世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その29 機材導入の資金負担軽減のため米国籍で導入された N211JL
1983年後半頃と言えば、今でも鮮明に覚えていますが、JALでは長年主力機として活躍してきたDC-8の退役が進み、747やDC-10の導入が加速された時期でした。この時期、新機材導入の資金負担を軽減するために採られたのがleveraged tax leaseによる新機材の導入でした。leverageを直訳すれば「梃子の作用」ですが、「少ない力を大きな力にする」、すなわち個々の負担する金額は少ないが、皆が出し合うことで大きなものを購入し、貸し出すというやり方です。
アメリカのリース会社ウイルミントン・トラスト社が貸し手(出資者)を募り、銀行、保険会社など多くの投資家から集めた資金で機材を購入、それをJALにリースし、25年間オペレーションした後に、減価償却され、機体はJALのものとなり、JAナンバーに再登録となりました。これまでにリース方式で導入されたDC-3,Martin 202, DC-4, DC-6B,DC-8, B727等とは異なり、リース元が機材を保有しないファイナンス・リース方式のため、機材は返却されることはなく、JALの機材となりました。
JALのB747シリーズの3機、N211JL, N212JL, N213JLがこの方式でフリートに加わり、1番機の貨物機B747-246FN211JLについては25年後の1997年12月にJA811Jに登録されました。
撮影年月日不詳 NRT
1996/11/16 NRT
cn22989/ln571として製造され、エンジンはJT9D-7Qが装備され、初飛行は1982年10月7日でした。
1998/10/25 NRT レジはJA811Jと8000番台レジではなく、現在のレジ方式で登録されました。 1998/11/13 NRT
2002/2/5 バンコク・ドムアン空港 Nレジの頃は飛行できるルートにも制限がありましたが、JAレジになってからは世界各国の空港で見かけるようになりました。
1997年12月17日にJA811Jと登録されてからさらに2008年10月まで活躍し、保管状態になった後、同年11月20日、Kallita Airに売却され、N746CKと登録、2016年8月まで活躍しました。まだ解体はされていないようです。
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コメント
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B767−281様 お早うございます。今朝は少し風が爽やか楽になりました。さてNナンバーの謎(笑い)初めて分かりました。なるほど資金繰りの関係なのですね。それにしても25年使用されることが前提とは結構長いですね。そう言えば国鉄に民有車両というのがありましたがあれも似ているやり方なのでしょうか。検査表記の上に丸印が付いていたような。修学旅行電車などは利用債でしたか、そのようなのもありましたが。
投稿: 細井忠邦 | 2023年8月28日 (月) 09時24分
細井忠邦さま、おはようございます。当時、JALは特殊法人でした。国鉄も同じような特殊法人でした。それぞれに似たような資材の調達システムが認められていたということなのでしょうか。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2023年8月29日 (火) 05時43分