登場から35年が経過したJR九州の783系 その2 2000年3月の885系「かもめ」の登場まで
1992年7月15日のダイヤ改正はJR九州として発足以来、最大規模のダイヤ改正となりました。787系のデビューで783系は一歩引いた位置づけになった感がありましたが、新鋭787系と並んで西鹿児島までの特急「つばめ」の運用の一部、そして「有明」「ハイパーにちりん」「かもめ」を担当しました。
ThscT(MT1)M1Mc 2本 「有明」3往復、「ハイパーにちりん」2往復
ThscTM1Mc 5本 「有明」8往復(臨時+4)、「ハイパーにちりん」3往復
TscMT2(MT1)M1Mc 6本 「つばめ」7往復
Tsc(M)T1MT2MT1M1Mc 2本 「ハイパーかもめ」 5往復 に投入されました。
表1 1993年4月1日時点の南福岡電車区に配置された783系の編成表
全90両は7両編成8本、6両編成3本、4両編成4本に組成されていました。この頃、床下装備だった冷房装置をAU402K、室外ユニットタイプに改造する工事が進行中でした。また、普通室のフットレストと全室のオーディオ・テレビの撤去工事も進んでいました。
鹿児島運転所に配置された787系が増備されるに従って、「つばめ」から783系の撤退が進んで行きました。そして1995年4月20日のダイヤ改正ではJR九州初の振り子式電車883系が登場、博多~大分間の「ソニックにちりん」に投入されました。この改正で783系の「ハイパーにちりん」は無くなり、
TscMT2M1Mc 4本 「にちりん」 6往復
ThscMTM1Mc 7本 「有明」 17往復(臨時+2)
TscMT2(MT1)M1Mc 2本 「つばめ」2往復(臨時+1)、「ドリームつばめ」1往復
TscMT2MT1M1Mc 2本 「かもめ」5往復 に投入されました。
「ドリームつばめ」は特急化前は門司港~西鹿児島間の急行「かいもん」(門司港~小倉間は普通列車1121レ・1120レ)で1993年3月18日の改正で787系を使用した夜行特急になりました。1995年4月20日の改正では783系に置き換えられましたが、1年後の1996年3月16日の改正で787系に戻されました。その後、2004年3月13日のダイヤ改正で九州新幹線、新八代~鹿児島中央間が開業するまで運行されました。
1996年3月16日の改正で「つばめ」「ドリームつばめ」から撤退、「にちりん」運用も883系の増備で消滅し、「かもめ」のパターンダイヤ化に備え、クロ782-1~8のクロハ782-500番台化改造が1995年4月から1996年5月にかけて行われました。クロのB室が普通室となり、トイレ・洗面所は拡大されました。クロ782は形式消滅し、クロハ782-500番台、番号はオリジナル番号に500を加えた番号となりました。
787系との格差を是正するため、第1次リニューアルが行われ、内装材やカラーリングを787系と同様のもの(客室内:ダークグレー系、クロハ(改造後含む)のデッキ:青系、それ以外のデッキ:シルバー系)に変更しました。共用トイレは男女別とし、洗面所の拡大およびトイレ・洗面所使用灯が増設されました。サハ783形0番台B室に車内販売準備室が追加されました。車体塗装を、銀色と、赤・青・緑・黒の4色のブロックパターンを併用したものに変更しました。先頭車の前面下部にフォグランプ、正面中央上部に棒状の尾灯を追設しました。 2010/8/30 竹下 CM1編成 クモハ783-1
2010/8/30 竹下 CM1編成 クロハ782-1
2002/4/4 諫早 CM2編成2010/8/30 竹下 CM3編成
表2 1997年4月1日時点の南福岡電車区 783系編成表
この時点では6両編成8本と5両編成7本、増結用車7両となっており、クロハ782-500番台が6両編成に、基本番台が5両編成に連結されていました。
1999年10月1日の改正では豊肥本線熊本~肥後大津間が電化され、「有明」の豊肥本線乗り入れが再開しました。今回からは豊肥本線内も特急列車としての運行になりました。この改正に先立ち、1999年7月にはモハ783-1~6のうち、1,2,3が-201,202,203に4,5,6が304,305,306に改造されました。-200番台はパンタグラフが残され、亘り線引き通し用の引通し線が新設され、-300番台はパンタグラフが撤去され、亘り線引き通し用の引通し線が新設されました。同様の改造が2000年2月、モハ783-9、-16に対しても施工され、それぞれ-209、-316となりました。これは2000年3月11日の改正で885系が「かもめ」に投入されるため、783系は「みどり」「ハウステンボス」を担当するための準備であり、ハウステンボス編成では電動車が隣り合うために一方のパンタグラフを撤去し、他方から給電するよう改造されました。2000年2月にはサハ783に運転台を取付け、貫通タイプのクハ783-100番台(Tc1)、クロハ782-100番台(T'hsc1)が登場しました。詳細は明日の記事で。
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