2023年 北九州旅行 その42 真っ赤なボディのキハ185系
キハ185系といえば民営化を目前に控えた国鉄が1986年、四国地区向けに開発、日本車輛製造、新潟鐵工所、富士重工業が製造を担当し、民営化後はJR四国が引き続き製造、全部で52両画製造されました。民営化後のJR四国の経営基盤安定のため、老朽化したキハ58系、キハ65形の代替車との位置づけで製造された車両でもありました。
それまでの特急型気動車は専ら長大編成を組み、発電用ディーゼルエンジンは特定の車両の床下に搭載されていたため、電源確保のために編成の組み方が拘束されており、四国のような輸送単位が小さく、かつ輸送量の変動が大きく、急勾配の多い地域での輸送に対しては柔軟性に著しく欠けていました。
キハ185系では一般形気動車と近い機器構成とし、キハ185形では走行用エンジンにより、キロハ186形では専用小型エンジンで、コンプレッサーを直接駆動することで冷暖房の1両単位の完結が可能となり、最短2両での編成組成が可能となり、自由度が大幅に向上しました。
形式は
製造時
キハ185形0番台(Mc) 運転台・トイレ付普通車 1~26 定員60名 19~26はJR四国が製造
キハ185形1000番台(M'c) 運転台・トイレ無し 1001~1018 定員64名 1013~1018はJR四国が製造
キロハ186形(Mhc) グリーン車・普通車の合造車 1~8 定員グリーン席24名、普通席32名
1990年代、四国島内では高速道路の整備が急速に進み、その対抗策として高速運転が可能な振り子式気動車の2000系の開発、増備が行われ、性能面で見劣りがするキハ185系が余剰気味となっていました。一方、JR九州は急行「由布」・「火の山」の車両置き換えを検討しており、両者の思惑が一致し、1992年、20両の売却が決まりました。
キハ185-1 - 8・10・15・16・1001・1004・1008・1011・1012
キロハ186-3・5 - 7(譲受後全車キハ186形に改造:豊肥本線や久大本線の勾配対策でエンジンを1基追加して2基搭載とし、グリーン席を廃止)
2004年、「あそ」の廃止と「九州横断特急」・「くまがわ」の運転開始により、ワンマン運転対応工事が施工され、客室内装は木材を多用した明るい雰囲気へと再リニューアルされました。フォグランプ設置、外板塗装の変更といった改装もなされました。
2008年、エンジンが低公害のDMF11HZ系エンジン(コマツ製SA6D125HE-1)に換装され、液体変速機も高出力・高トルク対応の新型変速機(日立ニコトランスミッション社製TACN-22-1612C,変速1段・直結2段)のものに換装されました。エンジンの最高出力は355psですが、車体強度やブレーキ性能の関係上、更新前機関と同じ250psにデチューンした上での運用となっています。ATS改造工事を受けて、ATS-S形からATS-SK形に更新。その後、ATS-DK形への更新を受けています。2018年からは、「九州横断特急」の塗装をベースにした「AROUND THE KYUSHU」仕様の車両が登場。「ゆふ」・「九州横断特急」にそれぞれ投入されました。 2023/6/1 博多 本来は「ゆふいんの森3号」ですが、「ゆふ73号」としてキハ185系で運転
2023/6/1 博多 「ゆふ2号」大分から久大本線、鹿児島本線経由で到着
2023/6/1 博多 前面窓ガラスや車体側面に入れられたAROUND THE KYUSYUマーク
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