幹線(武雄温泉~長崎)間の開業で新設された「リレーかもめ」「かささぎ」の大半の列車に充当されることとなり、7両編成は8両化され、西九州新幹線全通まではこの状態が続くと思われます。こちらも今度の九州旅行で記録してくるつもりです。

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2023年5月17日 (水)

1992年登場のJR九州の787系 その2 4連「有明」編成の登場

昨日の記事と多少重複しますが、1996年3月16日のダイヤ改正で南福岡電車区の787系配置は一旦ゼロとなりますが、1999年2,3月に両先頭車クロハ786、クハ787-1~6が製造され、中間MM'ユニット・モハ786-1,5,6,102,105,106、モハ787-2,10,12,14,18,20が鹿児島から転入し、有明用4両編成、クロハ786+モハ787+モハ786+クハ787(ThscMM'Tc)6本が組成されました。

787-bm111-030712

2003/7/12 多々良踏切 九州新幹線開業前に着々と準備が進められたころ

787-bm101-1008302010/8/30 香椎 BM101編成 両端先頭車は新製車

787-bm106-051206
2005/12/6 海老津 BM106編成 赤い有明ステッカー付

1999年3月13日のダイヤ改正からこれらの編成は「有明」9往復(併結+0.5)、「つばめ」(併結2)の運用に就きました。さらに2000年2月、有明用4連の増備に向け、鹿児島総合車両所にクロハ786-7~11の5両(第7次車)が新製配置、サハ787-102,108,112,113,114がクハ787-同番号に改造となり、中間MM'ユニット・モハ786-2,4,101,103、モハ787-4,8,16,20とともにこれらの先頭車が2000年2月から3月にかけて南福岡に転属となりました。2000年3月11日のダイヤ改正は「有明」が全列車787系となり、783系は同列車から撤退となりました。

7874
2002/4/1 南福岡電車区に配置された787系有明用4連

このようにして組成されたBM100番台の編成11本(通称:有明編成)は2004年3月13日のダイヤ改正までは「有明」20.5往復(併結+2)、「つばめ」(併結0.5)、「きらめき」0.5往復に使用され、2001年10月から2003年3月までの間は「かいおう」にも投入されました。

787-110127
2011/1/27 多々良踏切 きらめき等で見られた併結編成 クロハ786は783系同様の中央デッキ出入り扉方式

2011年3月12日、東日本では前日の午後発生した東日本大震災で大混乱状態でしたが、九州では九州新幹線博多~八代中央間が開業し、787系にとっては2度目の大移動となりました。有明編成と言われたクハ787、クロハ768を両端とする4連11本が南福岡から大分車両センターに転属となり、活躍の場を日豊本線に移し、「にちりん」7往復、(臨時+4)、「きりしま」10往復、「ひゅうが」2往復、「川内エクスプレス」1往復を担当するようになりました。まさに大分以南、宮崎、鹿児島地区の日豊本線特急を担当しており、この5月末からの九州旅行ではカバー仕切れない範囲ですが、いずれ機会があれば記録したく思います。

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2023年5月16日 (火)

1992年登場のJR九州の787系 その1「つばめ」デビューから「リレーつばめ」になるまで

 JR九州が1992年7月15日のダイヤ改正で博多~西鹿児島間に由緒ある列車名「つばめ」を復活させ、同区間の航空機、高速バスに対抗すべく打ち出したのが787系交流特急電車でした。技術的には783系811系のサイリスタ位相制御、発電ブレーキ併用電気指令空気ブレーキ、DT400K、TR400K台車を装備し、4時間近い長距離列車に投入しても、競争力を持つ車両としての位置づけでした。車両デザインのみならず客室乗務員の接客水準、車内販売グッズ、提供される食材まで水戸岡鋭治氏が全面的にタッチしました。同氏のJR九州関連への関与は新製・鉄道車両はキハ200系気動車「赤い快速1991年、改造・鉄道車両はキハ58系7000番台気動車「アクアエクスプレス1988年、建築物では熊本駅1991年、鉄道以外ではジェイアール九州バス「レッドライナー1990年です。

787-tsubame-020315

787-tsubame-020315-2

2002/3/15 博多 

 787系は1992年から2002年にかけ日立製作所、近畿車輛にて140両が製造され、1993年第36回鉄道友の会ブルーリボン賞、通商産業省グッドデザイン賞、1994年第5回ブルネイ賞を受賞しています。尚、787系のブルネイ賞受賞(長距離旅客列車部門)は我が国の鉄道車両では初めてのことでした。

主要諸元
最高運転速度 130 km/h
編成定員 189・193人(4両)276人(6両)340人(7両)404人(8両)
全長 20,500 mm 21,600 mm (先頭車)
全幅 2,944 mm
全高 3,670 mm
車体 普通鋼
台車 ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)コイルばね+円錐積層ゴム式 DT400K・TR400K SUミンデン式
(試作台車・一部)DT901K・TR901K
主電動機 MT61QB型直流整流子電動機
主電動機出力 150 kW × 4 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダン撓み板継手方式
歯車比 3.50
編成出力 2,400 kW 1,200KW (4M3T/4M2T) (2M2T)
制御方式 サイリスタ位相制御・弱め界磁制御
制御装置 CS404K形制御装置
制動装置 電気指令式ブレーキ (発電ブレーキ併用)
保安装置 ATS-SK、ATS-DK

787-100320 787-100320-2 2010/3/20 熊本

車体は普通鋼製、屋根上等の腐食しやすい箇所はステンレス鋼に、乗降扉は900mmとし、バリアフリー関連設備の設計変更以降は1000mmとなりました。塗装はグレー濃淡のツートンカラーで各所に「TSUBAME]のロゴが入れられました。

787-120605

2012/6/5 門司

車体側面の車両形式・番号表記に「数字または文字を1文字毎に四角で囲む」方式が採用されたのも787系からでした。

内装は側面化粧板はダークグレー、床はカーペット敷きとし、グリーン車の座席は2+1列のリクライニングシートで、座席の前後間隔は783系と同じ1,200mmとなりました。背もたれ自体の角度と背もたれ上部の角度を別々に調節でき、サロンコンパートメントは4人用の個室となっており、開放室と同じ1人掛けのリクライニングシート1台と3人掛けのソファーが配置されています。普通車は一般的な2+2列配置のリクライニングシートで、座席の前後間隔は783系から40mm拡大され、1,000mmとなりました。背面部に収納式のテーブルを設置しているほか、簡易式フットレストを設置しています。サハシ787形のセミコンパートメントは、前後幅で2,010mmのコンパートメント内に2人掛けの座席を向かい合わせに配置しています。

運転台は左にT字形横軸マスコンハンドルと、右に縦軸ブレーキハンドル(常用7段+非常)で構成され、JR九州の電車として初めて本格的な乗務員支援モニタが採用されました。制御方式は783系と同様のサイリスタ位相制御方式ですが、本系列はMM'ユニット方式で電動機は直流直巻き電動機で電動車ユニットの偶数形式が門司港よりと従来とは逆向きになりました。パンタはクモハ786、モハ786形式にPS400K形下枠交差式が搭載されました。

787
鹿児島運転所単独配置時代の787系

1992年7月15日のダイヤ改正時期に合わせ、クモロ787-1~6、クモハ786-1~6、モハ786-1~6,-101~106、モハ787-1~12、サハ787-1~6、-101~104、サハシ787-1~6 52両が第1次車として登場し、鹿児島運転所に配置されました。

MscM'1TbMM'(T1T)MM'c 9両編成5本 が「つばめ」7往復、「有明」1往復に投入されました。
T1Tを欠いた7両編成1本が臨時「つばめ」に投入されました。

1993年2月にはクモロ787-7,8、クモハ786-7,8、モハ786-201,202,301,302(バリアフリー対応で乗降扉が拡大)、モハ787-13~16、サハ787-7~10、105,106、サハシ787-7,8の20両が2次車として製造され、1993年3月18日のダイヤ改正からは

MscM'1TbMM'[T1T]MM'c 9両編成8本体制(総数72両)体制となり、「つばめ」7往復(臨時+1)、「ドリームつばめ」1往復、「にちりんシーガイア」2往復、「ドリームにちりん」1往復に投入されました。783系の記事でも触れましたが、「ドリームつばめ」「ドリームにちりん」「にちりんシーガイア」は787系投入のために設定された名称でもありました。

1993年7月にはクモロ787-9、クモハ787-9、モハ786-203,303、モハ787-17,18、サハ787-11,107、サハシ787-9の9両(第3次車)が新製され、編成はT9までの9本体制となりましたが、鹿児島配置で博多からの日豊本線特急の運用は問題があったので、鹿児島と南福岡に分散配置することになり、1994年3月1日付で9両編成5本が南福岡電車区に転出しました。1993年12月から1994年1月にかけ、クモロ787-10,11、クモハ786-10,11、モハ786-204,205,304,305、モハ787-19-22、サハ787-12,13,108,109、サハシ787-10,11の18両(第4次車)として新製され南福岡区に配置され、9両編成11本体制となりました。

鹿児島運転所 T1, T3, T4, T7, T8, T9 南福岡電車区 T2, T5, T6, T10, T11

南福岡区の9両編成5本は「にちりんシーガイア」2往復、「ドリームにちりん」1往復、「かもめ」5往復を担当することになり、長崎本線にも進出しました。

1994年6月にはサハ787-110,111の2両(第5次車)が鹿児島に新製配置、クモロ787-12~14、クモハ786-12~14、モハ786-306~308、モハ787-23~25、サハ787-14、112~114、サハシ787-12~14の19両(第5次車)は南福岡に新製配置され、同月末から7月頭にかけ25両が鹿児島に転属となりました。

その結果、1994年7月1日のダイヤ改正では南福岡配置車は
MscM'1T1TbTMM'c 7両編成5本とMM'ユニット2組という体制になり、「にちりんシーガイア」2往復、「ドリームにちりん」1往復、「かもめ」5往復、「有明」(臨時2)往復を担当することに、鹿児島配置車は
MscM'[MM']TbT1TMM'c 9両編成9本で「つばめ」11往復(臨時+1)、「ドリームつばめ」1往復を担当しました。

1995年4月20日のダイヤ改正では「ドリームつばめ」の運用は南福岡の783系が担当となり、鹿児島の787系は「つばめ」11.5往復、「有明」1往復を担当することになりました。この改正で編成表記がT-からBK,BMになりました。Bは787系をKは鹿児島、Mは南福岡を意味します。

1996年3月16日の改正を前にして南福岡区の787系は全車、鹿児島区に転属し、配置0となりました。

7871997

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この結果、鹿児島に集結した787系は
MscM'MM'TbT1TMM'c 9両編成 11本 BK1~11「つばめ」11.5往復、「有明」1往復
MscM'TbT1TMM'c 7両編成 3本 BK12~14 「つばめ」「にちりんシーガイア」「ドリームつばめ」「ドリームにちりん」を担当することになり、再び、鹿児島配置の車両が博多からの日豊本線特急を担当することになりました。

1997年3月22日のダイヤ改正では「つばめ」1.5往復:10,13,20号が7連、その他が9連、「ドリームつばめ」92Mは9連、91Mは7連となっています。

1999年3月13日の改正を前に「有明」用4両編成の組成のため新形式クハ787-1~6、クロハ786-1~6、計12両(第6次車)が新製され、南福岡に配置され、鹿児島からMM'6組が転出しました。

この転属で鹿児島の体制は
MscM'T1TbTMM'c 8本 「つばめ」10.5往復、「ドリームつばめ」1往復、「有明」1往復
MscM'TTbMM'c 6本 「にちりんシーガイア」2往復、「ドリームにちりん」1往復、「つばめ」4往復、「有明」1往復 
MM'5組 T1 6両 となり、「ドリームつばめ」は上下とも7両編成の担当になりました。

2000年2月、有明用4連の増備に向け、クロハ786-7~11の5両(第7次車)が新製、サハ787-102,108,112,113,114がクハ787-同番号に改造となり、MM'5組が2000年2月から3月にかけて南福岡に転出しました。

2000年3月11日のダイヤ改正では新製された車両と転属車両で南福岡の有明用4両編成、ThscMM'Tcは11本になり、「有明」19往復(併結+1)、「つばめ」(併結0.5)、「きらめき」0.5往復(併結+0.5)となりました。

2001年3月1日10月6日にダイヤ改正が行われ、3月の改正では肥前山口往復の「かもめ」運用の復帰、10月の改正では福北ゆたか線、筑豊本線の特急「かいおう」が新設となり、「かもめ」からは再度の撤退となりました。

787-tsubame-020315-3 2002/3/15 博多 セミコンパートメント(4席×6室)、立席ビュフェ、車販準備室で構成されたサハシ787形は特徴的な外観から見分けが容易でしたが、「リレーつばめ」転用でサハ787形200番台に改造となり、消滅しました。改造後も屋根のサイドが高く張り出しているスタイルは残されたので787系編成の中でもサハ787形200番台車はすぐに分かります。

2002年8月6日のダイヤ改正に向け、来る九州新幹線(新八代~鹿児島中央間)の開業に向けてのリニューアルの一環で、サハシ787-3,12のサハ787-203,212への改造、そして787系として最後の新製車、サハ787-115~117が竣工しました3両(第8次車)2002年8月から2003年3月にかけ、サハシ787-1,2,4~11,14の半室ビュッフェを普通車化する改造工事が行われ、-3、-12同様にオリジナル番号に200を加えた番号のサハ787形200番台となりました。

787系は第1次車 52両、第2次車 20両、第3次車 9両、第4次車 18両、第5次車 21両、第6次車 12両、第7次車 5両、第8次車 3両の計140両が製造され、JR各車が製造した特急車両系列では最初に100両を越えた系列となりました。

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2023年5月15日 (月)

5月12日 羽田空港にて その1 懸案だったJAL A350XWB初号機 JA01XJを撮影

flight radar24やFlightAwareといったインターネットの航空関連アプリのおかげで自宅に居ながらにして世界中の空港における旅客機の発着の情報、お目当ての航空機が今どこを飛んでいるのか、いつ頃、羽田や成田に着陸するのかが分かる時代になりました。

それを活用してこれまでの羽田訪問では撮影できなかったJALのAirbusA350XWB初号機JA01XJの最近のFlightの様子をモニターしていると、同機は4月15日のJL918便でHNDに到着以降、ハンガーでメンテナンス状態にありましたが、5月5日に運用に復帰
5/5~5/7は羽田~福岡間を1往復ずつ、5/8は羽田~福岡往復、羽田~那覇往復~福岡ステイ、5/9は福岡~羽田~那覇往復、羽田~新千歳往復、5/10からは羽田~那覇2往復といった運用に入っていることがわかりました。さらに朝にはその日の運航スケジュールが表示されますので、5月12日金曜日、またしも羽田に撮影に出向きました。

余談になりますが、この日の午前中、中央快速線では17H運用に投入されていたE233系H58編成にトラブルが生じたのか、運用の途中から「青665+P525」編成がピンチヒッターとして登場したようです。わたしもこの編成に偶然、西国分寺から乗り、入線した際に「あれ、青編成が快速線運用に入っている」と思ったのですが、それ以上深追いしませんでした。まさか後ろにP525編成が連結されているとも思わずに・・・、その後、同運用はその日のうちにH58編成に戻り、青665+P525のコンビはその晩の大月、河口湖には行かなかったようですが(情報はこちら)。青梅線青梅以西専門のワンマン対応のP525編成が10連に組み込まれて中央快速線を走ったのは初めてのことだったようです。

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2023/5/12 HND T3 JAL A350XWB JA01XJ RWY34Lに着陸

さて、品川、京浜急行乗り継ぎで羽田空港T3には11時頃に到着、11:23には主目的のJA01XJが那覇空港のGateを離れ、JL904便としてRWL18Lから11:35に離陸しました。同機は離陸後、左旋回し北東方向に進路をとりました。巡航高度41000ftで飛行し、御前崎の南付近で降下に移り、房総半島先端付近で9900ftまで降下、木更津上空から羽田空港RWY34Lに向けてアプローチし、13:28着陸しました。

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着陸後、7分間のタキシングで13:35にGate10に到着しました。
同機にはA350XWB導入記念として1号機には「挑戦」を意味する赤のAIRBUSA350のロゴが描かれていますが、4月のメンテでそれが消されるかと心配しましたがまだ保持されていました。

その後、気温の上昇もあり、滑走路の使用も南風運用になり、着陸機はRWY22、RWY23(D滑走路)となり、チャイナエアライン、トランスオーシャンの737などはRWY16Rから離陸して行きました。JL919便で那覇に向かうJA01XJもRWY16Rからの離陸かと思っていました。

Ja01xj-230512-hnd33同機は14:53にGate10を離れ、RWY16エンドに向かってタキシングして行きましたが、

Ja01xj-230512-hnd37

Ja01xj-230512-hnd38なんと向かったのはRWY22エンドで、その後、RWY22から離陸して行きました。
これまでRWY22は着陸専用で、RWY04からの離陸は過去に見たことはありましたが、RWY22から南に向けての離陸は初めて見ました。

この日の羽田で見た注目機については後日レポートします。

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2023年5月12日 (金)

世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その15 Side Cargo Doorが無かったJA8132

cn21681/ln382JA8132として登録されたB747-246Fは1979年7月28日に登録されたJT9D-7Q装備の最初のフレイター機でしたが、いくつかの特徴がありました。一つはJALが導入したフレイター機の中では唯一、サイドカーゴドア(SCD)が装備されていなかったことです。このため、ノーズオペレーションに対応した地上設備を有さない空港には就航できないという問題点を抱えており、運航開始当初はロサンゼルス、ニューヨークなど北米の限られた路線でした活躍が出来ませんでした。数多く製造されたB747Fの中でもSCDを有さない機体は貨客転換型も含めて10機に満たないマイナーグループでした。また、フレイターとしてはアッパーデッキに窓が無い最初の機体でもありました。JA8123から5年後の導入でしたが、この間隔の長さは日米航空協議の紛糾で旅客、貨物ともに輸送力の拡大や新路線展開が難しい状況にあったためです。

Ja8132-jal-b747246f-cn21681-ln-382-95080 1995/8/7 NRT

Ja8132-jal-b747246f-cn21681-ln-382-99011 1999/1/17 NRT

Ja8132-boeing-747246f-21681-382-030607-n 2003/6/7 NRT

同機は最後はアーク塗装になって活躍しました。2006年3月28日、カリッタ・エアーに売却され、N707CKとなり、2012年7月にはストア状態となり、既に解体されています。

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2023年5月11日 (木)

登場から35年が経過したJR九州の783系 その3 老朽廃車の開始へ

2000年3月11日のダイヤ改正は783系にとっても、また南福岡電車区にとっても大きな変化をもたらした改正でした。1988年3月13日のダイヤ改正でデビューし、一貫して南福岡電車区に配置されていた783系がこの改正で日豊本線関係の運用に就く編成と増結予備車が大分運輸センターに転属になり、「かもめ」用として885系の配置がスタートしました。その一方で、1975年3月から配置されてきた485系は「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の運用を783系に譲り、定期運用は「にちりん」のみとなりました。

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2000/3/11のダイヤ改正で南福岡電車区から大分運輸センターに転属した783系29両の編成表
編成番号のCは783系をOは大分を意味します。

これらの編成と増結用車両は「ソニック」3往復、「にちりんシーガイア」2往復、「ドリームにちりん」1往復、にちりん(臨時)の運用に投入されました。しかし、この分散配置も1年弱で終了し、2001年3月3日のダイヤ改正では29両ともに南福岡電車区に再転属となりました。

ちなみに「にちりんシーガイア」は1993年3月18日のダイヤ改正で「にちりん」南宮崎駅発着の列車のうち2往復に787系を投入した際に与えられた別愛称で、号数的には「にちりん」と通しの号数でした。この改正で783系の運行となり、投入時の意味合いは薄れました。「ドリームにちりん」は「にちりんシーガイア」の運行開始に合わせ、それまでの門司駅~西鹿児島駅間で運行されていた日豊本線経由の夜行急行「日南」を博多駅~南宮崎駅間の特急に変更したもので、2009年3月14日以降、JR九州管内を運行する唯一の定期夜行列車でしたが、2011年3月10日の出発分を以って廃止となりました。 

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2000/3/11のダイヤ改正以降も南福岡電車区に残留した783系61両

南福岡電車区に残留した61両は「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」を担当するようになり、「かもめ」はオリジナルスタイルのクモハ783、クロハ782基本番台の両端先頭車のCM1~5編成、「みどり」「ハウステンボス」は併結した際に両編成間を行き来可能なように貫通型先頭車と併結側に持ってきたCM11~15「みどり」、CM21~24「ハウステンボス」とするため、「みどり」編成の下り側、サハ783-101 - 104、110のA室側をグリーン室に、B室側は後位側8席を撤去し、台枠を残して車体を切断し、817系に似た貫通型運転室ブロックを接合し、クロハ782-101 - 104、110としました。B室にはトイレが設置され、貫通型前頭部は緑に塗装されました。但し、この改正時点ではCM12編成は貫通型ではない、オリジナルスタイル非貫通のクロハ782-503が連結されていました。

一方、「ハウステンボス」編成はこの時点で改造されたのは4編成で同編成のサハ783-105~108は方向転換の上、同様の処理がなされ、クハ783-105~108となり、こちらの貫通型前頭部は黄色に塗装されました。そして「みどり」「ハウステンボス」編成全車に車体塗装の変更、エンブレムの装着がなされ、「ハウステンボス」の非貫通側先頭車は前頭部が赤色に塗装されました。

同改正でデビュー以来、担当してきた「有明」からは撤退となりました。

2001年1月にモハ783-11、-7のそれぞれ300番台、200番台化改造、3月にサハ783-109,110の改造がなされ、クロハ782-110、クハ783-109が誕生し、
新CM12編成 クモハ783-8+モハ783-108+サハ783-203+クロハ782-110
CM25編成 クハ783-109+モハ783-211+モハ783-307クロハ782-503 が誕生しました。

2001年3月3日の改正では783系は再び南福岡電車区に集結し、南福岡区の485系は定期運用が終了しました。

783-cm31-1101272011/1/27 多々良踏切 大分から戻った日豊本線系のCM31編成

大分から戻った5両編成、CM31~35が「にちりん」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」そして新たに2000年3月11日の改正で1989年から快速列車「ひむか」として延岡~南宮崎間を運行していた列車を特急に格上げし、同区間を「にちりん」の削減分利便性維持のため新設した列車「ひゅうが」の4往復(485系による運行)の1往復増発分を担当するようになりました。

783-cm4020322 2002/3/22 諫早 CM4編成 1両増結した5両編成

CM1~5のかもめ編成は885系と伍して「かもめ」8往復、「みどり」1往復

783-cm11-100825 2010/8/25 佐賀 スカートが緑に塗装されエンブレムも付いたCM11編成

CM11~15のみどり編成は「みどり」14往復、そして2000年3月11日の改正前の「つばめ102号」「にちりん101号」、2001年3月3日改正前は「ホームライナー」「エアポートライナー」として運行されていた博多~門司港間の列車を統一し、787系、783系で運用するようなった「きらめき」1往復

783-cm21-110127 2011/1/27 多々良踏切 流線形先頭車が赤く塗装されたCM21編成

783-cm22-051206 2005/12/6 博多 CM22編成の貫通側 クハ783-100番台

CM21~25のハウステンボス編成は「ハウステンボス」8往復、(臨時+1)、みどり(併結2往復)、「きらめき」(併結1往復)を担当することになりました。

2003年3月15日の改正では日豊本線系の5両編成が4編成に減り、かもめ編成が6編成となりました。このとき、「ひゅうが」から一時撤退となりました。このとき日豊本線系から抜けた1編成(4両に減車)はCM35編成として「きらめき」1往復の専用編成となりました。

2005年7月11日、「かもめ3号」において車両のルーバー塞ぎ板(リベット留め)が脱落し、窓ガラスに当たり破損したと推定される事故で乗客6名が負傷する事態となり、急遽全編成のエンブレム(CM11 - 15, 21 - 25編成のみ)とルーバー塞ぎ板が取り外されました。

783-cm35-100830 2010/8/30 竹下 4連化されクロハ782-7が貫通化され-407になったCM35編成

2006年3月、「みどり」編成の不足を解消するためクロハ782-7を種車に流線形先頭車を貫通型先頭車に改造する工事が行われ、クロハ782-407(Thsc4)が誕生しました。同車はCM35編成の下り方先頭に連結され、現在も運用されています。

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3両編成の緑の特急「きりしま」 1996/3/28 西鹿児島

2011年3月12日のダイヤ改正で「有明」の運用が復活、「きりしま」(1995年4月20日のダイヤ改正で「にちりん」の南宮崎~西鹿児島間を系統分割し、宮崎~西鹿児島間を運行していた快速「錦江」を統合する形で運行開始した特急)2往復、「かいおう」(福北ゆたか線電化開業の2001年10月6日のダイヤ改正で登場した直方~博多間の特急)1往復を担当。

783-cm22-171015 2017/10/15 博多 CM22編成 第3次リニューアル後の姿

2000年3月のダイヤ改正で「有明」から撤退し、「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」を担当するようになった際に多くの車両で改造がなされ、第二次リニューアルが行われましたが、それから15年以上が経過し、テーマパーク「ハウステンボス」が開園25周年を迎えるのに合わせ、CM21~25編成について水戸岡鋭治によって内外装がリニューアルされました。

20142022

最後に2014年10月1日時点でのグループ別編成データを基にした2022年4月1日時点での変化です。

「かもめ」運用のグループは定期運用を失い、CM4と日豊本線系のCM34だけとなり、「きらめき」運用グループになりました。CM1とCM15は全編成メンバーが廃車となっています。CM13編成の13号車(後に7号車)のモハ783-109は2003年にモハ783-19に置き換えとなり、パンタグラフの撤去などの改造を受け、当初は標準色でしたが、2006年10月ごろにステッカーエンブレムが貼付され、2007年にモハ783-116に改番され、外装もみどり色に変更されました。旧日豊本線系の「きらめき」運用グループはCM31,32編成が全車廃車、CM34は旧かもめグループに移りました。

これ以降の変化、現状については5月末からの旅行で確認してみようと思います。

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2023年5月10日 (水)

登場から35年が経過したJR九州の783系 その2 2000年3月の885系「かもめ」の登場まで

1992年7月15日のダイヤ改正はJR九州として発足以来、最大規模のダイヤ改正となりました。787系のデビューで783系は一歩引いた位置づけになった感がありましたが、新鋭787系と並んで西鹿児島までの特急「つばめ」の運用の一部、そして「有明」「ハイパーにちりん」「かもめ」を担当しました。

ThscT(MT1)M1Mc 2本 「有明」3往復、「ハイパーにちりん」2往復
ThscTM1Mc 5本 「有明」8往復(臨時+4)、「ハイパーにちりん」3往復
TscMT2(MT1)M1Mc 6本 「つばめ」7往復 
Tsc(M)T1MT2MT1M1Mc 2本 「ハイパーかもめ」 5往復 に投入されました。

199304
表1 1993年4月1日時点の南福岡電車区に配置された783系の編成表

全90両は7両編成8本、6両編成3本、4両編成4本に組成されていました。この頃、床下装備だった冷房装置をAU402K、室外ユニットタイプに改造する工事が進行中でした。また、普通室のフットレストと全室のオーディオ・テレビの撤去工事も進んでいました。

鹿児島運転所に配置された787系が増備されるに従って、「つばめ」から783系の撤退が進んで行きました。そして1995年4月20日のダイヤ改正ではJR九州初の振り子式電車883系が登場、博多~大分間の「ソニックにちりん」に投入されました。この改正で783系の「ハイパーにちりん」は無くなり、

TscMT2M1Mc 4本 「にちりん」 6往復
ThscMTM1Mc 7本 「有明」 17往復(臨時+2)
TscMT2(MT1)M1Mc 2本 「つばめ」2往復(臨時+1)、「ドリームつばめ」1往復
TscMT2MT1M1Mc 2本 「かもめ」5往復   に投入されました。

ドリームつばめ」は特急化前は門司港~西鹿児島間の急行「かいもん」(門司港~小倉間は普通列車1121レ・1120レ)で1993年3月18日の改正で787系を使用した夜行特急になりました。1995年4月20日の改正では783系に置き換えられましたが、1年後の1996年3月16日の改正で787系に戻されました。その後、2004年3月13日のダイヤ改正で九州新幹線、新八代~鹿児島中央間が開業するまで運行されました。

1996年3月16日の改正で「つばめ」「ドリームつばめ」から撤退、「にちりん」運用も883系の増備で消滅し、「かもめ」のパターンダイヤ化に備え、クロ782-1~8のクロハ782-500番台化改造が1995年4月から1996年5月にかけて行われました。クロのB室が普通室となり、トイレ・洗面所は拡大されました。クロ782は形式消滅し、クロハ782-500番台、番号はオリジナル番号に500を加えた番号となりました。

787系との格差を是正するため、第1次リニューアルが行われ、内装材やカラーリングを787系と同様のもの(客室内:ダークグレー系、クロハ(改造後含む)のデッキ:青系、それ以外のデッキ:シルバー系)に変更しました。共用トイレは男女別とし、洗面所の拡大およびトイレ・洗面所使用灯が増設されました。サハ783形0番台B室に車内販売準備室が追加されました。車体塗装を、銀色と、赤・青・緑・黒の4色のブロックパターンを併用したものに変更しました。先頭車の前面下部にフォグランプ、正面中央上部に棒状の尾灯を追設しました。

783-cm1-100830-3 2010/8/30 竹下 CM1編成 クモハ783-1

783-cm1-100830-2 2010/8/30 竹下 CM1編成 クロハ782-1

783-cm2-020404
2002/4/4 諫早 CM2編成

783-cm3-1008302010/8/30 竹下 CM3編成

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表2 1997年4月1日時点の南福岡電車区 783系編成表
この時点では6両編成8本と5両編成7本、増結用車7両となっており、クロハ782-500番台が6両編成に、基本番台が5両編成に連結されていました。

1999年10月1日の改正では豊肥本線熊本~肥後大津間が電化され、「有明」の豊肥本線乗り入れが再開しました。今回からは豊肥本線内も特急列車としての運行になりました。この改正に先立ち、1999年7月にはモハ783-1~6のうち、1,2,3が-201,202,203に4,5,6が304,305,306に改造されました。-200番台はパンタグラフが残され、亘り線引き通し用の引通し線が新設され、-300番台はパンタグラフが撤去され、亘り線引き通し用の引通し線が新設されました。同様の改造が2000年2月、モハ783-9、-16に対しても施工され、それぞれ-209、-316となりました。これは2000年3月11日の改正で885系が「かもめ」に投入されるため、783系は「みどり」「ハウステンボス」を担当するための準備であり、ハウステンボス編成では電動車が隣り合うために一方のパンタグラフを撤去し、他方から給電するよう改造されました。2000年2月にはサハ783に運転台を取付け、貫通タイプのクハ783-100番台(Tc1)、クロハ782-100番台(T'hsc1)が登場しました。詳細は明日の記事で。

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2023年5月 9日 (火)

登場から35年が経過したJR九州の783系 その1 1988年3月の登場から1992年7月の787系登場まで

5月末から6月頭にかけて久しぶりに九州に旅行する計画を立てており、九州内の鉄道状況の予習も兼ね、JR九州の特急車両について触れてみることにしました。民営化後、電車特急では783系、787系、883系、885系がデビューしましたが、新幹線の開業でこれらの特急車両も、883系以外は第二の職場に移っており、783系は既に廃車も始まっています。

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2017/10/15 香椎 登場から29年が過ぎた783系のロゴ ハイパーサルーンは登場時から与えられたニックネームで783系が使用される特急は485系特急との差別化も込めて「スーパー有明」から「ハイパー有明」、「ハイパーかもめ」、「ハイパーにちりん」といった愛称になりました。

1987年4月1日の国鉄民営化で九州旅客鉄道(JR九州)は発足しました。当時、九州島内では高速道路網の整備が急ピッチで進められており、自家用車の保有率も上昇し、高速バス路線の発展も著しく、JR九州としては十分に競争力を有する特急車両が必要でした。JR九州が国鉄から継承した485系は南福岡電車区に223両、鹿児島運転所に100両配置されていましたが、車齢は20年程度でしたが、サービス水準が低く、速度向上も望めない状況であり、新しい設計思想を取り込んだ特急車両の開発が急務でした。

783-020404_20230508162601 2002/4/4 諫早 783系独特のサイドビュー 1次リニューアル後の姿

1988年3月13日の民営化後最初のダイヤ改正でのデビューを目指し、国鉄末期に開発された新技術を取り入れ、開発されたJR最初の特急車両が783系です。軽量ステンレス車体で、乗降扉とデッキを車体中央部に配置し、車両の客室を前後に分割、側窓のサイズを大型化し、客室からの前面展望を可能とするため、運転台と客室間の仕切り壁を低くし、客室の腰掛部分の床を200mm高くするなど従来の特急車両とは一線を画す設計としました。制御方式は国鉄末期の1983年、長崎本線・佐世保線に投入された713系で初めて実用化されたサイリスタ位相制御方式で、界磁制御は電機子回路とは並列の他励方式としました。この制御方式の特徴は交流電車では初の交流回生ブレーキが採用されたことで、713系は試作で終わりましたが、この技術は783系、811系、787系、阿武隈急行8100系などに活かされました。なお、交流機関車では1965年に日立製作所で製造されたED93 1号機、その量産タイプのED77形1966年三菱重工で製造されたED75 501号機において変圧器の二次側巻線を4分割し、従来の磁気増幅器をサイリスタとダイオードブリッジに交換し、タップ切換えと位相制御をサイリスタで行う方式を採用していましたが、界磁制御用回路もサイリスタ・ブリッジとし、交流回生ブレーキを可能としたのは713系が初めてした。

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1985/4/20 鳥栖 713系900番台 登場した頃の姿

主要諸元
最高運転速度 130 km/h
全長 21,050 mm (先頭車)20,000 mm (中間車)
全幅 2,950 mm
全高 3,670 mm
台車 軽量ボルスタレス台車 DT50Q、TR235Q (205系以来採用されている台車にヨーダンパを追加、若干の設計変更を加えたもの)
主電動機 MT61Q型直流整流子電動機(他励方式)(界磁と電機子は並列配置)
主電動機出力 150 kW × 4 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダン撓み板継手方式
歯車比 3.95
制御方式 サイリスタ連続位相制御、交流回生ブレーキが可能
他励界磁による弱め界磁 (60%)
制御装置 RS400K型主制御整流装置
制動装置 電気指令式(回生・抑速ブレーキ付)
直通予備ブレーキ
応荷重装置
保安装置 ATS-SK、ATS-DK

客室を2分割することで、グリーン車と普通車、指定席と自由席、喫煙席と禁煙席など必要に応じ柔軟に設定することが可能となりました。分割された客室は下り方がA室、上り方がB室とされ、グリーン室の座席には横2列+1列の広幅リクライニングシートが採用され、シートピッチは1200mmでした。肘掛けにはマルチステレオを装備、座席背面には液晶テレビが設置され、1992年6月までは「ハイパーレディ」と呼ばれる女性客室乗務員が乗務していました。普通室は横4列のリクライニングシートでピッチは960mm、フットレスト付きで、1988年度製造の2次車からはマルチステレオが装備されました。空調は床下に装備されました。

運転席周りの機器配置は同時期に製造された211系に準じており、横軸式マスコンハンドル + 縦軸式ブレーキハンドル:常用7段 + 非常)が、マスコンハンドルはT字形となっています。電動車は1両にすべての機器を搭載した1M方式となっています。

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台車は205系の台車にヨーダンパーを追加し、若干の設計変更を加えた軽量ボルスタレス台車 DT50Q、TR235Qとしました。

登場時の前頭部は白く塗られ、赤い帯(後年登場した「かもめ」用編成はブルー帯)が前部まで回り込んでいるのが上り方先頭車のクモハ783、回り込んでいないのが下り方先頭車のクロ782とクロハ782でした。
 783系は1989年鉄道友の会第29回ローレル賞を受賞しています。

1988年3月13日のダイヤ改正に合わせ、同年2月から3月にかけ1次車29両、クモハ783-1~7、モハ783-1~4,101~107、クロ782-1,2、クロハ782-1~5、サハ783-1~4が製造され、南福岡電車区に配置されました。製造は日立製作所、近畿車輛が主に担当しましたが、このうち6両はJR九州小倉工場が艤装を担当しました。

ThscM1Mcの3両編成5本とTscMT(MT)M1Mcの5両(+増結2両)編成2本に組成され、前者は博多~熊本(一部、水前寺)間の有明12往復に、後者は博多~西鹿児島間の有明、スーパー有明、3往復に投入されました。当時非電化だった豊肥本線熊本~水前寺間はDE10が牽引・推進し、ヨ8000形(28000番台)が電源車として連結されました。豊肥本線内は普通列車扱いでした。

1989年3月11日のダイヤ改正では1988年12月から1989年2月にかけ2次車28両、クモハ783-8~10、モハ783-5~11、108~110、クロ782-3~5、サハ783-5、101~106、201~205が増備されました。増備車も含めた783系は
ThscTM1Mc 5本は有明13往復に、TscMT2(MT1)M1Mc 4本は有明3、スーパー有明1往復に、Tsc(M)T1MT2MT1M1Mc 1本はかもめ2往復に投入されました。

1990年3月10日のダイヤ改正に向け、1989年12月には3次車27両、クモハ783-11~14、モハ783-12~18、111~114、クロ782-6~8、クロハ782-6、サハ783-6、107~110、206~208が増備され、増備車も含めた783系は
ThscTM1Mc 6本はハイパー有明11往復、ハイパーにちりん3往復
TscMT2(MT1)M1Mc 6本はハイパー有明7往復
Tsc(M)T1MT2MT1M1Mc 2本はハイパーかもめ5往復に投入されました。

この改正から783系列車の130km/h運転が開始されました。

1991年3月16日のダイヤ改正に向けて、1990年12月と1991年2月に、4次車6両、クモハ783-15、モハ783-19,115、クロハ782-7、サハ783-7,111が増備され、増備車も含めた783系は
ThscTM1Mc 7本はハイパー有明11往復、ハイパーにちりん5往復
TscMT2(MT1)M1Mc 6本はハイパー有明7往復
Tsc(M)T1MT2MT1M1Mc 2本はハイパーかもめ5往復に投入されました。

尚、この時点でMT各1両が予備車として編成組成されない状態となり、783系の新製は終了しました。

クモハ783 1~15
モハ783 1~19(M)、101~115(M1) 0番台はパンタを前位に装備、100番台は準備工事とし、100番台はクモハ783とペア
クロ782 1~8(T'sc) 「かもめ」と西鹿児島発着の「有明」に連結された下り方先頭車
クロハ782 1~7(T'hsc) 熊本、水前寺発着の「有明」に連結されていた下り方先頭車
サハ783 1~7(T0)、101~111(T1)、201~208(T2) 
0番台は当初、西鹿児島駅を発着する「有明」に連結されていましたが、1年足らずで熊本駅または水前寺駅を発着する「有明」のみへの連結に変更されました。100番台は「かもめ」と、西鹿児島駅を発着する「有明」編成用の増結用として製造されました。200番台は1989年に、「有明」(西鹿児島発着分のみ)「かもめ」編成用の増結用として製造さました。   

以上90両が783系の新造両数でした。

運転線区は鹿児島本線から長崎本線、日豊本線まで拡大しますが、1992年7月15日のダイヤ改正で787系が登場、九州鉄道ルネッサンスとして1975年3月の新幹線博多開業で消滅していた特急「つばめ」の名称が復活し、787系が783系に代わり、JR九州の電車特急のフラッグシップを担うようになります。

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2023年5月 8日 (月)

E657系にE653系リバイバルカラーが登場 第3弾は「ひたち海浜公園のスイセン」のイエロージョンキル

2023年3月17日から郡山車両センターに装置保全実施の為入場していたE657系K2編成、入場中にE653系リバイバルカラー第3弾のイエロージョンキルになり、4月27日に出場、勝田車両センターに回送されました。4月29日には同所において、K17編成(グリーンレイク)、K12編成(スカーレットブロッサム)と並べられ、車両撮影会を開催、同日、ときわ76号(76M)から運用に復帰しました。

E657-k2-140321 2014/3/21 馬橋 K2編成

今年3月18日のダイヤ改正以降、E657系の運用に関してはどの編成がA151からA165までの15の運用にどのように入るか連日チェックしていますが、4月24日までは予想通りに運用が流れていましたが、リバイバルカラー3編成を勝田に集結させるためか運用の流れが突然乱れ、5月2日頃までは読めない状態が続きました。5月3日以降は元の状態に戻りましたので、5月6日はA155運用:6M~59M~72M~21Mに入ると見込んで、田町で6M,59Mを狙うことにしました。

E657-k2-230506 E657-k2-230506-4 E657-k2-230506-5 2023/5/6 田町 6M ひたち6号
田町で撮影する際の最大の懸念は京浜東北線や東海道線上り列車による被りですが、今回は若干の遅れが幸いしたのか被りなく通過して行きました。

E657-k2-230506-22 E657-k2-230506-24 2023/5/6 田町 59M ときわ59号
こちらも被られることなく撮影出来ました。

E653-k303-130303-2 2013/3/3 荒川沖~ひたち野うしく間 K303編成

E653-k306-030830-2 2003/8/30 土浦~荒川沖間 K306編成

E653-k303k306-090628 2009/6/28 荒川沖 K306+K303編成併結

E653系においてはK303編成とK306編成がイエロージョンキル塗装でした。

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2023年5月 5日 (金)

世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その14 JA8130と同時にJT9D-7Q装備で契約、導入されたJA8131

Boeing747Production Listを見るとcnの21678から21681までは通し番号となっており、JAL仕様の4機が同時期に契約されたことを伺わせます。これらは3機の-246Bと1機の-246Fであり、JA8129 からJA8132と登録されました。初飛行の日時はJA8129が1979年2月24日で少し早く、以下の3機は1979年5月31日から6月27日になっています。この数か月に違いがJA8129はJT9D-7Aエンジン装備に、以下の3機はJT9D-7Qエンジン装備といった違いになったのかも知れません。

Ja8131-b747246b-cn21680-ln380-970824-nrt1997/8/24 NRT

Ja8131-b747246b-cn21680-ln380-980211-nrt 1998/2/11 NRT

Ja8131-b747246b-cn21680-ln380-990530-nrt 1999/5/30 NRT

Ja8131-boeing-747246b-21680-380-060528-n2006/5/28 NRT

JA8131として登録されたcn21680/ln380の-246Bの機体は1979年6月29日にJALに引き渡され北京線開設時に初便に使用された機体でした。1994年からはスーパーリゾートエクスプレス黄色塗装になりましたが、その後、ノーマルに戻され、最後はアーク塗装になっています。

地球温暖化の原因の一つに大気中のCO2の増加がよく言われますが、現在は人工衛星などによる観測が行われていますが1990年代、気象庁気象研究所と日本航空財団はオーストラリアから日本に向かう定期便にて約10,000m上空の大気を定期的に採取し、CO2,CH4,CO濃度の長期間にわたる変化を調べるプロジェクトを提案、採択され観測が開始されました。

1993年4月からケアンズ~成田間の定期便で月1回のペースで大気観測が行われ、当初はJA8127がその役目を担いましたが、1994年7月からはJA8131にバトンタッチされました。機体改造の際、観測装置は客室天井部から前方貨物室に移設され、観測路線もシドニー~成田となりました。同年9月からは月2回ペースとなり、1999年2月からはJA8130も観測に加わりました。その後、2002年4月からは両機の路線計画の変更でブリスベン~成田となりました。南緯30度から北緯30度まで緯度5度おきに大気を採取し、チタン製の容器に回収するものでした。

2005年までの観測により、
・地上の植物の光合成・呼吸によるCO2濃度の季節変動が上空にも及んでおり上空のCO2の増加率は地上とよく一致していること。
・地上で発生したCO2が大気の対流に乗り、上空に達していること。
・北半球の中緯度帯で発生するCO2が構想の大気の流れに乗り、南半球に向けて運ばれ、同時に、さらに上空まで達した CO2 は、超高層の大気の流れに乗って、いったん、南半球の中高緯度帯まで運ばれていること。
・1997年に発生したエルニーニョの結果、アジア・オセアニア地域で発生した森林火災に伴い排出されたCOが上空に達し、高層の大気組成に影響を及ぼしていること
等が明らかになりました(情報はこちら)。

2007年3月19日、カリッタ・エアーに売却、N745CKとなり、2008年7月にストア状態に、既に解体されています。

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2023年5月 4日 (木)

久しぶりの羽田空港 その6 JAL史上、初めての独自の導入となったAirbus機 A350XWB

 昨年4月の羽田空港spottingでも撮影していましたが、JALとして初めての欧州製旅客機の導入となったのがAirbus A350XWBです。JASとの合併でA300-600Rがフリートメンバーとして存在した時代はありましたが、JALが独自に導入した機種としてはこのA350XWBが初めてとなりました。現時点ではJA01XJからJA16XJまでの16機が引き渡されており、最初の3機には導入記念として胴体後部にAIRBUS A350と赤、銀、緑のタイトルが描かれており、そえぞれ「挑戦」「革新」「エコ」を意味するそうです。
 2011年2月20日1991年10月22日以来、国内幹線に君臨してきたB747-400Dが退役するとB777がその後継を担ってきましたが、B777も初期導入機から退役が開始されており、後継機選定が注目されました。2013年10月7日、JALは中・長距離路線の更新機材としてA350XWBの導入を発表、-900XWBを確定18機、ストレッチトタイプの-1000XWBを確定13機、オプション25機の発注契約を締結しました。
 B747導入以降、大型機ではBoeing一辺倒だったJALがB777の後継にB777XやB787の派生タイプ787-10を選ばなかったのは、A350XWBが既に2014年からデリバリーされ、欧米のメジャーエアラインで運航実績を重ね、低燃費、CO2やNOXの排出の低さを示していること、一方、B777X, 787-10はキャパシティ的な問題、そして開発の遅れが懸念されたようです。
 A350XWBはRRトレント-XWBエンジンを装備しており、JALにとってはフライバイワイヤーの操縦システム同様、3軸タービンのRRエンジンも初物となりました。シート・コンフィグはF12C94Y263(X11仕様)369席で普通席は777の3-4-3から3-3-3の9アブレストになりました。クラスJを56席とし、総席数を391(X12仕様)にする変更も可能とのことです。2019年6月に初号機JA01XJがトゥールーズで引き渡され、羽田に到着後、慣熟飛行が羽田を拠点に北九州、新千歳、成田、関西、中部国際などで実施され、9月1日、JL317便羽田発福岡行で初就航しました。一方、B777-200/300は2020年12月4日に那覇発羽田行JL904便JA8978で発生したエンジン不具合による重大インシデントで2021年2月21日に運航停止、そのまま全機退役に追い込まれました。

Ja02xj-220405-hnd 2022/4/5 HND T3 JA02XJ silver cs

Ja03xj-230418-hnd21 2023/4/18 HND T3 JA03XJ green cs

Ja04xj-220405-hnd2 2022/4/5 HND T2 JA04XJ

Ja15xj-230418-hnd4 2023/4/18 HND T3 JA15XJ One World cs

なお、初号機 JA01XJは4月15日の那覇~東京JL918便を最後にフライトがありません。メンテナンスのためドッグ入り状態なのか、あるいはそれ以外の理由でPark状態(こちらの情報)なのか気になるところです。

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2023年5月 3日 (水)

久しぶりの羽田空港 その5 JAL One World csとなった787-9

 1970年からDC-8に代わってJALのフラッグシップだったB7472011年に退役し、その後を継いだのがB777B787でした。ファーストクラス需要の高い欧米主要路線はB777-300ERが担い、欧米の中規格路線と東南アジア路線などの中・短距離国際線、国内線の一部をB787が担うという役割分担になっています。B787はこれまでの中型機では不可能だった東京~ニューヨーク間のような長大路線やB747やB777では採算的に難しかったボストン線やサンディエゴ線などの中規模ノンストップ長距離路線の開拓にも成功しました。
 JALがB787の導入を発表したのは2004年12月22日、当時はまだ7E7でしたが、2005年11月24日にはGEnx1Bエンジンを選択、同機のローンチカスタマーとなりました。その後は昨日の記事にあるような開発の難航で初飛行は2009年12月15日に、その頃、JAL自身が負債総額2兆3000億円の経営破綻に陥りました。機材面では747-400、JASから引き継いだA300-600R,MD-90は退役に追い込まれ、中型機は767のみとなり、発注していた777はキャンセル、経済性の高い787と737-800のみが当初の計画通り導入されることになりました。
 JA822JとJA825Jの2機は当初、アーク塗装でロールアウトしていましたが、新生JALの象徴として鶴丸塗装にレペイントされ、2012年3月、デリバリーされました。2012年4月22日、JA822Jが成田~ボストン線に就航、以降、モスクワ、デリー、シンガポールと中距離路線に進出して行きました。しかし2013年1月7日、ボストンに到着したJA829Jが駐機中に後部バッテリーが出火するインシデントを起こし、1月16日から6月1日までバッテリー問題が解決するまで運航停止となりました。運航再開後は路線を拡大し、JAL SKY SUITEの導入、インターネット接続サービスの導入などのサービスも拡大、2015年6月にはストレッチタイプの787-9も導入されました。2019年から2023年にかけてJALが設立したZIP AIRに5機(JA822J、JA824J~JA827J)が転出しましたが、現時点で46機が在籍、45機が営業運航に就いています(リスト)。

787-8 C30Y176 国際線仕様 E06
JA821J, JA823J, JA828J~JA835J

787-8 C30Y156 国際線仕様 E12
JA836J~JA845J

787-8 F6C58Y227 国内線仕様 E21
JA846J~JA849J

787-9 C44W35Y116 国際線仕様 E74
JA861J~JA868J

787-9 C52W35Y116 国際線仕様 E91
JA869J~JA872J

787-9 C28W21Y188 国際線仕様 E92
JA873J~JA880J

787-9 C44W35Y116 国際線仕様 E71
JA881,JA882

エンジンは787-8がGEnx-1B70、787-9がGEnx-1B74/75

Ja861j-boeing-7879-35422-139-180409-nrt

2018/4/9 NRT ノーマル塗装時代のJA861J 

Ja861j-230418-hnd2 Ja861j-230418-hnd22 2023/4/18 HND T3 One World csになっていました。

JA861Jは787-9の3号機でGEnxエンジン搭載の初号機として試験飛行に使用された機体で2013年11月に初飛行、1年半にわたり型式証明取得のために試験飛行に使用されJALに引き渡されました。

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2023年5月 2日 (火)

久しぶりの羽田空港 その4 ANA Boeing 787-9のStar alliance 塗装

 新型コロナウイルス病の蔓延で空港からも足が遠ざかり、久しぶりに空港に行ってみると日本の航空会社の機体の塗装が変わっていることに驚く今日この頃です。

ANAがB767A321に代わる次期中型機としてBoeing7E7を選定したのが、2004年4月26日、7E7は2005年1月787 Dreamlinerに名称変更、2007年7月8日に初号機がロールアウト、しかし数々の問題が発覚し、開発は大幅に遅れ、当初の計画より3年半遅れの2011年9月25日に初号機JA801Aが引き渡されました。2011年11月から国内線での定期運航、2012年1月からは北京線、フランクフルト線などの国際線運航も開始されました。しかし、2013年1月26日、山口宇部発羽田行NH692便においてリチウムイオンバッテリーから出火、高松空港に緊急着陸という重大インシデントが発生、787の飛行停止が決定、世界中の787全機の運航が停まる事態となりました。約4か月後、運航が再開、デリバリーも進み、787-8に続き,787-9の導入も進み、2019年4月26日には胴体をさらにストレッチした787-10も導入されました。Fleet listによると現時点で79機、引き渡されており、76機が営業運航に就いています。あと4機引き渡される予定です。その内訳は以下のようになっています。

787-8 C42Y198 中距離国際線仕様 16機
JA801A~JA804A、JA807A、JA808A、JA815A, JA829A, JA831A, JA832A, JA834A, JA835A, JA838A, JA840A, JA874A, JA878A

787-8 C32W14Y138 長距離国際繊仕様 5機
JA805A, JA806A, JA813A, JA814A, JA822A

787-8 C46W21Y102 メキシコシティ投入国際線仕様 4機
JA820A, JA823A, JA827A, JA828A

787-8 C12Y323 国内線仕様 11機
JA809A~JA812A, JA816A~JA819A, JA821A, JA824A, JA825A

787-9 C48W21Y146 長距離国際線仕様 15機
JA836A, JA837A, JA839A, JA871A~JA873A, JA875A,~JA877A, JA880A,JA891A, JA892A, JA928A, JA932A, JA933A

787-9 C40W14Y192 中距離国際線仕様 20機
JA879A, JA882A~JA888A, JA890A, JA893A~JA899A, JA921A~JA923A, JA925A

787-9 W18Y377 国内線仕様機 4機
JA830A, JA833A, JA936A, JA937A

787-10 C38W21Y235 中距離国際線仕様 3機
JA900A~JA902A

787-8から787-10までの3つのタイプ、そしてRRのトレント1000エンジンとGEnx-1B64の2社のエンジン装備となっています。平均機齢は7.6年です。
カラースキームのバリアントとしては787-8のJA874AがANA Future Promise(未撮影)、787-9のJA871AもANA Future Promise(未撮影)、JA872A、JA875A、JA899AがStar alliance、JA873AがStar Wars - R2-D2となっています。

Ja872a-boeing-787981-34504-329-180310-hn 2018/3/10 HND T3 ノーマル塗装時代のJA872A B787-981

Ja872a-230418-hnd2 Ja872a-230418-hnd3 2023/4/18 HND T3 Staralliance csとなったJA872A

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2023年5月 1日 (月)

4月28日、4067レで現時点での押太郎ラストナンバー-354号機を撮影

EF210-300番台2022年度は340号機から354号機までの15両が新製され、340~348号機までの9両は新鶴見区、349~354号機の6両は吹田区に新製配置されました。現時点でラストナンバーとなっている354号機は3月23日に川崎車両を出場、兵庫~鷹取(神戸貨物ターミナル)間、甲種回送された後、吹田区まで試運転されました。
 同機の首都圏初登場(東上)は4月18日62レA121仕業でしたが、4月27日、東福山から1056レ、新鶴見から4067レとなり倉賀野までのヨA107仕業で4月28日、西国分寺で撮影することができました。


Ef210354-4067-230428


Ef210354-4067-230428-2


Ef210354-4067-230428-3
Ef210354-4067-230428-4
4067-230428 2023/4/28 西国分寺 約2時間遅れで西国分寺を通過する 吹田区EF210-354号機牽引の 4067レ


尚、4067レは朝のラッシュ時間帯前に本来通過する列車ですが、少しの遅れで新鶴見などでの待機時間が長くなる列車のようで、この日も本来7:27頃通過の予定が実際に通過したのは9:21、そのあとの5082レの直前でした。

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