伊豆箱根鉄道 駿豆線 その2 車両編 part1 西武鉄道からの旧形国電の受け入れと1000系
伊豆箱根鉄道の車両、現在は自社製の車両が多く活躍していますが、1000系が投入される1963年以前は西武鉄道が放出した旧形国電が多く活躍していました。西武が使用した旧形国電のうち約半数以上を伊豆箱根鉄道が受け入れていたため、昭和30年代から40年代にかけては当鉄道は旧形国電の展示場と言われたほどでした。
表 昭和40年代以降の西武鉄道から伊豆箱根鉄道への譲渡車両
32,33は東芝製40t凸型電機です。IIは番号として二代目を意味します。 <鉄道ピクトリアル誌 No560 の記事から>
この表以外にクハ1311形 クハ1325、クハ1312 1968年廃車→伊豆箱根 車体のみ モハ51、クハ81に 1987年廃車
などもありました。
1963年から1971年にかけて17m級車体の国電や西武からの譲渡車を置き換え、ラッシュ対応の改善、観光客への乗客サービスの向上を図るべく、伊豆箱根鉄道初のオリジナル車両として導入されたのが1000系でした。
今から思えば、大学1年(1974年)の秋、クラブの合宿で西伊豆、戸田に行った際に三島から修善寺まで初めて駿豆線に乗車しましたが、三島に着いた時には日はどっぷり暮れており、修善寺でも慌ただしくバスに乗り換えたため、伊豆箱根鉄道の電車を観察する機会がありませんでしたが、その時に乗車したのが1000系だったように記憶しています。
編成は2M1Tの3両編成で、1001Fのみモハ1000+サハ2000+モハ1000、1003F以降はモハ1000+モハ1000+クハ2000、全金属製20m3扉車体、登場時は吊り掛け駆動方式でした。製造は西武所沢車輛工場が担当し、4本が製造されました。
主要諸元
最高運転速度 85 km/h
設計最高速度 100 km/h
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 488名[座席200〔188〕名] (〔〕の座席は1005Fでの人数)
車両定員 160名[座席64〔60〕名] ※Mc・Tc(クハ2002以降)168名[座席72〔68〕名] ※M・T(サハ2001)
車両重量 40t〔38t〕 (Mc・M) / 30t〔31t〕 (Tc)
編成重量 110t〔111t〕
全長 20,000 mm
全幅 2,900mm〔2,877mm〕 mm
全高 4,200mm mm
台車 DT-17・DT-10・TR-25A[2](Mc・M車)TR-11A(Tc・T車)【住友金属工業FS342】
主電動機 直巻電動機 MT-30・40
日立製作所【HS-836-Frb】
主電動機出力 128kW(第2編成のみ100kW)【120 kW】/個
駆動方式 吊り掛け駆動 【中空軸平行カルダン】
歯車比 2.87【86:15=1:5.73】
編成出力 1024kW【960kW】
制御装置 抵抗制御 三菱電機ABFM-168-15M
制動装置 電磁直通空気制動 (HSC)
保安装置 伊豆箱根式ATS
備考 〔〕は2次型車での数値 【】は2次型車の新性能化改造後の数値
外観的には当時の西武鉄道の標準形式であった551系、601系の軽量車体、両開き扉をベースにしており、前頭部の形態は701系に似ていました。電磁直通ブレーキ、MMユニット方式(1003F以降)の制御方式、補助電源の交流化など当時としては近代化された設備を採用していました。1989年に1005F,1007Fが台車、主電動機を交換してカルダン駆動方式に改造されました。
しかし非冷房であったことなどから1991年から廃車が進み、1997年、3000系3011Fの導入で定期運用は消滅、1005Fが保留車として残されましたが、2005年に廃車となりました。
伊豆箱根鉄道 1000系
1000系は自社オリジナルの4編成と西武鉄道から譲渡された元501系編成による3本を加えたトータル7本が在籍しました。
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