イタリアのフラッグ・キャリア いつのまにかアリタリア航空からITAエアウェイズになっていた その2 BaciとBVLGARI
日本線に就航した数々のアリタリア機のなかでも最も注目を浴びた機体はB747-243Mに施された特別塗装の2機、チョコレートブランドのBaciと時計のBVLGARIではなかったかと思います。
Baciの特別塗装となったI-DEMFはcn22508/ln499として製造され、1980年12月11日に初飛行しています。エンジンはGEのCF6-50E2でした。12月22日にアリタリア航空に引き渡されています。
アリタリア航空では1970年5月と7月に2機のB747-143A (cn19729/ln36, cn19730/ln56)を受領し、I-DEMA, I-DEMEのレジで運航していますが、これらは1年半程度でフリートから離れています。1971年3月と5月に2機のB747-243B(cn19731/ln120, cn19732/ln134)を受領し、I-DEMO, I-DEMUのレジで運航しています。この2機はGE CF6-50E2エンジンを装備していました。これらは1981年11月、12月まで在籍していました。1972年5月には5機目のB747として-243B(cn20520/ln190)を受領しています。エンジンはP&W JT9D-7Aが択ばれています。この機体は1980年12月に売却されています。
これら5機のB747が在籍していた時期は1960年代から活躍していたダグラスDC-8(最初は15機の-40、後半は11機の-60/70)が終焉を迎える時期で1980年代からの長距離国際線主力機となるB747のエンジンの選択の時期だったように見えます。1980年12月12日のI-DEMDを皮切りにI-DEMFと続き、1981年8月にはI-DEMG, 9月にはI-DEML、11月にはI-DEMN,12月にはI-DEMP, I-DEMRと引き渡されてゆきました。
1998/3/21 NRT
さて、1980年12月22日に引き渡されたI-DEMFですが、1988年11月18日、ミラノ・マルペンサ空港からベネズエラのシモン・ボリバル空港への飛行中m自動操縦装置が故障し、機体が大きく揺れ、多数の乗客が負傷し、7名が救急搬送されるという事故に遭っています。
1997年4月、「イタリアからの(Baci:)キス、アリタリアからのキス」Perugina社のプロモーションの特別塗装になり、4月8日にはJFKまでの初フライトを行いました。当初はJFK便専用に予定でしたが、日本線を含めて世界中、B747-200Bの就航路線をフライトすることに。
1999年9月にはノーマル塗装に戻され、2000年11月にはアリタリア便としては最終フライトとなり、12月28日、Atlas Airに売却、貨物機にコンバートされ、レジはN540MCとなりました。2011年7月20日、カリフォルニア、モハベに駐機、その後解体。
BVLGARI塗装のI-DEMSはcn22969/ln575として製造され1983年2月11日に初飛行、2月28日にアリタリア航空に引き渡されています。Baciに続く、プロモーション第二段として1998年4月、Bulgari Aluminium特別塗装機になりました。1998年4月25日、特別塗装機としての初飛行を行っています。2000年1月、ノーマル塗装に戻され、2001年10月31日、アリタリア便として最終フライト。2002年7月、アリゾナ州マラナに停泊。2002年11月8日、Boeing Aircraft Companyが購入、N73717に。2007年3月、アリゾナ州フェニックスにて解体。
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